J過密日程でU-19日本代表のレギュラー争いが激化!久保建英は招集せずも、前線はタレントが目白押し

J過密日程でU-19日本代表のレギュラー争いが激化!久保建英は招集せずも、前線はタレントが目白押し

2020.9.18 ・ 日本代表

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 23人の枠を巡る争いが白熱している。


 3大会連続のU-20ワールドカップを目指す若き日本代表。新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、ウズベキスタンで予定されていた今秋のU-19アジア選手権が来年初旬に延期となったが、2001年生まれ以降の選手たちがメンバー入りに向けてアピールを続けている。


 本来であれば、3月に開催地であるウズベキスタンで合宿を行ない、その後も国内合宿や海外遠征で強化を進める予定だった。だが、新型コロナウイルスの影響で予定していた活動は全て白紙に。7月初旬の千葉合宿から強化を再開したものの、8月初旬の活動は直前で選手に新型コロナウイルスの感染があったため行えなかった。9月14日から2か月ぶりに活動を再開したとはいえ、今年の活動は実質2回。昨年のU-20ワールドカップに出場したチームと比較すると、大会の開催時期が未定になっている点も含め、強化の面で難しい舵取りを迫られている。


 しかし、影山雅永監督は現状をネガティブに捉えていない。「前回のキャンプが7月頭。今回の活動はそこから2か月が経っている。(強化の面で)積み上げるというほど積み上げる回数がなかった」としつつも、リーグ戦で出場機会を得ている選手が多くいるからだ。


「Jリーグが過密日程になっていて、その中で出場機会を掴んだ選手が非常に多い。選手にとって、クラブでの活動が強化になる。今は毎週どころか週に2回試合があるので、自チームで活躍してくれるのが何よりの強化になっています。代表のスタッフもそういう選手たちのパフォーマンスを追いながら、(チーム事情で)招集できる選手とできない選手が出ている中で、シンプルなコンセプトで選手の良さを出す作業を合宿の中で粛々とやっていく。旬な選手、力を付けている選手を見逃さないようにしたい」


 開催できなかった合宿も含め、今年の活動でリストに名を連ねた選手は47名。ルーキー組が多い中でも、出場機会を得られているのはチームにとってプラスの材料だろう。

  現状でU-19代表のレギュラーは決まっていない。多くの選手を手元に呼び、4−4−2をベースにしながら最適解を探っている段階だ。ただ、現時点でベストメンバーを考えるのであれば、代表での実績や所属クラブでの状況が判断材料となる。


 まず、GKを見ていくと、多くの選手が出場機会を得ている。小畑裕馬(仙台)はリーグ戦で5試合に出場。直近8試合はベンチに甘んじているが、好セーブでチームを救う場面も少なくなかった。昨秋のU-19アジア選手権予選に出場した山田大樹(鹿島)もJ1で2試合を経験するなど、徐々にプロの水に慣れつつある。ただ、GKは近年稀に見るほど層が厚いポジション。彼らであっても簡単に守護神の座は掴めない。


 最も一番手に近いのは、高校3年生ながら浦和でトップチームに所属する鈴木彩艶だろう。卓越したGKスキルと正確なフィードで昨秋のU-17ワールドカップで活躍。ガーナ人の父親から譲り受けた身体能力にも非凡なものがあり、ポテンシャルは測り知れない。さらに海外組では小久保玲央ブライアン(ベンフィカU-19)の評価が上昇。昨年末には飛び級でU-22代表に招集され、先月行なわれたUEFAユースリーグ(UEFAチャンピオンズ・リーグのユース版)ではチームの準優勝に貢献した。昨秋のアジア選手権予選では一番手として起用されており、ナイジェリアにルーツを持つ大型GKも確かな実力を持っている。鈴木と同じく高校3年生でトップチームに籍を置く野澤大志ブランドン(FC東京)も控えており、GKのレベルは非常に高い。


 一方、DF陣は他のポジションに比べて層が薄く、不安を抱えている。特にCBは絶対的な軸がおらず、Jの舞台でレギュラーの座を掴んでいる選手がいないからだ。CBでは昨秋のU-17ワールドカップで株を上げた鈴木海音(磐田U-18)と半田陸(山形)のコンビに期待が集まるが、柱と呼ぶには心許ない。膝の大怪我で1年近く戦列離れていた馬場晴也(東京V)、J1で出場機会を増やしつつある木村誠二(FC東京)といった未招集組の台頭にも期待が掛かる。


 右SBは成瀬峻平(名古屋)がクラブでレギュラーの座を掴んでおり、現状では一番手となる。三原秀真(愛媛)、畑大雅(湘南)といった常連組も状態は悪くなく、未招集組の中村拓海(FC東京)が出場機会を増やしているのもプラスの材料だ。左SBは横一線で、バングーナガンデ佳史扶(FC東京)、加藤聖(長崎)がポジションを争う。ただ、高校2年生でJ1デビューを果たした中野伸哉(鳥栖U-18)もクレバーなプレーを見せており、今後の成長次第ではレギュラーを奪っても、なんら不思議ではない。

  実力者が揃うボランチのレギュラー争いは混沌としている。松岡大起(鳥栖)、山本理仁、藤田譲瑠チマ(ともに東京V)、武田英寿(浦和)、松本凪生(C大阪)、柴田壮介(湘南)がポジションを争う構図。ただ、サイドハーフが主戦場となる荒木遼太郎(鹿島)、成岡輝瑠(清水ユース)も対応できるだけに、大会前のコンディションがポイントになりそうだ。


 右サイドハーフは小田裕太郎(神戸)が軸。個の能力は世代屈指で局面を打開する力を持っている。松村優太(鹿島)などもJの舞台で経験を積んでおり、人材には事欠かない。左サイドハーフは鹿島で結果を残している荒木が一歩リード。鈴木唯人(清水)も継続的にリーグ戦で出番を得ており、こちらも層が厚い。


 最も選考が難しい最前線はA代表でプレーする久保建英は招集しない方針。だが、それを補って余りあるタレントが揃う。前回大会を経験している斉藤光毅(横浜FC)、高卒ルーキーながら鹿島でスタメンを争っている染野唯月(鹿島)はJの舞台で結果を残しており、コンディションが良い。


 その他にも個性豊かな面々が揃っており、誰が選ばれても遜色ない。190cmの大型FW櫻川ソロモンは高さ、J3で得点を量産する唐山翔自(G大阪)は決定力、昨季の高校サッカー選手権で活躍した晴山岬(町田)は動き出しの良さが武器。チーム事情で今年は未招集だが、選出されればエースとなりうる西川潤(C大阪)、スイスで実力を磨くスピードスター若月大和(シオン)も控えている。


 指揮官は誰をチョイスするのか。櫻川が予選の最終戦で退場処分を受けた影響で初戦と第2戦に出場できない事情も含め、大会の調子や相手の特徴を踏まえた上でメンバーを選ぶことになりそうだ。


「ベトナムで戦ったグループ、ブラジルで戦ったグループ、それ以外のグループ」に分けながら、強化を進めてきた影山監督。日を重ね、昨秋のU-17ワールドカップに出場した02年生まれ以降の選手、同時期のU-19アジア選手権予選に参加した01年生まれの選手たちが融合したチームになりつつある。

  選手たちも生き残りに向けてモチベーションは高い。


「最終予選、本大会、その先の東京五輪を目標にしている。その中で自分たちの特徴をこのチームで発揮し、今以上に成長してやろうという気持ちが前面に出ている。モチベーションはその本大会や最終予選だけではなく、もっと上を見てアピールしていきたい」(斉藤)


「最終予選が予定通り行なわれないけど、個人的には延期になって良かったと思っている。自分たちが今以上にできるようになるために、個人個人の技術を上げられる時間ができた」

(藤田)


 大会時期は現時点で決まっていない。しかし、いつ開催されても問題ないように準備を進めていくしかない。そのために求められるのは結果。ワールドカップやアジア選手権を見据えながら、選手たちは自クラブでさらなる成長を目指す。


取材・文●松尾祐希(フリーライター)



記事提供:サッカーダイジェストWEB

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