いよいよU-17W杯が開幕! 西川潤を擁する“02ジャパン”の実力はいかに?

COLUMN河治良幸の真・代表論 第47回

いよいよU-17W杯が開幕! 西川潤を擁する“02ジャパン”の実力はいかに?

By 河治良幸 ・ 2019.10.25

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10月26日、U-17W杯が開幕する。当初はペルーで行われる予定だったが、インフラ面が整わずに開催権が剥奪され、ブラジルに変更された。


そのブラジルは毎回のように優勝候補として注目されながら、2003年を最後に優勝から遠ざかっている。すでにサントスでトップデビューを果たしているFWカイオ・ジョルジ、バスコ・ダ・ガマで活躍する待望の大型FWタジェス・マグノを擁するタレント軍団は、優勝候補の1つだ。さらに、過去6大会で3度の優勝を誇る”ヤング・イーグルス”ナイジェリアやスペイン、メキシコ、フランスなどが優勝候補にあげられる。


前回に続いて森山佳郎監督が率いる”02ジャパン”ことU-17日本代表は、アジア王者として前回のベスト16を上回る躍進が期待されるが、抽選会でポット1に入った恩恵が全く感じられないほど、厳しいグループに組み込まれた。


日本のグループは厳しい組み合わせ


優勝候補として上記の国をあげたが、日本のグループDには優勝を狙える3カ国が揃ってしまった。アメリカ、オランダ、セネガルだ。特にポット4に、育成年代の実績が飛び抜けているセネガルが来たのは”災難”という他ない。


森山監督も「僕らのグループは、おそらく一番厳しい組み合わせ」と認めつつも、そうした相手とのギリギリの勝負をものにして行く中で、指揮官が”勝点1、得点1の重み”と語る意識を、チームで共有できると考えているようだ。


”02ジャパン”のタレント的なポテンシャルは、久保建英や中村敬斗を擁した”00ジャパン”にも引けを取らない。その筆頭格が、今年5月のU-20W杯に飛び級で参戦した西川潤(桐光学園/セレッソ大阪内定&特別指定選手)とGK鈴木彩艶(浦和レッズユース)。他にも、この大会でセンセーショナルな活躍を見せても不思議ではないタレントが揃っている。


その一人が、抜群の決定力を誇るFW唐山翔自(ガンバ大阪ユース)だ。あどけない風貌からイメージしにくいが、ペナルティエリア内でたぐいまれなる洞察力を発揮し、いつの間にかディフェンスのギャップに入り込んでゴールを仕留める。ガンバ大阪U-23が参加しているJ3で7試合出場、7得点を記録しており、7月に行われた国際ユースサッカーin新潟では、ボスニア・ヘルツェゴヴィナを相手に先制点を記録した。


FW陣は歴代屈指のメンバー


西川、唐山とエースの座を争う若月大和(桐生第一高)も非凡な得点センスの持ち主で、9月のエクアドル遠征では2試合で3得点をあげた。湘南ベルマーレ内定のストライカーはパワーとスピードを兼ね備え、特別指定選手として5月26日のヴィッセル神戸戦で途中出場ながらJ1デビューも果たしている。西川、唐山、若月。史上最強と言っても過言ではないFW陣のゴールが大会躍進の鍵となりそうだ。


中盤も多士済々のタレントを揃えるが、その中でも注目選手の一人が藤田譲瑠チマ(東京ヴェルディユース)。7月の国際ユースサッカーin新潟で初招集されると、エクアドル遠征の2試合にスタメン出場しており、本大会でも主力候補として期待されている。J2でもわずかな時間ながら2試合に出場しており、大柄ではないが身体能力が非常に高く、ディフェンスラインでもプレーできるユーティリティな能力の持ち主だ。スキルも高く、西川らアタッカーへ正確なパスを届けられるのも持ち味のひとつ。


日本の強みは一体感


成岡輝瑠(清水エスパルスユース)はチームの立ち上げから中心的な存在で、展開力と打開力を兼ね備えるボランチだ。相手を外して裏を突くセンスに優れており、狙いすましたミドルシュートは、こう着状態からゴールをもたらす強力な武器になりうる。


左利きの攻撃的MFである中野桂太(京都サンガF.C.U-18)も強烈なシュートを備えており、システムによっては右ウィングからカットインを狙う場面もありそう。FKのキッカーとしても頼りになる選手だ。


最終ラインは空中戦と競り合いにめっぽう強い村上陽介(大宮アルディージャU-18)と、182cmのサイズながら攻守にハードワークできる鈴木海音(ジュビロ磐田U-18)。そしてセンターバックとサイドバックの両ポジションで機能する統率力抜群のキャプテン半田陸(モンテディオ山形ユース)が安定をもたらし、唯一の2003年生まれとしてメンバー入りした中野伸哉(サガン鳥栖U-18)が左サイドから勢いと変化を注入する。


右サイドには湘南ベルマーレ内定の快速DF畑大雅(市立船橋高)もおり、オランダを相手にサイドの主導権を奪うにはもってこいのタレントだ。


そうしたタレント力もさることながら、日本の強みは大会の中で高まって行く一体感と成長力。いきなり欧州の強豪オランダと対戦する日程は厳しいが、アメリカ戦、セネガル戦と結果を求めながら成長を重ねれば、各組の上位2カ国+3位の上位4カ国が進む決勝トーナメントで、躍進が期待できるチームになっているはずだ。(文・河治良幸)



写真提供:getty images

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河治良幸

河治良幸

サッカー専門新聞『エル・ゴラッソ』の創刊に携わり、現在は日本代表を担当。セガのサッカーゲーム『WCCF』選手カードデータを担当。著書に『サッカー番狂わせ完全読本 ジャイアントキリングはキセキじゃない』(東邦出版)『勝負のスイッチ』(白夜書房)、『サッカーの見方が180度変わる データ進化論』(ソル・メディア)、『解説者のコトバを聴けば サッカーの観かたが解る』(内外出版社)。

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