7か月前の“雪辱”を果たしたFC東京。王者マリノスは攻撃サッカー健在も…4戦7失点をどう見るか?

7か月前の“雪辱”を果たしたFC東京。王者マリノスは攻撃サッカー健在も…4戦7失点をどう見るか?

2020.7.13 ・ Jリーグ

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[J1リーグ4節]横浜F・マリノス1-3FC東京/7月12日(日)/日産スタジアム


 多くの場合は5000人という上限付きながら、Jリーグのスタジアムに観客が戻ってきた。応援方法にもさまざまな制約があり、聴覚的には拍手が中心。劇場空間のような盛り上がりには、まだ道半ばといった感じだ。それでも、絶好の得点機を逃した時には思わず「アーッ」とため息が漏れ、審判の判定に「エーッ」と不満の声が上がるのに、ファン・サポーターの試合への入れ込みようが窺える。新型コロナウイルス感染者が再び増加傾向にある中、「リモートマッチ」という名の無観客試合に逆戻りしないことを願う。


 入場者数も応援もそのような状況だから、ホームとアウェーの環境差もつきにくい。再開後の2~4節、各節でホームチームが勝ったのは2試合のみというデータにも、その影響が表われているのだろうか。


 日産スタジアムで7月12日に行なわれたJ1リーグの横浜F・マリノス対FC東京も、アウェーチームが逆転で3-1の勝利をもぎ取った。両者は約7か月前の同スタジアムで、リーグ戦の歴代最多入場者記録となる6万3854人が見守る中、昨シーズンの優勝を懸けて戦い、横浜が3-0と快勝した。FC東京にとっては、多少なりともその雪辱が果たせたことになる。

 試合は、横浜が4分にFW遠藤渓太が先制して幸先のいいスタートを切りながら、守備の対応の悪さで失点を重ねた。FC東京は相手ディフェンスライン背後のスペースをうまく使い、横浜の混乱を誘う。17分のFWディエゴ・オリヴェイラの同点ゴール、前半アディショナルタイム1分のFWレアンドロの逆転ゴールは、それぞれPKと直接FKによるものだが、いずれもDF室屋成の正確なクロスが反則を誘った。レアンドロが後半開始早々の46分に決めた追加点も、GK林彰洋のロングキックで一気に敵陣を突いて生まれたものだ。


 昨シーズンの横浜は最多68得点を挙げる攻撃サッカーを前面に押し出して、15年ぶり4度目のJ1制覇を成し遂げた。その反面、後方の選手も積極的に前線へ顔を出す分、背後にスペースが空くリスクも伴う。相手よりも多く得点を決めて勝つというスタイルで、アンジェ・ポステコグルー監督は今回のFC東京戦後、「チャンスを生かし切れず、ゴールを奪えなかった」ことを敗因に挙げており、「しっかり(試合を)コントロールできていた」と評価した。

  しかし、守備に関しては「もう少しできた部分もある」と本音もちらり。例えば、FC東京の3点目の場面で、DF畠中槙之輔の対応もそのひとつかもしれない。林のロングキックからFW永井謙佑にうまく抜け出されたが、二次対応でもう少し間合いを詰め、右タッチラインに追い込む工夫も必要だったのではないか。もちろん、永井のスピードを警戒してのポジショニングでもあるだろうが、絶妙のクロスを上げるには十分なスペースとなってしまった。日本代表でも期待されるDFだけに、このあたりの対応をぜひ今後の成長に生かしてほしい。


 これで横浜はリーグ戦4試合で7失点。優勝した昨シーズンも第4節までに7失点だから、驚くにはあたらない。だが、今シーズンは事情が違う。夏場を含むタイトな試合日程が立ちはだかる。アジア・チャンピオンズリーグのグループステージ残り4試合も、10~11月に行なわれることが7月9日に発表された。セントラル開催(開催地未定)で10日間に4試合という、これまたしんどいスケジュールがのしかかる。プレーの強度維持や負傷者の心配もある今後の戦いに向けて、どのように攻守のバランスに折り合いをつけるのかは、指揮官の腕の見せどころだ。


取材・文●石川 聡

記事提供:サッカーダイジェストWEB

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