失点に関与も17歳新人をフル出場させ勝利に導いた浦和指揮官。先発起用した3人の十代に未来を感じた夜

失点に関与も17歳新人をフル出場させ勝利に導いた浦和指揮官。先発起用した3人の十代に未来を感じた夜

2021.4.22 ・ Jリーグ

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 ルヴァンカップのグループステージ(GS)3節が、4月21日に各地で行なわれた。ニッパツ三ツ沢球技場では浦和レッズが逆転で横浜FCを2-1と下し、同ステージ初勝利。Cグループ最下位から、柏レイソルに並ぶ2位タイに浮上し、首位の湘南ベルマーレに勝点1差と迫った。浦和はFW杉本健勇が45分、57分にヘディングシュートを決めて、3月27日のGS2節(柏戦)以来となる先発起用の期待に応えた。


 3日前に0-1で敗れたリーグ10節・セレッソ大阪戦から先発9人を入れ替えた浦和は、MF福島竜弥(18歳)、DF工藤孝太(17歳)、GK鈴木彩艶(18歳)という3人の十代がスタメンに名を連ねた。3月5日にトップチーム登録が完了した工藤は、持参した『2021 J1&J2&J3 選手名鑑』にも載っていない2種登録の浦和ユース所属。この試合がトップチームでのデビュー戦だった。


 その工藤の前半は、3月2日のGS1節(湘南戦)でデビューしたばかりの福島が「デビュー戦でやっぱり緊張もあったと思う」と気遣うほど、少し不安定なパフォーマンス。横浜FCが14分に先制した場面では、スライディングタックルをMFマギーニョにかわされ、そのクロスがFWクレーベのヘディングシュートにつながる。浦和のリカルド・ロドリゲス監督も「もう少し守り方があったかもしれない」と振り返った。


 それでも「こういう若い選手を積極的に使っていくこと、試合に出てもらうことはすごく大事」と話すスペイン人指揮官は後半も工藤に託した。前半終了直前に追い付いた浦和は、彼に代えて経験のある選手を送り出すこともできたはずだ。しかし、彼をベンチに下げるのではなく、DF槙野智章、MF阿部勇樹という二人のベテランを工藤の近くに配し、試合の安定化を図る。ロドリゲス監督も「いいプレーをしたと思う。特に後半は落ち着いていた」と工藤を評価した。17歳のルーキーにとっても勝利の瞬間をピッチ上で味わえた成功体験は大きいだろう。

 また、左サイドからのクロスで全得点に絡んだのは福島だ。1点目はエリアを狙ったボールに杉本のヘディング能力が際立った印象だが、2点目は絵に描いたような見事な得点を演出。相手守備陣が守りづらいディフェンスラインとGKの間に正確なパスを通し、逆サイドのMF田中達也の折り返しを杉本が決めた。一方で「僕の課題は守備。崩されるシーンが何度かあった」と反省も忘れない。素晴らしい反射神経を生かしたセーブで立ちはだかったGK鈴木も合わせ、浦和の若い選手たちにとっては忘れがたい試合となったのではないか。


 この日、東京五輪のグループステージ組分けが決まり、18人のメンバー入りに向けた話題もますます過熱するに違いない。ルヴァンカップの1試合だけで見た彼らのプレーは、そうした話題に比べれば些細なことかもしれないが、2024年パリ五輪につながりそうな芽は、あちこちで顔を覗かせているのを感じた夜だった。


取材・文●石川 聡



記事提供:サッカーダイジェストWEB

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