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ミムラユウスケの本音カタール 第6回

確実視される『ドイツ戦後のローテーション』、森保監督の狙いを探る

2022/11/09 ミムラユウスケ ミムラユウスケ
確実視される『ドイツ戦後のローテーション』、森保監督の狙いを探る

11月1日にFIFA ワールドカップ カタール 2022を戦う日本代表メンバーが発表された。ここからは、「どんなスタメンが組まれ、誰がスーパーサブとなるのか」などについて考えてみるのも面白い。サッカーには正解がないから、10人いれば、10通りの考えがある。居酒屋で、昼休みに、家族と、あるいはLINEのグループトークで、みなさんが意見や考えを語り合えるところにも、サッカーの魅力と楽しさは眠っている。

今や確実視されている森保ローテーション戦略

ところでは、チーム内外でささやかれている、こんな噂はみなさんの耳に入っているだろうか?

「森保一監督はグループリーグの3戦目ではなく、2戦目で、大幅なローテーションを実行しようと考えているらしい」

一部では、「スタメン11人をすべて入れ替えるのではないか?」という報道まであがっている。

なお、「3戦目ではなく、2戦目」というのが肝である。

たしかに、2戦目までにグループリーグ突破を決め、メンバーを大幅に入れ替えるローテーションを行なう強豪国は多い。日本はまだ強豪国とは言えないものの、FIFA ワールドカップ ロシア 2018では、コンディションを主な理由として、当時の西野朗監督が3戦目で(グループリーグ突破は決まっていなかったものの)、ローテーションを採用。スタメンを6人も入れ替えて戦った。ポーランド相手に0-1で敗戦したために、奏功したとまでは言えなかったが……。

それに対して、森保監督が(3戦目ではなく)2戦目で大胆なローテーションを採用すれば、大会史に残る奇策として記憶されるかもしれない。なお、この2戦目のコスタリカ戦は日本時間で11月27日日曜日の19時にキックオフ時間が設定されている。日本に住む多くの方が観戦する上で、最高のシチュエーションであることも付け加えておく。

「ローテーションする」はブラフか?

日本代表の監督史上、メディアの取材に対してもっとも協力的な姿勢を貫いてきたと言えるのが森保監督だ。ただ、前々回のコラムでも触れたとおり、9月のドイツの遠征以降は、メディアに出す情報量をかなり絞ってきている。あたかも「情報戦を制するものが、FIFA ワールドカップを制する」と考えているかのように。

ただ、疑問は残る。森保監督は本当に、大胆なローテーションを採用するのだろうか。

今回は筆者なりの考察を紹介したい。

結論から言うと、森保監督は外に出す情報を抑えつつも、「ローテーションをする」という意向については、あえて発信しているのだと筆者は推測している。

そして、そこには2つの意図があるように見える。1つが、2戦目へと向かう「チームの外部から振りかかるプレッシャーや雑音をなるべく減らす」ため。もう1つが、「チーム内のマネージメントを潤滑に進める」ためではないだろうか。

そう考えるのはなぜか。順を追って説明していこう。

ローテーションの『規模』は結果次第

まず、「チームの外部から振りかかるプレッシャーや雑音をなるべく減らす」という部分について、1試合目のドイツ戦で負けた場合、引き分けた場合、勝った場合の3つのパターンに分けて考えてみよう。

まず、負けた場合について。大前提となるのは、日本代表が初戦で敗れた過去の大会ではすべて、グループリーグで『敗退』しているという事実だ(逆に、初戦で引き分け以上の結果を残した際には、すべてグループリーグを『突破』している)。

グループリーグを突破出来なければわずか3試合で終わるFIFA ワールドカップでは、それだけ初戦の持つ意味が大きい。もしも、初戦に敗れた場合には、大きな博打を打たなければ、短期決戦で流れは取り戻せない。だから、この場合は、「大会前に話していたとおり。初戦で先発しなかった選手たち『も』信じていましたから」と森保監督は2戦目の前に高らかに宣言すればよい。もちろん、初戦で敗れたのだから一定の批判は受けるものの、「監督はブレずに、有言実行を果たしている」とアピールできる。FIFA ワールドカップ ブラジル 2014の初戦のコートジボワール戦の終盤に、それまではチームコンセプトから全否定していた「パワープレー」を指示してしまった当時のザッケローニ監督との違いも際立つ。

逆に、初戦で勝った場合には、どうだろうか。このケースでは “前言を撤回”して、初戦とほぼ同じメンバーで2戦目に臨む可能性がかなりと筆者は考えている。

その理由は2つ。「勝っているチームはいじるな」というようなセオリーを森保監督は重視するタイプに見えるからだ。もう1つの理由は、せいぜい10回に1回くらいの確率しかないドイツに勝つという偉業を成し遂げられた後であれば、監督が“前言を撤回し”、初戦とほぼ同じメンバーで2戦目に挑むことを咎める声など、ほとんど挙らないはずだからだ。むしろ、この場合には2015年のラグビーワールドカップで、日本代表が南アフリカ代表から金星を奪ったあとのような熱狂が日本列島を包むのではないだろうか。

では、引き分けた場合にはどうか。引き分けたということは、完璧な試合ができたというわけではない。ただ、ドイツとの地力の差はあるわけだから、それなりに良い結果だと言える。この場合には、1人か2人程度、スタメンを入れ替えるのではないだろうか。

森保ジャパンは選手達のミーティングが鍵

次に、もう1つの「チーム内のマネージメントを潤滑に進める」ためという部分について、考えてみよう。

まず、説明しておかないといけないのは、森保監督のチームの特徴は、「学級会的」とも、「合議制」とも言えるスタイルだということだ。具体的には、選手たちの話し合いによって試合で起こりそうな場面を想定しながら、戦い方をつめていく。

このような方法でチーム作りを進めるときに問題となるのは、主力組とサブ組とが明確に分かれてしまう場合だ。主力だけで議論が進んでしまうと、サブ組みは疎外感を覚え、チームの雰囲気は悪くなる。そして、サブ組が戦い方をつめる議論から外れてしまうことで、チームとして取り組もうとするサッカーへの理解やすりあわせが深まらない。となると、サブ組が試合途中にピッチに送り込まれたときに、機能不全を起こしてしまう。

ただ、2戦目で大幅なローテーションをすると選手みんなが信じていたらどうなるだろうか。1戦目のスタメンに選ばれた選手は当然意気に感じるだろうし、1戦目の先発から外れた選手たちも、2戦目に向けて心身の準備を進めるはずだ。となれば、チームの戦い方についての議論についても、スタメン組みもサブ組も、「自分ごと」として参加できる。こうして、森保監督がしばしば口にする「チームの絵がそろう」状況が生まれるわけだ。

「敵をあざむくためには、まずは味方から」という格言があるが、みんなに「出番があるかもしれない」と思わせる効果はそれだけ高い。

ドイツ戦引き分けた場合のローテーションが難しい

では、この「チームのマネージメント」の観点から、初戦でありえる3つのパターンについて、順番に見てみよう。

まず、初戦に負けた場合。このときはローテーションによって2戦目に先発した選手たちは「いよいよオレの出番だ!」と燃えるはずだ。失意の1戦目を終えて、2戦目に向かうまでの空気感は悪いものにはならないはずだ。

逆に、初戦で勝った場合はどうだろうか。2戦目でローテーションを実行しなかったとしても「あのドイツに勝ったのだからスタメンが変わらないのは仕方がない」と感じるサブの選手は少なくないはずだ。サッカーの世界ではしばしばサブの選手たちから不満が出てくるが、その多くはスタメンの選手たちが結果を残せていないときだ。「アイツらが起用されて結果が出ないのなら、オレを使え!」と選手は思うものだからだ。一方で、「チームの結果が出ている時期に不満をもらす」選手はそこまで多くない。

ネックになるのは1戦目で引き分けた場合だ。

この場合、2戦目でローテーションをほとんど採用せず、少ししかメンバーを代えなかった場合には、初戦でサブに回った選手たちは不満を覚えるだろう。「話していたことと違うじゃないか!」と。かといって、ドイツと引き分けというのは決して悪い結果ではないから、大幅にメンバーを代えるのが難しいのはすでに述べたとおりだ。

と、ここまで見てきたように、1戦目が引き分けに終わった場合がやや難しい舵取りを監督は強いられると筆者は考える。

逆に言うと、初戦で勝った場合でも、負けた場合でも、初戦のあとにローテーションを採用するという方針は今回のグループの対戦相手の顔ぶれを見ると、悪くない戦略だ。筆者はそう感じている。

そして、「初戦のあとに大幅なローテーションを採用する」という情報を森保監督が“あえて”流しているとすれば、森保監督の“情報戦”での戦いぶりについてはしっかり評価するべきだろう。

もっとも、サッカーは相手がいるスポーツだ。ピッチ外以外でいくら最適な準備をしていたとしても、ピッチ内での勝負で圧倒的なパフォーマンスを見せらせてしまえば、お手上げだということは最後に付け加えておく。

先に紹介したとおり、このコスタリカ戦は過去のFIFA ワールドカップのなかでもトップ3に入るほど、多くの方が視聴しやすい時間に行なわれる。だからこそ、試合当日までみなさんもあれこれと考えてみて頂きたい。

果たして、森保監督はどんなメンバーを2戦目に送り出すのか。その意図はどこにあるのか。

そうやってサッカーをテーマにあれこれ考えたりすることや、話をすることも、サッカーというスポーツの魅力であるのだ。(文・ミムラユウスケ)

写真提供:getty images

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ミムラユウスケ ミムラユウスケ
公式Twitter

2009年1月にドイツへ移住し、サッカーブンデスリーガを中心にヨーロッパで取材をしてきた。Bリーグの開幕した2016年9月より、拠点を再び日本に移す。現在は2か月に1回以上のペースでヨーロッパに出張しつつも、『Number』などに記事を執筆。W杯は2010年の南アフリカ大会から現地取材中。内田篤人との共著に「淡々黙々。」、近著に「千葉ジェッツふなばし 熱い熱いDNA」、「海賊をプロデュース」がある。

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