日本の若手はどのレベル? 10年ぶりに出場するU-20W杯に期待すること

COLUMN川端暁彦のプレスバック第32回

日本の若手はどのレベル? 10年ぶりに出場するU-20W杯に期待すること

By 川端 暁彦 ・ 2017.1.18

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「15年前に比べて、ユースの育成に関するパワーが落ちてきている」


つい先日、そんな話を馴染みのJクラブ関係者からされてしまった。Jユースの指導にも、トップチームの指導にも携わっていた方だけに率直な実感だったと思うし、肯ける部分も少なくなかった。


Jリーグのベスト11で24歳の昌子源が最年少となっていることが象徴的だが、有力選手たちが欧州へ軒並み移籍し、外国人枠を埋めないチームが増えた中でなお、Jリーグでの若手の台頭は遅々としており、必然的にA代表もまた然り。変な悲観論へ傾く気はないが、日本サッカーの育成部門が順風満帆と思えないのも、また事実だ。


しかし、何が足りないのかイマイチ分からないし、何より実感できなかったのも確かである。フィジカルが不足している? そもそもスキルが足りない? 戦術的な練度や判断力? あるいはメンタリティーの部分に問題が……? 


現場の指導者にしても選手にしてもそうだが、「世代としてなんとなくパワーが足りない」と言われてもピンと来るはずもない。課題を「痛感」する、あるいは手ごたえを「実感」できる、より実戦的で実際的な体感が必要なのだ。


10年ぶりにU-20W杯への出場権を獲得


そこで世界大会である。今年5月に韓国の水原などで行われるU-20ワールドカップに、日本は実に10年ぶりの出場を果たすこととなった。22年前の1995年大会に初めて自力で出場を果たして以来、10年前の2007年大会まで、日本はこの世界大会に出る中で得た課題と世界の傾向を、育成の現場へフィードバックしていくサイクルで成長を続けてきた。


選手個々にとっては課題を痛感する機会であり、同時に自信を獲得する舞台としても機能し、指導者は「自分の育てた選手がどれくらいやれるか」、あるいは「あのとき対戦した選手が国際舞台でどうなのか」を目撃する場となった。


品評会のような一面を持つ舞台なので、活躍すれば将来の道が開ける可能性もあった。そこに10年もいなかったのだから、なんとなくフワフワした評価になってしまうのも仕方ないと言えば、仕方ないのかもしれない。日本を含めて各国が発展途上段階で迎えるU-17ワールドカップだけでは、見えてこないものは多い。


強国との真剣勝負でわかる、日本の現在地


何が言いたいのかというと、この世界舞台での腕試しが、2017年はとにかく、かなり、楽しみで仕方ないのだ。現時点で出場が決まっているのはアジアの5カ国(日本、サウジアラビア、ベトナム、イラン+開催国の韓国)、オセアニアの2カ国(ニュージーランド、バヌアツ)、そして欧州の5カ国である。欧州はフランス、イタリア、イングランド、ポルトガル、そしてドイツと大国揃い踏みのような顔ぶれになった。


U-19欧州選手権を制したフランスとは、昨年3度も対戦。こちらがJリーグで試合に出ていない選手ばかりで、相手は仏1部、2部のリーグに出ている選手ばかりというハンディキャップマッチのような試合も観ているが、個性があって強かで、抜け目ない好チームだ。


一昨年に対戦したイングランドには1-5の大敗を喫しており(一部主力を欠いたメンバー構成とはいえ)、リベンジ機会を願う選手も少なくない。1年半を経てその差が縮まったのか開いたのか。それを実感できれば、また変わるものもあるだろう。


南米やアフリカの予選はこれから。必然的に組み合わせ抽選もその後となるのだが、どうせなら強い国のいるグループに入りたいところ。育成のパワーは落ちたのか? 落ちたとしたらどこで差が開いたのか? いやいや「全然やれるやん!」となるのかもしれない。いずれにせよ、今年5月開幕のU-20ワールドカップが、早くも、楽しみでしかない。(文・川端暁彦)


写真提供:getty images

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川端 暁彦

川端 暁彦

1979年8月7日生まれ。大分県中津市出身。フリーライターとして取材活動を始め、2004年10月に創刊したサッカー専門新聞『エル・ゴラッソ』の創刊事業に参画。創刊後は同紙の記者、編集者として活動し、2010年からは3年にわたって編集長を務めた。2013年8月からフリーランスとしての活動を再開。古巣の『エル・ゴラッソ』を始め、『スポーツナビ』『サッカーキング』『サッカー批評』『サッカーマガジンZONE』『月刊ローソンチケット』など各種媒体にライターとして寄稿するほか、フリーの編集者としての活動も行っている。2014年3月に『Jの新人』(東邦出版)を刊行

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