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清水英斗の世界基準のジャパン目線 第166回

シンデレラ探しのE-1選手権。ガラスの靴を置いて、立ち去るのは誰だ?

2022/07/19 清水 英斗 清水 英斗
シンデレラ探しのE-1選手権。ガラスの靴を置いて、立ち去るのは誰だ?

東アジアの王者を決める『E-1選手権2022』が、19日(火)に開幕する。

日中韓の持ち回りで2~3年毎に開催されるこの大会は、中国で行われる予定だったが、コロナ対策絡みで辞退され、日本で開催されることになった。男子の開幕戦は19日夜、日本対香港となる。

E-1選手権は国際Aマッチデーの期間外に行われるため、クラブは選手の招集に応じる義務がない。そのため東アジア以外でプレーする海外組を招集するのは難しく、国内組のみで戦う大会になる。

また、今回のE-1選手権はワールドカップの直前に行われるが、上記の事情があるため、日本にとっては大会に臨む意義が変わりつつある。

2010年に開催されたE-1選手権(東アジア選手権)の頃は、ワールドカップに向けた本格的な強化の場だった。

当時は海外組が少なく、国内組中心で編成されたE-1のA代表から、16人が半年後の南アフリカワールドカップに名を連ねた。この頃までは、E-1選手権はワールドカップに向けた強化の場と言うことができた。

しかし、以降は海外組の割合が上がり、2013年のE-1選手権(東アジアカップ)になると、招集された選手のうち、翌年のブラジルワールドカップに名を連ねたのは8人に減少。

さらに2017年のE-1選手権になると、国内組中心のメンバーは普段のA代表とは顔ぶれが大きく異なり、翌年のロシアワールドカップに選ばれたのは5人に留まった。

E-1選手権の位置づけは?

今大会はどうだろうか。おそらく、その人数はさらに減る。国内復帰組の長友佑都、大迫勇也、酒井宏樹、権田修一を招集外にしたため、E-1代表からカタールワールドカップのメンバーに入るのは、山根視来、谷口彰悟、プラスGKが1人入るかどうか。

つまり、2~3人に過ぎないだろう。どんなに地上波が煽っても、この大会を「ワールドカップに向けた強化」と考えるのは苦しい。

では、どこに意義を見出すか。

一つはカタールワールドカップ以降を念頭に置いた、ラージグループの再強化だ。森保ジャパンになってからは、2019年の前回大会を含め、E-1選手権は次期五輪の若い世代を呼ぶことが通例化してきた。

今回は2024年のパリ五輪世代から、FW細谷真大、MF藤田譲瑠チマ、GK鈴木彩艶の3名を呼んだ。鈴木唯斗が万全なら彼も入っていた可能性が高い。半年後のワールドカップではなく、2年先の五輪、4年先の翌ワールドカップを見据えた人選がちらほら見えるが、これは昨今のE-1に見出す意義の一つ。

+3が意味するもの

もう一つは、「ワールドカップに向けた強化と考えるのは苦しい」と先述したものの、今回に関しては過去との相違点もある。それは5人交代の導入に伴い、選手登録が23人から26人に増えたことだ。

この「+3」が意味するものは何か。各チームは、この+3をどう生かすのか。5人交代と+3枠は、カタールワールドカップの隠れたポイントになる。

元々、23人の登録枠は各ポジションにメインとサブで2人ずつ、GKのみ負傷時などに替えが利かないため3人を入れる、シンプルな考え方だった。とはいえ、チーム作りはそう単純には片付かない。

2010年の岡田ジャパンを思い返すと、あえて第3GKに川口能活を入れてチームマネージメントの調整役を任せたり、あるいはFWに矢野貴章を呼び、走力と高さを加えて、リードした状況の逃げ切りを想定した一点強化を図ったこともあった。

後に岡田武史元監督は、家長昭博を呼ぶか否かで迷ったことも吐露している。より実戦的に細かく試合を想定すると、今までにない選択肢も出現する。

ただし、そうした最後の詰めのマネージメントを行う上では、各ポジションのサブを削るリスクを負う必要があった。

やりやすくなる一点強化

南アフリカ大会では川口や矢野に代わって、西川周作や香川真司らが涙をのむことになったが、サポートメンバーとして帯同した香川はトレーニングでも絶好調。練習取材をしていた記者から「本メンバーに入れるべきだったのでは」という声も聞こえたほどだ。その辺りは承知の上で、川口や矢野を招集したのだろうが、誰かを外すリスクは避けられなかった。

ところが、今回はそのリスクがない。23人を確保した上で「+3」を選べるので、誰かを外すリスクがない。思い切った一点強化はやりやすくなる。

それは川口のようなマネージメント役か、矢野のようにセットプレーの壁になる高さと、プレス走力を兼ね備えた汗かきFWか。あるいは、今の代表はフリーキックのスペシャリストが乏しいので、ワンポイントキッカーでもいい。

PK専門のGKも面白いだろう。PK戦の直前にGKが交代すれば、相手にインパクトを与えられるし、相手が用意したデータが無効化される可能性もある。

考え方は様々だ。+3のアイディアは無限。最終予選のA代表では「川崎セット」が主役になった。脇坂泰斗はその川崎セットのピースになれる選手なので、彼を+3で補強するのは一つのアイディアだろう。

シンデレラは誰?

あるいは先月のブラジル戦やチュニジア戦を思い返すと、強豪チームの守備は堅く、カウンターも怖かった。対世界ではサイド攻撃の精度を高めなければ、チャンスを作れないし、ゲーム運びが安定しないことも思い知った。

そこでE-1代表の顔ぶれに目を移すと、横浜F・マリノスやサンフレッチェ広島などで、サイド攻撃のバリエーションを支える選手が多く招集されているのが印象的だ。

彼らは先月、三笘薫が指摘した課題、個人頼みのサイド攻撃を連係化し、スケールアップさせる一役を買うかもしれない。サイド攻撃を整理できる選手なら、+3に入れる候補として考えられる。

たとえ現状、海外組中心のメインとサブに食い込むほどの評価が無くても、今のチームに欠落した要素にシンデレラフィットする選手なら、+3枠で食い込む可能性は充分あると思う。

今回のE-1選手権で見たいのは、個性だ。それも「これを先月のA代表で見たかったんだ!」と感嘆するような個性がいい。シンデレラ探しのE-1、ガラスの靴を置いて立ち去るのは誰か?(文・清水英斗)

写真提供:getty images

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サッカーライター。1979年生まれ、岐阜県下呂市出身。プレイヤー目線でサッカーを分析する独自の観点が魅力。著書に『日本サッカーを強くする観戦力』、『サッカーは監督で決まる リーダーたちの統率術』、『サッカー守備DF&GK練習メニュー 100』など。

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