[J1リーグ8節]徳島1-0仙台/4月7日(水)/鳴門大塚
【チーム採点・寸評】
徳島 7
チーム史上初のJ1での2連勝で勢いのある徳島。試合前のウォーミングアップでCBの石井を負傷で欠くも、ボランチの岩尾キャプテンを中心にセットプレーからの1点を守り切った。
【徳島|採点・寸評】
GK
21 上福元直人 7
試合前の練習でのCB石井の負傷というアクシデントにも動じず、再三襲いかかる仙台の攻撃を完封した。『チームは3連勝だが、一戦一戦目の前の敵に100%の力で挑みたい』と語り、好調の中でも冷静に先を見据えた守護神は、次節も頼りになる存在になりそうだ。
DF
20 福岡将太 6.5
石井のアクシデントもあり、立ち上がりでの最終ラインの統制が案じられたが、DF陣が奮闘、特に福岡の働きがこの危機を救った。
4 ジエゴ 6
石井の負傷のアクシデントで急遽スタメンでの出場となったが、その対応力は流石の一言。欲を言えば、ロングパスの精度にやや精彩を欠いたか。
2 田向泰輝 6.5
本来は左サイドだが、石井のアクシデントによりCBの一角を担うことに。不慣れなポジションながら、最終ラインの統制は見事だった。
MF
8 岩尾 憲 7
最近ボランチのコンビを組みはじめた鈴木徳真とのバランスも絶妙。毎試合安定した守備とFKの精度は、言うまでもなく今シーズンも頼りにしたいところだ。
23 鈴木徳真 6.5(63分OUT)
J1で2試合目の先発とは思えないほど、キャプテン岩尾とのコンビネーションが冴えた。今後、シーズン終盤にかけて、キーマンになるのは鈴木かもしれない。
15 岸本武流 7.5
この日のヒーロー。岩尾の3連続CKに、3連続シュートで食らいついた嗅覚には、やはり野生的な何かを感じさせる。リカルドチルドレンの彼ではあるが、次節の浦和戦に闘志を燃やしている。
33 藤原志龍 6(63分OUT)
持ち前のドリブル突破を随所に見せるものの、決定的なチャンスに至らない点は今後の課題だろう。だが、献身的な守備とスプリント量は評価したい。
10 渡井理己 6
決定的な仕事はしていないが、1.5列目を動き回るプレースタイルは、今後の垣田とのコンビネーションに大きく期待できるだろう。
FW
11 宮代大聖 6(63分OUT)
前節の働きに比べ、鳴りを潜めたように感じたかもしれないが、守備と攻撃のバランスが取れ、失点の危機を未然に防いでいた。
19 垣田裕暉 6.5
派手さはなかったが、攻守ともに走り回るスタミナは圧巻。彼の存在が、岸本のゴールを演出したと言っても過言ではないだろう。
交代出場
MF
13 藤田譲瑠チマ 6(63分IN)
パワープレーにでた仙台に対してボランチとして入った。落ち着いた玉捌きで、仙台に決定機を作らせなかった。
MF
45 杉森考起 6(63分IN)
目立った仕事はしていないが、中盤での守備で貢献し、反撃の機会を窺っていた。
MF
37 浜下 瑛 6.5(63分IN)
自陣での守備に貢献し、地味ではあるが大事なところで攻撃を防ぎ、カウンターの芽を摘んでいた。
ヘッドコーチ
甲本偉嗣 7
後半、仙台の怒涛の攻めに対して、最終ラインを入れ替えるなどの選手起用が見事に的中。新監督の合流が待たれる中、代行監督という立場でのこの快挙は評価したい。
【チーム採点・寸評】
仙台 6
今シーズン未だ勝利なしの仙台。大卒ルーキー2名をスタメンに起用するなど、思い切った策を講じた仙台だったが、決定力を欠きコーナーキック一本に沈んだ。しかし、後半の蜂須賀投入に伴うパワープレーは得点を予感させた。次節での今季初勝利に期待したい。
【仙台|採点・寸評】
GK
27 ヤクブ・スウォビィク 5.5
2本続けて決定的なCKでのピンチを脱するも、岸本のヘディングは前に弾くのが精一杯だった。GKの守備というよりも、岸本をフリーで打たせた守備陣の動きを見直すべきであろう。
DF
25 真瀬拓海 5.5
高い位置での守備と、右サイドでの鋭いドリブル突破が光ったが、徳島の守備陣を崩し切ることはできなかった。
5 アピアタウィア久 5.5
ミドルエリアにおいて要所要所でボールを奪い、後半には徳島の中盤を圧倒した。もう少し攻撃参加していれば、決定機が生まれたかもしれない。
13 平岡康裕 6
後半、徳島ゴールを何度も脅かすシュートを放つが、徳島のGK上福元の好セーブに阻まれる。しかし、後半の怒涛のパワープレーは見事だった。
14 石原崇兆 5.5
こぼれ球を振り抜いたミドルシュートは枠を捉えていたが、この試合で好セーブを続ける上福元には通用しなかった。
MF
6 上原力也 5
後半、あと一歩まで徳島守備陣を追い詰めたが、周囲との連係がうまくいかず、決定的なチャンスを作ることはできなかった。
8 松下佳貴 5.5
再三相手ゴールに迫るが、徳島守備陣に体勢を崩され、シュートを放つも枠を捉えることができなかった。しかし、ペナルティエリア付近での粘りは次節以降も発揮してもらいたい。
26 加藤千尋 6.5(80分OUT)
プロ入り初先発での起用に奮起。右サイドで真瀬とともに徳島ディフェンスに切り込むが、決定機は作れなかった。しかし、ゴールに対する貪欲さと、最後まで諦めない加藤の姿勢は、仙台にとってプラス要素だろう。
32 氣田亮真 5(45分OUT)
中盤での守備に奮戦するも、周りとの連係がうまくいかず、逆に徳島にボールを奪われる場面が目立った。後半の初めから蜂須賀と交代。
FW
15 西村拓真 5.5
ポジショニングがよく、決定機に多くのシュートを放った。だが、コースを塞いだ徳島のディフェンス陣からゴールネットは揺らせなかった。彼のゴール欠乏症の特効薬は、やっぱりゴールしかないようだ。
11 赤崎秀平 5.5(80分OUT)
西村とともに徳島守備陣に突破を図るが、ゴールは奪えなかった。だが、彼の前への推進力は、チームの状態次第では鍵となるだろう。
交代出場
DF
4 蜂須賀孝治 6(HT IN)
後半、氣田に代わって入り、攻撃のリズムを作った。左サイドを鋭く抉って駆け上がるも、ラストパスの精度を欠き、ゴールには繋がらなかった。
MF
28 佐々木匠 -(80分IN)
後半、加藤に代わって入るも、目立った仕事をすることはなく、防戦一方の徳島の壁を崩せなかった。
FW
19 皆川佑介 5(72分IN)
後半残り少ない時間での投入となったが、J1通算100試合出場のメモリアルゲームとなった。
DF
16 吉野恭平 -(80分IN)
後半残り少ない時間での投入となったが、徳島ペナルティエリア内でのシュート3連発は見事だった。だがそれを防いだ徳島のGK上福元のセーブが一枚上手だった。
監督
手倉森誠 5
自軍の決定力不足を嘆きつつも、徳島のセットプレーでの得点を素直に讃えた。後半の攻めに転じる選手起用は的中したが、時すでに遅しだった。
※MAN OF THE MATCH=取材記者が選定するこの試合の最優秀選手。
※採点は10点満点で「6」を及第点とし、「0.5」刻みで評価。
※出場時間が15分未満の選手は原則採点なし。
取材・文●岡本浩行
記事提供:サッカーダイジェストWEB