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清水英斗の世界基準のジャパン目線 第179回

スペイン戦の戦略は、はっきり、きっぱり、さっぱり。三笘を1トップやトップ下で起用してはどうか?

2022/11/29 清水 英斗 清水 英斗
スペイン戦の戦略は、はっきり、きっぱり、さっぱり。三笘を1トップやトップ下で起用してはどうか?

三笘でリーチ。かけたら降りられず。

コスタリカ戦は日本優位の勝ち点状況で、前半はリスクを冒さずに試合を進めた。それ自体は一つの判断だろう。コスタリカも予想に反して全く攻めて来なかったので、前半は今大会屈指の塩試合だった。

日本は後半17分に三笘薫を投入。勝ち点3を取るためにギアを上げた。そこまでのつもりがなかったとしても、戦術・三笘の存在感を考えれば、交代のメッセージとして「勝ち点3をねらえ」と受け取る選手がいても不思議ではない。

しかし、待ちが悪いのか、そう受け取らなかった選手もいるのか、三笘にボールが集まらない。すると時間と共に、コスタリカはカウンターで前進してくる枚数を増やし始めた。嫌な傾向だった。

この時点でアラートを発し、勝負を下りて勝ち点1で妥協とまではいかなくても、少し慎重になり、状況を打ち回したほうが良かったかもしれない。アクセルを踏むのは危険な状況だった。

分裂した戦略判断

ところが、三笘リーチをかけた日本は降りられず。後ろは打ち回したい、前線は突っ込みたい。むしろここで突っ張るなら、前半で突っ張ったほうが良かったが。

分裂した戦略判断から、中盤のゆるみと、最終ラインの判断ミスがいくつも重なり、痛恨の失点場面につながった。

テンパイ即リーチではなく、ダマテンで構える狡猾さというか、アガる選択もオリる選択も常に選べる余裕というか、日本はそういった戦略的なグレーゾーンをうまく消化できなかった。

だったらもう、最初から理想一直線でリスクを冒して勝ち点3をねらっていたほうが……。

まあ、今さら言っても後のフェスティバル。後のFIFAワールドカップだ。

中途半端はダメ

ただし、コスタリカ戦で得た教訓は、スペイン戦で活かさなければならない。それはつまり、中途半端はダメ絶対ということ。

スペインは4-3-3を敷き、自陣から巧みにビルドアップを行う。対戦相手がハイプレスに来ても、それを引き込んでかわし、空いた敵陣のスペースを一気に攻め落とす。言わば疑似カウンターのような攻め方を得意としている。

ルイス・エンリケが指揮するスペインは、ハイプレスからのショートカウンターを含め、自慢のビルドアップに縦の鋭さを融合させたスタイルだ。

その彼らに対する中途半端なプレッシングは、疑似カウンターの餌にしかならない。仮に行くなら、GKウナイ・シモンまではめ切る勢いで、センターバックにも絶対に前を向かせず、思い切って行かなければならない。アンカーのブスケツはもちろん、下がってサポートするペドリも徹底追撃だ。

逆にそこまで行かないときは、ミドルで落ち着いて構える。戦略ははっきり、きっぱり、さっぱり。うっかりは要らない。コスタリカ戦のような中途半端はNGだ。コスタリカの罠に続き、スペインの罠にもはまることは避けたい。

ドイツを参考に

細かい守備配置については、第2戦のドイツのやり方が参考になった。

ドイツはトップ下のギュンドアンがアンカーのブスケツをマークし、中盤の3枚を1対1で抑えた上で、4バックへ1トップ+両サイドハーフの3枚がプレスをかけた。

序盤はスペインに外されることが多かったが、徹底して追い詰めれば、徐々にスペインからボールを奪い、決定機を作る回数が増えていた。

通常の日本は4-4-2の守備だが、2トップが天秤の動きでブスケツと両センターバックを追う形で行くと、瞬間的にブスケツをフリーにしやすく、スペインの質の前では致命傷になりかねない。

東京五輪のスペイン戦では、林大地と久保建英が縦関係になり、久保が相手アンカーをマークする形、つまり上記ドイツと同じ形を取ったが、おそらく今回の森保ジャパンもそれがベースになるのではないか。

サイドバックへの対処

その場合に鍵を握るのは、スペインの攻撃的なサイドバックへの対策だ。

真ん中を封じた分、両サイドハーフの伊東純也らはスペインのサイドバックと1対1ではなく、センターバックとサイドバックの中間ポジションに立つ形になる。

つまり、少しサイドバックが空きやすい。特に左サイドのジョルディ・アルバは、少しでも前が空けばボールを運び、密集を脱するため、ドイツ戦でもキーマンの働きをしていた。

彼をどう防ぐか。日本の右サイド側は忙しくなりそうだ。コスタリカ戦は途中出場だった伊東が右サイドハーフに戻ってくるか。伊東ならアルバの裏を突くスピードもある。

右サイドバックも非常に大事で、時に思い切って前にスライドしてプレスをかけてほしいが、待ち構える場面では、相手ウイングとの1対1に負けないことも重要だ。

できれば酒井宏樹に頼りたいが、彼の出場は難しい状況なので、冨安健洋がプレーするか、あるいは長友佑都を置くか。何にせよ、守備強度が欲しい。

カウンター設計はどうする?

もう一つ考えなければならないのは、カウンターの設計だ。ハイプレス時はともかく、ミドルブロックからのカウンターをどう意図するか。

スペインはドイツ戦でも見られたように、カウンタープレスを仕掛けてくるので、浅野拓磨をサイド裏へ走らせ、ロングボールで脱出する。

それは一つの方法だが、正直、それで点を取るイメージは沸かない。スペインのポゼッションの前には、全体がかなり下げられるだろう。

日本は浅野にどれだけのサポートに行けるだろうか。また、浅野は相手を振り切れるだろうか。いや、相手のプレスバックのほうが早いかもしれない。

三笘の起用法

いっそ三笘を1トップやトップ下で起用してはどうか。

サポートが不安なら、サポート無しで攻め切れる選手を置く。三笘は背負っての駆け引きもうまいので、ポストプレーなどは全く意識せず、どんどん裏へ仕掛けてもらう。イメージはレスター・シティのジェイミー・ヴァーディだ。

スペインの両センターバックやブスケツは、三笘が前にいたら嫌がるのではないか。「コイツと1対1になるの、俺かい!」と驚くかもしれない。

付け加えるなら、スペインを相手に得られるカウンターの決定機はそれほど多くないので、決定力のある選手に居てもらいたいのも理由の一つだ。

戦術・三笘。ほー、いいーじゃないか。これほど世界の注目を集める武器を擁し、FIFAワールドカップに挑む日本代表なんて、今までは想像もつかなかった。(文・清水英斗)

写真提供:getty images

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サッカーライター。1979年生まれ、岐阜県下呂市出身。プレイヤー目線でサッカーを分析する独自の観点が魅力。著書に『日本サッカーを強くする観戦力』、『サッカーは監督で決まる リーダーたちの統率術』、『サッカー守備DF&GK練習メニュー 100』など。

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