緊急事態宣言下の“リアル”南葛SC――東大樹キャプテンが語る特別な2020年シーズン

緊急事態宣言下の“リアル”南葛SC――東大樹キャプテンが語る特別な2020年シーズン

2020.8.10 ・ 海外サッカー

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 前代未聞の事態が南葛SCにも影響を及ぼした。新型コロナウイルス感染拡大による活動自粛。新監督を迎え、悲願の関東社会人リーグ昇格に向けて強化をしていたチームも、3月8日以来対外試合がストップした。そしてそのまま緊急事態宣言による活動中断へ。


 6月に宣言が解除されるまでの約2か月間、チームはどのような状況下に置かれていたのか。今シーズンから新たにキャプテンに任命された東大樹が、この間の困難と、そして困難の中から得た糧を語ってくれた。


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 サッカーはもちろん、仕事も生活も全てが一変した。新型コロナウイルス感染拡大によって東京都で緊急事態宣言が発令されていた約2か月間。“やりたいことができない”と多くの人が不自由さを感じる中、それでも南葛SCの東大樹キャプテンは前向きだった。


「チームは自主トレーニングという形で継続的に身体を動かし続けていました。毎週火曜日と木曜日、19:00くらいから選手、スタッフ含めてZOOMでつないでみんなでトレーニングして。みんなの様子が画面に映るんですけど、初めてやった時はみんなの息遣いが画面から聞こえてきてうるさくて(笑)。それでミュートにしようとなったんですけど、やり方が分からない選手の息遣いは相変わらず聞こえてきて。時に楽しく、時にイライラしながらやってました(笑)。普段より早い時間で筋トレをしたり、普段やらないことをしたりと、そういう意味ではすごく充実していましたね」


 新監督に代わり、自身も新キャプテンに選ばれ、悲願の関東リーグ昇格へチームの形ができつつあった矢先の自粛期間だった。


「準備段階としてはいい形として仕上がってきた時に、どうしようもない事態になった。個人としては割り切って、準備期間が長くなったくらいの感覚でいました。一方、サッカーボールを蹴れず筋トレばかりですし、やはり外に出ないですから食生活の調整など大変な部分もありました。個人的にはチームのことを考える時間が長くなったかもしれません。スタッフ側も、練習に来ればみんな顔を突き合わせて判断できることができない。かといって電話やネットで一人ひとりに話を事細かに聞くとなると、そこは監督・コーチと選手の間柄だとオープンにしきれない難しさも生じてくる。なので自分が間に入ってみんなの状況を極力掴みやすいように気を遣いました」

  東キャプテンは「チームで試合に勝つ」ことを第一義にしている。その基準に照らし合わせて言うべきことをいい、やるべきことをやる。だが、今回の自粛期間中で難しかったのは選手のコンディションがバラつくことはもちろん、それぞれの事情で練習に対する意識に違いがあったことだ。


「スタッフ側としては、感染予防対策を徹底した上でトレーニングをしたい思いがありました。それは勝利に対する思いの強さの表われなので分かります。でも、選手には独身の選手もいれば、結婚している選手、子どもがいる選手、実家で親と暮らしている選手とそれぞれです。子どもがまだ学校に行けないのに練習していいのか、という話など、いろんな声が出てきました。その中には個人的に“大丈夫だろう”と思うことも、自分がスタッフに対して代弁しなければいけないケースもありました。


 一度ZOOMで選手たちだけで話し合いをしてスタッフに交渉したこともあります。そこは変化というか、今までやってことなかったことで。ただ、選手たちも試合に勝つために動いているので、判断基準はスタッフといっしょなんです。結果、互いに理解できました。そういう意味ではすごく濃い2か月間でしたね。一人ひとりに連絡するのは大変でしたけど」


 自分のことを「コスパのいいキャプテン」と呼ぶ。

「言われたことはちゃんと聞くし、社会人としての時間もあるけど、そのほかの時間の中で南葛SCに対する比重は重い。限られた時間の中でも南葛SCのことはちゃんとやるよ、という意味ですが(笑)。でも実際、今回の自粛期間中、選手一人ひとりの特徴まで考えを巡らせてましたね。同じことを伝えるにもどこまで言うかとか、いつ言うかとか、どう言うかとか。スタッフ側の気持ちにも寄ってみたり、いろいろ考えてました」


 やっぱりサッカーをしたい。それはみんな同じ気持ちだろう。コンディションを保つだけというのはキツい。それもみんな同じ考えだろう。でも自分の場合は両親も祖父母も家にいる。自分だけの問題ではない。であれば今できることをするしかない。そう考えながら都内の一変した風景を眺めながら一人ランニングをしていたという。 先の見えなかった自粛期間が終わり、レギュレーションが変則的になったシーズンの開幕が近付いてきて、改めてサッカーができなかった2か月間を振り返るとまた新たな感触があった。


「サッカーをしていなかったからといって、新チーム始動当初の状態に戻ってしまったかといえばそうではないと。むしろ、新たな監督の下、新しくやろうとしているサッカーを勉強できた期間ではなかったかと。コンディション調整はできることをする以外なかったですが、身体より頭の方は積み上げられたと思います。あとは身体が動き始めれば、チーム状態はすごく良くなっていくはずです」


 どこまでもポジティブなのが、おしゃべり好きで明るい東キャプテンらしい。2020年の東京都社会人サッカーリーグ1部は2ステージ制での開催になった。リーグを2分割しての1stステージはリーグ戦、2ndステージは上位チームによるノックアウト方式に。この変更に関してもポジティブだ。


「リーグ形式が変更になることは、自粛期間に入った時から聞いてはいました。僕としては4グループに分かれるとか、もっとシビアなものになると予想してました。普通では経験できないシーズンになることは間違いないですが、ゲーム数が多いから負けていいとか、少ないから負けられないという話ではない。単純に楽しみですね」


 そして、ある“教訓”を胸に今シーズンへ臨む所存だ。

「この先どう生きていくか。社会人としてなのか、サッカーをしてなのかはともかく、必ず今回の経験が次の何かに貢献してくるんじゃないかと。人生でなにか起きたことは必ず経験値として積み上がるものだと思っているので。今後、スケジュールの組み方やコミュニケーションの方法も変わって来るでしょうし。その際、人それぞれの思いを、今いる場所にいかにアジャストさせていくかというのは、すごく大事なことになるかと思います。そしてやっぱり人は命あってこそで。命あってのサッカーであって仕事だなと。そういう意味でも人の考え方を尊重していくことが大切だなと感じています」


 それぞれの境遇で、それぞれの事情で、新型コロナウイルス感染拡大下の日々に考えさせられ、感じさせられた人は多い。東キャプテンの場合は、サッカーができることがいかに幸せで、いかに多くの人の協力がありがたいことかを改めて痛感した。東京都社会人サッカーリーグ1部の各チームはもちろん、サッカーに携わる人は、みなそれぞれの想いを胸に今、プレーしているはずだ。


 次回は変則的な方式で再開したリーグを戦うにあたって、南葛SCの期する思いを東キャプテンに代弁してもらう。


後編に続く。次回は8月11日(火)掲載予定です。


取材・文●伊藤 亮(フリーライター)


 昨年度に引き続き南葛SCのスポンサーを務めるKLab社は、『キャプテン翼』をモチーフとしたスマートフォン向け対戦型サッカーシミュレーションゲーム『キャプテン翼 ~たたかえドリームチーム~』を2017年より配信している。そのKLab社が今年も南葛SCとのコラボレーションキャンペーンとして、南葛SCの公式戦の試合結果に応じて、『キャプテン翼 ~たたかえドリームチーム~』のゲーム内アイテムをプレイヤーにプレゼントする。


 プレゼント内容は、7月20日に弊Webサイトでも既報の通りで、「勝利で夢球×5」「勝利以外でコイン×28,300」となっているが、これに加えて新キャンペーンも実施する予定。内容は、勝利の際に「夢球×5」と、さらに南葛SCが入れた得点分の夢球を配布するというものだ。南葛SCが勝利し、さらにできるだけ多くの得点が入れば、ゲームユーザーにとってもお得。ぜひ‟リアル“南葛SCの戦いぶりに注目してほしい。


 また、KLab社では今後も南葛SCの公式戦の際に、来場者イベントなどを実施していく予定。こちらもお楽しみに。



 


***南葛SC スケジュール&結果***


【東京都社会人リーグ1部】

Bブロック

■第1節:7月19日(日)

対 TOKYO UNITED+Plus(△1-1)


■第2節:7月26日(日)

対 三菱UFJ銀行サッカー部(〇7-1)


■第3節:8月2日(日)

対 東京23FC江戸川(〇2-0)


■第4節:8月9日(日)

対 FC N.

KICK OFF:9:30


■第5節:9月6日(日)

対 エリース東京

KICK OFF:18:45


■第6節:9月13日(日)

対 駒澤大学GIOCO世田谷

KICK OFF:18:45

 

■第7節:10月11日(日)

対 東京海上FC

KICK OFF:12:00

 

記事提供:サッカーダイジェストWEB

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