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川端暁彦のプレスバック第61回

FIFAワールドカップ戦士のうち、7名が中学校の部活動出身。「カタール以後の育成」を考える

2022/11/15 川端 暁彦 川端 暁彦
FIFAワールドカップ戦士のうち、7名が中学校の部活動出身。「カタール以後の育成」を考える

世界がFIFA ワールドカップに伴うオフに突入したタイミングで、U-17・18・19・21と、各年代の日本代表が欧州へ武者修行に出かけている。

U-21日本代表・大岩剛監督の言葉を借りれば、「できるだけアウェイで強いチームと戦いたい。それで初めて分かることがたくさんある」という趣旨である。

10日と12日には、U-18代表が同年代のベルギー代表と親善試合を2度行い、それぞれ2−0、4−1のスコアで快勝を収めた。

もちろん、親善試合の結果にことさらフォーカスする必要はない。ただ、U-18は一つ年長のU-19代表と違い、直接的に目標とする世界大会が存在しない世代で、常設の代表ではない。(欧州は一歳刻みでUEFA U-19選手権がある)。

ほぼ練習もしていない臨時編成のオールスターチーム、しかも主軸となる鳥栖U-18のMF福井太智(バイエルン加入内定)らは、一つ上のU-19代表へ招集されており、高校サッカー選手権の都道府県予選と日程が重なったために呼べなかった選手も多数いる。それでも結果を出せたのは、世代としての地力の証明と言えるだろう。

年代別代表の“海外組”

メンバーには、スペインのバルセロナでプレーする髙橋センダゴルタ仁胡、ポルトガルのファリマカンでプレーするMFデニス・ジュン・パーキンソンといった“海外組”もおり、ベルギーとの初戦でキャプテンマークを着けたのは、横浜FCユース所属でカナダとの二重国籍であるヴァン・イヤーデン・ショーンだった。

画一的などと評されることも多かった日本サッカー界だが、今後はより多様なルーツやキャリアの選手が増えていくことを改めて確信する。

「海外でプレーしてきた選手が加わることで、お互いに与える刺激が大きい。指導者が何か言うよりも、一緒にボールを蹴れば必ず感じるものがあるし、直接話も聞ける。これは本当に大きい」(U-18/19日本代表・冨樫剛一監督)

選手同士の刺激だけではない。冨樫監督は「指導者もより考えさせられるし、試されることになる」と言う。「必死にスペイン語をやり直した」と、冗談めかしてレアル・ソシエダの育成組織で指導してきた経験を活かしていることも明かしていたが、どうしても井の中の蛙になりがちな島国日本にとっては得難い刺激である。

高校年代から直接、欧州へ

また高校3年生の福井がバイエルンへ移籍することになり、神村学園高等部のFW福田師王もドイツの名門ボルシアMGへの加入が決まった。

昨年度は尚志高校からDFチェイス・アンリがシュツットガルトへと移籍したし、青森山田高校に在籍していた当時の松木玖生(現・FC東京)にも、欧州行きの選択肢はあった。

今後はJリーグを経ずに、欧州へ渡る選手が増えていく。そんな予想も容易に成り立つ。そうなると、年代別代表に継続して招集するのは難しくなることも予想されるし、従来型の強化とは異なる軸が必要になってくるかもしれない。

反町康治技術委員長は、男女合わせて50名近くの欧州でプレーする多重国籍の選手をリストアップしたそうだが、今後は彼らがよりスムーズに日本代表へ馴染めるような仕組み作りも必要だろう。極端に言えば、「欧州トレセン」があってもいい。

育ってきた背景は様々

一方で、外や上ばかりを観ていても育成は成り立たない。

FIFA ワールドカップ カタール 2022へ臨む日本代表26名が育ってきたバックボーンは多様だ。

よく話題になる「高校サッカーかJユースか」という話で言えば、今大会は高校サッカーが13名、Jユースが12名、そして街クラブが1名という内訳。個人的には、高校サッカーでもJユースでもない「街クラブ」の三菱養和ユースで3年間を過ごした相馬勇紀のメンバー入りが最大のトピックである。

中学年代に目を向けると、Jクラブにいた選手が13人と最も多いのだが(久保は例外的なパターン)、中体連(中学校の部活動)出身者の多さにも気付かされる。7人がそうなのだ(負傷離脱した中山雄太も含めれば8人)。

・川島永嗣(与野西中)

・シュミット・ダニエル(東北学院中)

・長友佑都(西条北中)

・柴崎岳(青森山田中)

・遠藤航(南戸塚中)

・浅野拓磨(八風中)

・守田英正(高槻市立第九中)

青森山田中出身の柴崎岳のような、私立の強豪にいた選手が少数派なのも特徴だ。

クラブチームの選択肢が少ない地方出身者ばかりかと言えばそうでもなく、日本の誇るダブルボランチ(遠藤航&守田英正)は、神奈川と大阪というクラブチームの活動が盛んで、Jクラブも複数ある地域の出身。そうした公立中学校の部活から、FIFA ワールドカップ戦士が出てきているわけだ。

部活動はどうなる?

ご存知のように、文部科学省は中学校の部活動自体を段階的に廃止していく方針で、こうした選手たちを育てた「場」は段々と消えていくことになる。

前出のチェイス・アンリは「友達に誘われて」公立中学校の部活動でサッカーを始めた選手だが、気軽にサッカーを始められる環境が消えていくことに、個人的には小さからぬ危機感がある。

FW巻誠一郎、DF植田直通ら、中体連出身のFIFA ワールドカップ戦士も育ててきた大津高校の平岡和徳総監督は「文部科学省は全国一律、全部のスポーツ、全部の先生を同じに考えてやっているとしか思えない」と嘆いた上で、「いまのうちに対策をしないと本当に危ない」と続ける。

「『平日は先生が指導して、土日は外部指導員にやらせれば問題ない』とか、選手のことも、サッカーのことも何も考えていない方針が平気で下りてきている」

外部指導員はあくまでスポットにすることで、予算の発生は抑えつつ、平日は先生を今まで通りに使えば責任者がいない自体は避けられる。お役所の書面においては「問題ない」形だが、実態からの乖離は著しい。

誰でもサッカーができる場の重要性

様々な事情でクラブチームに入れなかった選手が、誰でも入れる公立中の部活に居場所を見出すのもよくある話である。少し前にとある公立中学校のサッカー部を取材したときにも感じたが、部活は「スポーツに打ち込む権利」を担保する、ある種の社会保障として機能している一面もある。

「カタール以後の育成」を考えると、ここをどうフォローアップしていくかは、日本サッカー協会にとっての大きな課題と言えるだろう。

欧州最先端に追い付き追い越すためのアプローチと、自分たちの足元を支える基盤に目を向けることは矛盾するものでもない。今の日本代表を支えて応援するのはもちろんなのだが、「その先」へもしっかり目を向けていく必要がある。(文・川端暁彦)

写真提供:getty images

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川端 暁彦 川端 暁彦
公式Twitter

1979年8月7日生まれ。大分県中津市出身。フリーライターとして取材活動を始め、2004年10月に創刊したサッカー専門新聞『エル・ゴラッソ』の創刊事業に参画。創刊後は同紙の記者、編集者として活動し、2010年からは3年にわたって編集長を務めた。2013年8月からフリーランスとしての活動を再開。古巣の『エル・ゴラッソ』を始め、『スポーツナビ』『サッカーキング』『サッカー批評』『サッカーマガジンZONE』『月刊ローソンチケット』など各種媒体にライターとして寄稿するほか、フリーの編集者としての活動も行っている。2014年3月に『Jの新人』(東邦出版)を刊行

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