”森保ジャパン”約1年ぶりの活動再開へ。10月にオランダでアフリカの強豪2カ国と対戦

COLUMN河治良幸の真・代表論 第64回

”森保ジャパン”約1年ぶりの活動再開へ。10月にオランダでアフリカの強豪2カ国と対戦

By 河治良幸 ・ 2020.9.12

シェアする

日本サッカー協会は日本代表がオランダに遠征し、カメルーン(10月9日)、コートジボワール(10月13日)と親善試合を行うことを発表した。


反町康治技術委員長は「国内でやるのは状況を考えると難しく、オランダが活動には最適でした」と語り、同国の方針や受け入れを承諾してくれたオランダに感謝を示した。


対戦相手に関しては「本来はヨーロッパに行ったらヨーロッパとやりたい」と本音を語りながらも、UEFAネーションズリーグのためスケジュールが埋まっており、同時期に公式戦の無い北中米カリブ海地域とアフリカの強豪国を模索した結果として、アフリカ勢の2カ国になったようだ。


男子のサッカー日本代表が最後に公式戦を行ったのは、2019年12月の東アジアE-1選手権だ。E-1は東京五輪世代を中心とした国内組で臨み、国内外を問わないフルメンバーでの試合となると、カタールW杯アジア二次予選のアウェーでキルギスと戦い、一部が離脱、一部が合流する形でベネズエラとキリンチャレンジカップを戦った、2019年11月の活動以来となる。


国内組を招集することの難しさ


当初の予定では、2020年3月と6月にW杯アジア二次予選の4試合を戦い、東京五輪を経て、秋からアジア最終予選に臨む予定だった。しかし、新型コロナウイルスの影響でプランが崩れてしまった。国際Aマッチデー(IMD)に代表活動を組み込めなくなったことはもちろん、世界各国のリーグ戦もストップした。依然として、新型コロナウイルスの流行は収束の兆しが見られないものの、試行錯誤しながら活動を計画している状況だ。


ほぼ1年ぶりの活動再開が確定した日本代表。ただし、国内組を欧州に招集することは極めて難しい。


「今の日本の状況から言うと、海外から帰ってすぐに合流できない。それは制限を与えるわけにはいかない。その中でベストの選択をしないといけない」


反町技術委員長の話を総合すると、一部で報道された「欧州組に限定した活動」といった線引きはしていないものの、帰国後に14日間の自宅待機が義務付けられている以上、IMDの期間が終わっても、所属クラブに合流できないなどのハードルがあることから、現状は欧州組のみでの活動にならざるをえない状況だ。


選手の顔ぶれを見ても、室屋成(ハノーファー)、橋本拳人(ロストフ )、鈴木武蔵(ベールスホット)といった候補が海外に移籍し、従来のA代表メンバーがほぼ欧州組で埋められることもある。一方で、来年夏に延期された東京五輪に向けたU-23代表は、現時点で活動の目処が立っていない。


「IMDだからオリンピックの選手も集めてやろうとなると、Jリーグの中心選手を招集した場合に大きな迷惑がかかる。今は自分のチームでの活動に専念してほしい」と反町委員長。


東京五輪世代にもA代表経験のある欧州組は多く、A代表未召集メンバーにも有力選手はいる。「U-23の選手も海外にはたくさんいるので、オリンピックというカテゴリーよりも”オールジャパン”という1カテゴリーとして見ています」と反町委員長は語る。


活動再開は大きな一歩


オランダからヨーロッパの他国に戻ることに関して、反町委員長は「現時点では、自主隔離はないと把握している」と話したが、フランスやスペインなど、感染者数が多い国のリーグに所属する選手が合流する場合、予断を許さないところもある。


オランダという中立地での試合とはいえ、選手やスタッフはPCR検査などを行って、安全性を確認した上で試合を行う予定で、反町委員長は細かいところを詰めていないことを認めながらも「当然やるようにはなる」と話している。


招集メンバーに関して、反町委員長は森保一監督に一任しているというが、森保監督が”ラージファミリー”と想定する選手たちをできるだけ招集したい思いと、2試合で起用できる選手数や、短期間で大量の選手を呼ぶと、強化という部分では密度が薄くなってしまう事情など、様々な要素をすり合わせながら判断していくことになるはずだ。


日本代表を報道するメディアとしても、現地に行くことができるのか、行けた場合にどのような取材と報道ができるのか。行けなかった場合に、どうカバーするのかなど不安は大きいが、活動再開が確定したことを大きな一歩として評価したい。


余程のことがない限り、来年3月にはカタールW杯アジア二次予選が再開する。日本代表が二次予選、さらに最終予選を勝ち抜き、目標であるカタールW杯での躍進を目指すために、できうる限りベターな選択を取って行けるかどうか、綱渡りのような道が待っている。


「この強化が、後で振り返った時に、有効だったなという活動にできれば」(反町委員長)


そうなることを願いながら、代表記者の一人として、できる環境の中で日本代表の動向を追跡し、読者に伝えていきたい。(文・河治良幸)


写真提供:getty images

シェアする
河治良幸

河治良幸

サッカー専門新聞『エル・ゴラッソ』の創刊に携わり、現在は日本代表を担当。セガのサッカーゲーム『WCCF』選手カードデータを担当。著書に『サッカー番狂わせ完全読本 ジャイアントキリングはキセキじゃない』(東邦出版)『勝負のスイッチ』(白夜書房)、『サッカーの見方が180度変わる データ進化論』(ソル・メディア)、『解説者のコトバを聴けば サッカーの観かたが解る』(内外出版社)。

このコラムの他の記事