「先発起用はまもなく」“18分間”で感じた久保建英の可能性――スペイン紙番記者は開幕2戦をどう見たのか?【現地発】

「先発起用はまもなく」“18分間”で感じた久保建英の可能性――スペイン紙番記者は開幕2戦をどう見たのか?【現地発】

2020.9.23 ・ 日本代表

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 タケ・クボ(久保建英)がウエスカ戦とエイバル戦のラ・リーガ開幕2試合で続けてベンチスタートとなったが、これは当初から予想されていたことだ。


 新監督のウナイ・エメリはプレシーズンの段階から、昨シーズン終盤の快進撃を支えた前監督ハビエル・カジェハが打ち出したプレーコンセプトを継承する方針を示し、既存戦力組を優先的に起用していた。新戦力のタケについてはその過程の中で、適応具合を見ながら、徐々に出場機会を増やすという考えだった。


 実際、タケが主戦場とするセカンドトップと左右サイドは前者がジェラール・モレーノ、後者はモイ・ゴメスとサミュエル・チュクウェゼといずれも昨シーズンもプレーしていた選手たちが2試合ともスタメンを占めた。タケの現在の立ち位置は彼らのバックアッパーだ。



  その中でタケに求められているのは、与えられた出場機会でアピールすること。初戦のウエスカ戦ではラスト13分、1対1のタイスコアで攻撃の切り札としてパコ・アルカセルとの交代で出場し、セカンドトップに入った。一方、エイバル戦はラスト5分、ビジャレアル1点リードの状況で投入された。


 したがって開幕2試合でのタケの合計プレータイムは約18分(アディショナルは除く)。しかしこの短い出場機会の中で可能性は垣間見せている。特にプレー内容が良かったのがエイバル戦だ。ウエスカ戦ではどこか自信なげに見えたが、わずかな間に3つのチャンスを作るなど相手にとって危険な存在としてアクティブにピッチを動き回り続けた。


 ではその3つのプレーについて振り返ってみよう。最初のプレーでは味方のパスに反応して縦に抜けると、コーナーフラッグ付近で鋭いドリブルで相手選手をかわしゴール前にクロスを入れた。ただそのグラウンダーのパスは強すぎて、フリーの状態でファーポストで待っていたジェラールとはタイミングが合わなかった。


 1つ目はカウンターからゴール正面でパスを受けると右サイドのジェラールに素早くはたいたが、シュートはGKマルコ・ドミトロビッチに弾かれた。そし3つ目のプレーは今度は立場が逆となって、ジェラールのパスからゴール前でチャンスを得たが、シュートは力なくドミトロビッチの正面を突いた。


 ただ得点できなかったとはいえ、いずれもゴールの匂いを感じさせるプレーで実際、エメリ監督は試合後、タケの成長を認めるとともにこう賛辞を送った。


「タケは練習と試合を重ねるごとに、我々が求めるレベルに近づいてきている。彼自身が、チームが掲げるプレーコンセプトにフィットし、さらにチームメイトのプレーにも適応しなければならない。いずれにせよ、最初からタケのことは戦力の1人として計算している。


 彼の成長ぶりには満足している。それを証拠にこのエイバル戦でも、サイドから局面を打開して、チャンスを作っていた。いずれかのプレーで得点が決まって試合が決していても不思議ではなかった。すでに準備はできている。スタメン入りのチャンスは間違いなくあるよ」


 この指揮官の発言が裏付けるように、タケがスタメンで起用されるのはそう遠くはないだろう。ましてや来月からヨーロッパリーグがスタートする。もともとエメリはローテーションを積極的に導入する監督だけに、ニ足の草鞋を履きこなすために選手を頻繁に入れ替えるはずで、そんな中で控えの一番手であるタケの出番は当然増えてくるとみて間違いない。


 チームのベースは固まりつつあり、試合を重ねるごとに攻守のバランスも良くなっていくはずだ。エメリはそこに新戦力を肉付けしていく考えで、その中で特に期待を寄せているのがタケなのだ。開幕2試合連続ベンチスタートとはいえ、タケは飛躍の時に備え着実に足場を固めている。


文●ハビエル・マタ(アス紙ビジャレアル番)

翻訳●下村正幸

記事提供:サッカーダイジェストWEB

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