「カイシュウ、半端ない」から1年――。高卒2年目の“俊英ボランチ”佐野海舟に漂う覚醒の予感【町田】

「カイシュウ、半端ない」から1年――。高卒2年目の“俊英ボランチ”佐野海舟に漂う覚醒の予感【町田】

2020.2.24 ・ Jリーグ

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[J2第1節]町田0-0甲府/2月23日/町田GIONスタジアム


 高校1年の時から注目を集めてきた俊英ボランチが、ついに大輪の花を咲かせようとしている。FC町田ゼルビアの佐野海舟だ。


 鳥取県内では無双の米子北高時代は、1年次からレギュラーに抜擢され、3年連続でインターハイと選手権に出場。2年次にはプレミアリーグWESTでの活躍が認められ、イタリア遠征を行なう選抜チームにも選出された。


「まだ状況判断やポジションニングに課題があるので、同じポジションの選手のプレーを見て勉強したい」


 そう語っていた当時から、ボール奪取能力と的確なミドルパスは「超高校級」。高校最後の晴れ舞台となった18年度の選手権で対戦した国士舘の選手たちが「カイシュウ、半端ない」と脱帽するほど、中盤での存在感は際立っていた。


 町田に加入して1年目の昨シーズン、相馬直樹監督の下で、佐野は本職のボランチではなく、左右のSBで起用された。現役時代は名左SBとして鳴らした指揮官だけに、「適正」を感じたのだろう。やはり、地上戦での1対1の強さが魅力だったか。


 ルーキーイヤーに21試合に出場して経験を積んだ19歳は、2年目の今季、ランコ・ポポヴィッチ新監督から大きな期待を掛けられ、再びボランチが主戦場を移す。そして、甲府との開幕戦でスタメンに抜擢されるのだ。

  開始4分、激しいチャージで190センチの大型FWラファエルからボールを奪取。さっそく持ち味を発揮した。その後も随所に自慢の「回収力」を披露。とりわけ、甲府の10番ドゥドゥからボールをかっさらい、右SBの小田逸稀にきれいなパスを通した62分のプレーに佐野の魅力が凝縮されていた。


 それでも、試合後に出たのは反省の弁だった。


「もっとディフェンスラインからボールを受ける回数を増やせれば、自分たちがボールを保持する時間も増えると思う。(守備では)ボールを奪えた部分もあったんですが、ワンテンポ遅れ、剥がされる時もあったので、そこは改善していきたいです」


 20分にはチーム最初の、そして前半唯一となるシュートも放った。


「ボランチがミドルシュートも決められれば、チームは強くなると思うので、精度を高めていきたい」

  SBではなく、ボランチで開幕スタメンを掴んだことについては、「自分がいちばん得意なポジションなので自信を持ってやっていきたい。去年は(慣れないSBで)周りの人にカバーされていたので、逆にカバーするぐらいの気持ちで、責任を持ってやっていきたい」と語り、こう続けた。


「(SBで出場して時も)試合に勝つという部分では変わらないので、気の持ちようは同じでした。ただ、景色は全く違うんで……」


 試合中は、トップ下の平戸太貴など年上の選手たちにも、遠慮なく指示を出す場面が目立った。


「自分たち(ボランチ)が前を動かさいないと、いい守備ができないので」 


 今季から10代にして副キャプテンのひとりに任命されたのも、そういったピッチでの振る舞いを期待されてのことだろう。


「カイシュウ、半端ない」から1年――。海舟が覚醒の時を迎えようとしている。


取材・文●江國森(サッカーダイジェストWeb編集部)

 

記事提供:サッカーダイジェストWEB

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