玉田圭司が語る名古屋復帰の理由。不遇の昨季、引退の時期、復活への想いを激白!

玉田圭司が語る名古屋復帰の理由。不遇の昨季、引退の時期、復活への想いを激白!

2017.1.11 ・ Jリーグ

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「ナイス、シュート!もっと狙っていこう!」

「いいチャレンジだね!自分から仕掛けよう!」

 

 1月8日、地元・千葉県のフットサルコートで、玉田圭司が始動した。この冬、玉田はセレッソ大阪を退団し、名古屋グランパスに3シーズンぶりに復帰する。そのニュースが流れたのは昨年末。12月29日のことだ。

 

 それから10日ほど経ったこの日、玉田は自主トレがてら、自らがプロデュースするサッカースクールの子どもたちと一緒にフットサルで汗を流しながら、新たなシーズンに向けて静かな闘志を燃やしていた。

 

 現在36歳。昨年12月5日にC大阪からの退団が発表されたが、まだまだやれる自信はあった。新天地を求めるなか、オファーしてくれたのがロアッソ熊本と名古屋だった。

 

「最初にロアッソ熊本からオファーがあって、それから数日してグランパスから声をかけてもらいました」

 

 一部報道ではジュビロ磐田からオファーもあったとされていたが、実際は前述の2クラブのみ。ただ、名古屋から話をもらった瞬間、玉田の心は決まっていた。他のオファーを待たず、彼は迷わず古巣を選んだ。

 

「オファーが来た時は、まったく迷いませんでした。即決でした。在籍年数も一番長かったクラブですし、いい時期を過ごした場所です。僕にとっては本当に特別なクラブですから。そのクラブに戻れるのは素直に嬉しいです」

 

 そんな愛すべき名古屋が、昨年11月3日にクラブ史上初めてJ2に降格した。ニュースを耳にしたとき、玉田はなんとも言えない気持ちになった。

 

「言葉にならないというか、ただただ、寂しかったですね。なにもできない寂しさというか。」

 

 一方、玉田が所属するC大阪はプレーオフへと進出し、京都サンガ、ファジアーノ岡山と戦い、悲願のJ1昇格を果たした。しかしこの大事な2連戦に玉田の姿はなかった。シーズン終盤はずっとメンバー外が続いていた。

 

「最後はピッチ外でしたけれど、チームが昇格できたことに関しては、本当に嬉しかったですね。でも試合に出られていたら、もっと喜びは大きかったのも正直な気持ちでした。個人的にはなにもチームの昇格に貢献できなかった。悔しい思いのほうが強かったですね」 昨シーズンの玉田は、春先のキャンプからすこぶる調子が良かった。1年前に昇格できなかった悔しい思いがあったからこそ、絶対にリベンジを果たすつもりでいた。フィジカル的にもモチベーション的にも、コンディションはベストの近い状態をずっと維持していた。それだけに、試合に出られなかったことは、本当に堪えたという。

 

「去年に関しては、僕のキャリアのなかで一番つらいシーズンだったと言っても過言ではありません。はたから見たら、玉田圭司はもう動けなくなったんじゃないか、やっぱり全盛期と比べたら衰えているんじゃないかって思われているかもしれません。実際にはまったくなくて、そういう風に思われているのは不本意なんです。信頼されればやれる自信はありますし、やっぱり歳は重ねていますが、それによって得ているものもたくさんありますから。どんどん選手としての幅も増えていっていると思っています。それをピッチで表現できないのは本当につらいことですよね」

 

 ただ、C大阪に移籍したことに関してはまったく後悔していない。

「この2年間で、プレーできたこともいい経験になったと思っています。選手の質がすごく高かったし、学ぶところが多かったので、自分としては成長できたとも思っています。それに関しては後悔していません。この経験を次の舞台に活かせればいいなと思っています」

 

 このままでは終われない。サッカー選手としての思い描いているビジョンのなかでも、“引退”というふた文字はまったくない。

 

「何歳までやりたいとか、具体的なイメージはありません。あんまり先を見ないタイプなんです。その時その時で、自分のベストを尽くすだけ。40歳というのは区切りだと思いますが、カズさんとか別格だと思いますから。自分がやりきったと思えるとか、もう無理かなって思った時に“引退”を考えるのかもしれません。ただ、まだそういう感覚になっていませんし、それに大きな怪我もありません。やっぱり、サッカーが純粋に好きなので、まだサッカーが楽しめている時は、現役でいたいと思いますね。まだまだできる自信はありますから」

 

 捨てる神あれば拾う神。不完全燃焼のシーズンを経て、まさにキャリアのどん底を経験した玉田のもとに名古屋からラブコールが届いたのである。「そういったなかで、繰り返しになりますが、名古屋から声をかけてもらえたのは素直に嬉しかったですし、サッカー選手として大きなチャンスだと受け止めています。絶対にフイにしたくないですし、もう一度、“本当の自分”というものを見せたいと思っています。Jリーグのなかでも名古屋はビッグクラブだと思いますから、そういうクラブはJ2にいるべきではないですし、J1に戻れるように、どうにか力になりたいですね」

 

 名古屋は今季、川崎フロンターレの風間八宏を新監督として迎え入れた。メンバーもガラリと変わる。

 

「僕の知っているメンバーはナラ(楢崎正剛)さんと若手の数人くらい。(佐藤)寿人や永井龍などは一緒にプレーしたことはありますが、半分以上は初対面の選手になります。そうしたなか、風間さんのもとでプレーできることがすごく楽しみなことのひとつですね。J1のなかで一番いいサッカーをしているのが川崎だったと思っていましたから。名古屋にとっても、自分にとっても、本当に大きなチャンスだと思っています」

 

 個人的な目標はまったくない。玉田が見据えているのは、『J1復帰』という目標達成だけである。

 

「もちろん試合に出ることは大前提ですが、それ以外は、チームの昇格に貢献することしか考えていません。得点数なんて気にしていません。とにかくチームが勝つこと、そしてシーズンが終わった時に、名古屋が昇格すること。チームの目標が、僕の目標です」

 

 1月11日、名古屋の新体制発表が行なわれる。サッカーを楽しめる場所――新天地の名古屋で、果たしてどんな復活劇を遂げるのか。玉田の“勝負のシーズン”が始まる。


取材・文:小須田泰二(フリーライター)

協力:玉田圭司サッカースクールK.T.F.C. powered by malva、レプロエンタテインメント


■プロフィール

玉田圭司(たまだ・けいじ)

1980年4月11日生まれ、千葉県出身。習志野高卒業後、柏へ入団。その後、名古屋、C大阪を経て、今季3シーズンぶりに名古屋へ復帰した。173㌢、67㌔。2006年、2010年ワールドカップ出場。J1リーグ通算342試合96得点、J2リーグ通算57試合13得点。現役選手としてJリーグでプレーする傍ら、地元・千葉でサッカースクール経営にも携わっている。

玉田圭司サッカースクールK.T.F.C. powered by malva

http://ameblo.jp/tamada-malva/


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記事提供:サッカーダイジェストWEB

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