ハリルホジッチはなぜ川島永嗣の起用を決断したのか

COLUMN元日本代表GKコーチ リカルド・ロペスの Bird's-eye view①

ハリルホジッチはなぜ川島永嗣の起用を決断したのか

By LEGENDS STADIUM編集部 ・ 2017.4.24

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FIFAロシアW杯アジア最終予選の山場だった、2017年3月に行われたUAE戦(2-0)、タイ戦(4-0)を連勝し、グループBの首位に立った日本代表。この2試合のポイントはどこだったのか? レジェンドスタジアムは日本代表を語る上で、最適な人物に分析を依頼した。アギーレ前監督とともに日本代表スタッフの一員としてGKコーチを務め、ハリルホジッチ体制下でも手腕を奮ったリカルド・ロペス氏だ。現在はアーセナルSS市川のテクニカルダイレクターとして、日本の育成年代の指導にあたっているリカルド氏に、日本代表の2連戦について語ってもらった。今回のテーマは「川島永嗣選手の活躍について」。GKコーチならではの視点をお届けする。


川島永嗣のスピードが活きた2試合


UAE戦、タイ戦ともにGKの川島永嗣選手がすばらしい活躍をしました。彼の好セーブがなければ、この2試合は非常に難しい試合になったでしょう。クラブ(注・フランスリーグのメス)では出番のなかった川島選手を起用したハリルホジッチ監督の決断力、そして久しぶりのスタメン起用にも関わらず、2試合連続無失点でチームを救った川島選手に敬意を評したいと思います。


この試合の前まで、日本代表のゴールは西川周作選手が守っていました。川島選手の日本代表での出場は、2016年6月のブルガリア戦まで遡らなければなりません。そして、久しぶりの先発がアウェイゲームでした。非常に難しい状況にもかかわらず、彼は最高の準備をして試合に臨み、UAE戦では前半20分に迎えた、相手選手と1対1の状況で身を挺して相手のシュートをブロックしました。


このプレーならびに、タイ戦の前半終了間際のシュートストップ、あるいはPKストップの場面で、彼の持ち味が出たと思います。私が考える、川島選手の優れた部分は2つあります。ひとつはスピード。そしてもうひとつがメンタリティです。GKのプレーにおいて、スピードにはいくつかの種類があります。たとえば、シュートストップの場面などに必要な『反応スピード』。川島選手は反応速度に優れており、タイ戦のPKストップのシーンでは彼の持ち味であるスピードを発揮することができていたと思います。また、PKの場面では迷わず右に飛んで、相手のキックをストップしていますが、ここでも彼の良さである「判断」「決断」のスピードが見受けられます。


キャプテン長谷部と並び、チームの中でリスペクトされる存在


川島選手は練習の中から常に100%でプレーし、一生懸命にすべてを出し切る選手です。私は彼と多くのトレーニングをしてきましたが、それを確信しています。所属クラブでは試合にはあまり出ることができてはいませんが、常に良い準備ができていて、日本代表のためにすべてを捧げることのできる選手です。そのため、代表チームの中でも、キャプテンの長谷部誠選手と並んで、周りからリスペクトされています。チームを引っ張っていく、リーダー的な存在です。それゆえに彼は背番号1を背負っており、ハリルホジッチ監督が彼をスタメンで使ったのもそこに理由があるのではないでしょうか。



日本のGKのレベルは低くはない


次のイラク戦(注・6月13日)もアウェイで難しい試合になります。サッカーはチームスポーツなので、どの選手もハードワークし、持っている力のすべてを出し切る必要があると思いますが、なかでも川島選手の活躍が勝敗のポイントになるのではないかと思います。GKはそれほど重要なポジションです。私は日本のGKのレベルは決して低くはないと思っています。過去のことは考えずに「日本のGKはレベルが高くない」という考えを捨てなければいけません。


アーセナルSS市川のテクニカルダイレクター就任会見でも言いましたが、西川、川島、東口、林、権田…彼らも欧州でプレーできる選手だと思っています。大切なのは、目の前の試合に全力を尽くすこと。その積み重ねが、新たなステージの扉を開くために必要なことと言えるでしょう。日本代表はもっと良いチームになります。私は日本がロシアW杯に行くことができると確信していますし、それを願っています。



写真提供:getty images,legends stadium

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