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ミムラユウスケの本音カタール 第2回

「決勝ゴール後の苦笑い」に見え隠れする鎌田大地の変貌

2022/09/24 ミムラユウスケ ミムラユウスケ
「決勝ゴール後の苦笑い」に見え隠れする鎌田大地の変貌

鎌田大地はなぜ、喜ぶべきタイミングで、少し苦笑いを浮かべたのか。

10日おきにやってくる“お裁き”が、ようやく彼のゴールを認めてくれたからだろう。過去には彼からゴールを取り上げていったVARが、「3度目の正直」とでも言うかのように今回はゴールを与えてくれた。

9月23日、日本代表のトップ下として久しぶりにプレーしたアメリカ代表との試合で、鎌田は両チームを通じて最初にゴールネットを揺らした。ただ、当初はオフサイドと判定され、VARの介入により、ようやく先制ゴールは認められることになった。

この日の主審は、ブンデスリーガを主戦場にしつつ、国際大会でも活躍するツバイヤー。VARが初めて導入されたW杯のロシア大会で、主審ではなくVARの担当を務めた彼は、ヘッドセットから聞こえてくる報告を受けたあと、自信を持って、鎌田のゴールを認める笛を場内に響かせた(なお、ツバイヤーが鎌田のゴールを決めた試合で主審を務めたのは、2021年3月14日のホワイトデーに行なわれたライプツィヒ対フランクフルト以来のこと)。

「珍しく(認められたの)ですね(笑)。まぁ“いつも”(VARでゴールが)取り消しになるので(笑)今日も取り消しかなと思っていましたけど……逆に、ゴールになって。こういう日もあるんだなぁ、と」

三度続いたオフサイド判定

さかのぼること10日前。9月13日の夜、鎌田はインスタグラムのストーリーにこんな投稿をした。

“Ok this is modern football  I will score next time”(日本語訳:わかった、これが現代サッカーだ。次は決めてみせるよ)

あの日行われたのはCLマルセイユ戦。カウンターのシーンで、ハーフウェイラインを飛びしてからゴールネットを揺らし、一度はゴールが認められた。しかし、VARにより、それが取り消されていた。微妙な判定であり、一度は認められたことかわもわかるように、VAR導入以前であれば、鎌田のCL初ゴールとして記録されていたはずだ。

その意味で、鎌田は今回のアメリカ戦では“I will score next time”という宣言通り、有言実行となるゴールを決めてみせたことになる。

なお、鎌田はこのマルセイユ戦のさらに10日前、ブンデスリーガのライプツィヒ戦でもDFラインの裏に抜けてからゴールネットを揺らしたのに、オフサイドと判定されて苦虫をかみつぶしている。

9月に入ってから10日おきに、オフサイドと判定されるシュートをネットに突き刺し、3度目にしてようやく認められた。わずか1か月で3回目というところに、鎌田が日本代表に勝利をもたらした要因がある。

出し手から受け手への変貌を遂げた今シーズン

日本代表での活躍の原動力となっているフランクフルトでの躍進について振り返ろう。

実は今季の鎌田は、所属するフランクフルトでは、パスの「出し手」ではなく「受け手」として躍動している。昨季と比べながら、「受け手」へと立場が変わっていった要因とその成果を見ていこう。

昨季の鎌田は2シャドーの左側を務めることが大半だった。ただ、主に担っていたのは右シャドーのアタッカーであるリンストローム(デンマーク代表)を活かしたり、左サイドを攻め上がり続けるコスティッチ(セルビア代表)好守両面におけるカバーだった。

それゆえに、昨季はパスの「出し手」やチャンスを「作る側」を務めることが多かった。

では、今季はどうだろうか。チームの攻撃の中心だった左ウイングバックのコスティッチがユベントスへ移籍して、PSVから加入したゲッツェ(元ドイツ代表)が(主に)トップ下を務めることになった。

その結果、今季はパスの「受け手」やチャンスを「活かす側」に回ることになった。なかでも、変化をうながしたキーマンとして、周りを活かす術に長けるゲッツェの名前を鎌田は挙げている。

「ゲッツェの存在が大きいと思います。2シーズン前のうちが良かった時にも、アーミン・ユネスと言う選手が(トップ下や2シャドーの一角に)いて、彼が結構足元で受けて、(パス出しやチャンスメイクを)やってくれて、自分は裏に抜けたり……。自分はどちらかと言うと周りにプレイスタイルを合わせられる選手だと思うし、今はそのバランスが良いと思います」

フランクフルトの試合を見たことがない方のために、具体的なデータで鎌田の昨季からの進化を見てみよう(以下はすべてブンデスリーガにおける90分あたりのデータ)

<昨季>

平均得点:0.16 シュート数:1.4 枠内シュート率:20% オフサイド数:0.24

<今季>

平均得点:0.77 シュート数:2.3 枠内シュート率:58.3% オフサイド数:0.58

シュートにかかわる数値が一気に増えているのは一目瞭然だ。枠内シュート率が増えているのは、シュート力が飛躍的に向上したというより、裏に抜けだしてゴール近くに到達したり、ゴール前でクロスに合わせたりして放つシュートが増えたから。オフサイドになるペースが倍以上に増えているのも、彼がフィニッシャーとしての役割が増えたことを表している。ただ、そうなればVARの対象となるケースも増えてしまうのは仕方のないことなのかもしれない。

所属クラブでの高いパフォーマンスを代表でも表現することに成功

鎌田が代表に欠かせない戦力としてみなされるようになったのは2020年秋の欧州遠征から。ただ、それ以降も、チームでの調子が良いときに、代表で思うような活躍をなかなか見せられなかった。

それだけに、今回は彼にとっての正念場だった。「チームでいくら調子が良くても、日本代表では活躍できない選手」と見られたままで終わるのか、「真の実力を兼ね備えた日本代表選手」と証明できるのか。その点について、試合の3日前に彼に問うと、力強い答えが帰ってきていた。

「日本代表は、僕自身にとってはすごく大事なものです。ただ、ビッククラブと言われるチームでスタメンで出て、CL優勝を目指せるくらいの戦いをしたいというのが、自分のサッカー人生の最大の目標なので。今シーズンの僕自身は、(日本代表の)試合に出てもふさわしい結果を残してきていると思います。だから、それで(代表での出場時間が)どうなったとしても、落ち込むことはないと思います。自分がやっていることには自信があるので」

所属クラブで良いパフォーマンスを見せている選手が、日本代表でもチャンスを与えられ、それで結果を残す。ごく当たり前のことに聞こえるかもしれないが、これはカタールW杯を目指すチームにおいては、とても重要なことだ。今度のW杯はこれまでの大会とは異なり、大会直前にまとまったキャンプを張ることができない。直前まで続く所属クラブでのリーグ戦を終えたあと、慌ただしくカタールへ移動して本大会に挑むことになる。

そんな異例の大会では、所属クラブで良いパフォーマンスを出し続けること、それを日本代表に来た時にも発揮することが強く求められる。だからこそ、今回のアメリカ代表戦で鎌田が活躍したことは大きな収穫なのだ。(文 ミムラユウスケ)

写真提供:getty images

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公式Twitter

2009年1月にドイツへ移住し、サッカーブンデスリーガを中心にヨーロッパで取材をしてきた。Bリーグの開幕した2016年9月より、拠点を再び日本に移す。現在は2か月に1回以上のペースでヨーロッパに出張しつつも、『Number』などに記事を執筆。W杯は2010年の南アフリカ大会から現地取材中。内田篤人との共著に「淡々黙々。」、近著に「千葉ジェッツふなばし 熱い熱いDNA」、「海賊をプロデュース」がある。

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