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ミムラユウスケの本音カタール 第9回

田中碧の言葉から考えるドイツ戦『日本代表のあるべき姿』

2022/11/23 ミムラユウスケ ミムラユウスケ
田中碧の言葉から考えるドイツ戦『日本代表のあるべき姿』

2010年から2014年のFIFA ワールドカップ ブラジルに向かっていく時期の日本サッカー界を取り巻く空気を思いだしてほしい。日本人は技術やテクニックに秀でているからこそ、ボールを保持して、相手の守備を崩し切ってゴールを決めたい。そんな風に理想を挙げる選手が日本代表選手は多かった。ファンやメディアの大半も、そのような意識を持ち合わせていたのではないだろうか。

しかし、時代は変わった。それにともない、日本代表の選手たちの思考も確実に変わってきている。

「主導権を握る」とは何か

かつてもてはやされたようなサッカー、つまり、ポゼッション主体の“パスサッカー”をしようとするときに、現在の日本代表のなかで欠かせない存在となりそうなのが田中碧であることに異論はないだろう。

しかし、ボールを支配してパスをつないでいくサッカーを評価する部分は田中の考えのなかにはあるものの、そこにこだわる姿勢を彼は全く持ち合わせていない。

「僕らは主導権を握りたいですけど、対戦相手も握りたいと思うわけで。そうなったとき、『ボールを持っていること』が『主導権を握っていること』だとは思わないので。理想を言えば、敵陣地でボールがずっとあることが一番、強いと思う」

ここで語っているように、試合で勝つために「一番、強い」状況をどのように作るかについて、彼はこんな風に表現する。

「そういう状況を作るために、自分たちがボールを握った方が最善の策なのか、逆に相手にボールを握らせた方が最善の策なのか。そこの(考えの)整理をどうするか、どう捉えるかだと思います。僕らから見たときに、相手が相手陣内でボールを持っていたら、僕らがボールを奪ってショートカウンターをするチャンスがあるということだろうし。

一方で、僕らがボールを持っているのなら、それはゆっくりボールを回せるチャンスでもあるだろうし。そのときの状況に対して、チームとしてポジティブに捉えられるかと言うのはすごく大事だと思います」

ここまで言えばわかるだろう。田中の指摘する「主導権を握る」という状態は、その試合のプランと自分たちのマインドによって、大きく変わるものなのだ。

つまり、高いボール支配率を記録するような戦いを見せることが「主導権を握る状態」になる試合もあれば、相手のビルドアップに狙いを定めて、激しいプレッシャーをかけてボールを奪い、相手ゴールに直線的に迫るプレーを徹底することが「主導権を握る状態」となる試合もある。それが田中碧のサッカーに対するとらえ方である。

ロングボールは主導権を握るための布石

だからだろう。イタリアやイングランドのようなヨーロッパの強豪国相手にハイプレスをしかけてボールを奪ってきた“実績”のあるドイツとの試合を想定した時、日本がロングボールを蹴るような展開になることをネガティブにとらえる必要などないと田中は考えている。ポゼッションサッカー信者が敬遠しそうな、前線にロングボールを蹴るサッカーを否定しない理由について、田中はこのように解説している。

「サッカーがそういう風に変わってきたと言うことじゃないですかね。今までは『ボールを握ろうとするチーム』と『握られるチーム』という二極化だったのが、この1~2年で、『ボールを握る』よりも『ボールを奪いにいく回数を増やす(べきだ)』という時代に変わったからだと思います。

もちろんゴールキックから始まって、パスを何十本もつないでいければいいですけど、ワールドカップというような大舞台になればなるほど、リスクはあるだろうし。その中で、そういうプラン(*ボールをいかにして奪って、相手ゴールに迫るプラン)さえ持っておけば、蹴ることに対して抵抗はなくなると思います」

ここまでの解説を聞けば、ドイツ戦での日本の良し悪しを判断するポイントも見えてくる。「相手に(ボールを)握らせたくないチーム」(*田中がLegend Stadiumのインタビューで言語化したドイツ代表の特徴)であるドイツとの試合で、日本は、アジア予選で見せたようなものとは大きくことなるサッカーを展開することになるだろう。

ロングボールを蹴った後に注目せよ

しかし、日本がロングボールを蹴る『回数』が多いか、少ないかは、試合の優劣にはあまり関係がない。ロングボールを蹴ったあとの日本代表の選手たちの動きこそが、優劣を判断する基準となる。

具体的にいえば、日本の選手がロングボールを蹴ったあとに、ディフェンスラインを大きく上げて次のドイツのパスを守備の網にかける準備をしていたり、全体が乱れかけていた守備ブロックを立て直していたりすれば、ボールは相手に握られているけど、日本代表の選手たちが「あえて握らせている」という意識で戦えていることを意味する。

逆に、ロングボールを蹴ったあとに、日本代表の選手たちが次の守備に移るような動きを見せて“いなかったり”、誰かが「パスが通らなかった」と天を仰ぐような姿勢をみせていたりすれば、ドイツにボールを「握られている」という意識になってしまっているということがわかるはずだ。

こんな田中碧の解説を理解することができれば、FIFA ワールドカップ2022 カタールの見方も変わってくる。そうすればドイツ戦に限らず、スペインのような日本よりも自力で勝る格上との試合も、これまで以上に堪能するはずだ。(文・ミムラユウスケ)

写真提供:getty images

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公式Twitter

2009年1月にドイツへ移住し、サッカーブンデスリーガを中心にヨーロッパで取材をしてきた。Bリーグの開幕した2016年9月より、拠点を再び日本に移す。現在は2か月に1回以上のペースでヨーロッパに出張しつつも、『Number』などに記事を執筆。W杯は2010年の南アフリカ大会から現地取材中。内田篤人との共著に「淡々黙々。」、近著に「千葉ジェッツふなばし 熱い熱いDNA」、「海賊をプロデュース」がある。

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