埼スタを沸かせた圧巻ドリブル! 目標のチリ代表入りへバスケス・バイロンが描く進化の道筋

埼スタを沸かせた圧巻ドリブル! 目標のチリ代表入りへバスケス・バイロンが描く進化の道筋

2019.2.17 ・ Jリーグ

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 富士ゼロックス・スーパーカップの前座試合として行なわれたネクストジェネレーションマッチの日本高校サッカー選抜対U-18 Jリーグ選抜の一戦。選手権王者となった青森山田のMFバスケス・バイロンは、選手権の時のように、得意の切れ味鋭いドリブルで埼玉スタジアムを何度も沸かせた。


 4−3−3の左のインサイドハーフとして起用されたバイロンは、立ち上がりから積極的に仕掛ける。11分に失点を喫するも、それ以降も「調子も良かったので、今日は行けると思ってどんどん行った」と語ったように、仕掛けの手を一切緩めなかった。


 29分にはMF鈴木唯人の縦パスを受けて素早くターンしてドリブルで運ぶと、青森山田のチームメイトであるDF豊島基矢とのワンツーで抜け出し、決定的なシュートを放った。


 後半に入ると、さらにバイロンのドリブルが効力を発揮。73分には仕掛けるフリをしてクロスを送り込むなど、変化を付けながらゴールに迫った。そして、試合終盤に彼が冷静な判断を下した。


「左でプレーしていたのですが、今日の調子なら得意の右サイドに移った方がもっと良いプレーが出来ると思ったし、流れ的にも点が欲しい状況だったので、(西川)潤に『左右入れ替わってくれ』と言って、右のシャドーに入りました」


 もともと朝岡隆蔵監督は「攻撃に関しては流れと相手を見て自由に(ポジションを)入れ替わっていい」とチームに伝えていた。特にFW宮崎純真、西川、バイロンの前線の3枚に対しては、「相手を見てやれることを自分達で決めていい」と伝えられており、それをバイロンは状況と自身のコンディションを鑑みて実行したのだった。


 その直後に貴重な同点弾が生まれた。後半アディショナルタイム2分、西川が左サイドでDF水野雄太と相手をサンドしてボールを奪い、ドリブルを仕掛けると、バイロンは右からダイアゴナルランでゴール前に走り込んだ。そして、西川の左足シュートがDFに当たってゴール前にこぼれると、バイロンが誰よりも早くボールに追いついてゴールに押し込んだ。


「潤のシュートの裏を狙っていた。良い形でボールがこぼれてくれました」

 バイロンのゴールにより試合はドロー決着。80分間プラス、アディショナルタイムを通じて、彼の積極的な仕掛けが光った一戦となった。「いわきFCはフィジカル作りが徹底していて、血液検査もして、自分の遺伝子に相応しい筋トレのメニューなどを明確にしてくれる。もっといわきで自分に足りない部分を補って、フィジカルとスピードで圧倒できる選手になりたい」


 いわきFCでは早くも緻密なフィジカルトレーニングを積み、ハワイで行われたパシフィック・リム・カップでは、3位決定戦のMLSのバンクーバー・ホワイトキャップス戦で途中出場ながら、PKを獲得すると、自ら決めて決勝点をマーク。新天地でその存在感を早くも発揮しつつある。


「仲間の使い方だったり、仕掛ける判断がまだちょっと遅いので、もっと改善して行きたい。パシフィック・リム・カップで、もっとフィジカルとスピードをアップすれば世界で戦えるという手応えを掴めたので、高校選抜でもヨーロッパ遠征を経験して、他の選手との差をつけられるようにしたい」


 今後、高校選抜の最終18人のメンバーに入れば、再び日本を飛び出して世界を経験できる。「目標はチリ代表に入ること」と公言しているバイロンにとって、この一戦は重要なステップとなった。


取材・文●安藤隆人(サッカージャーナリスト)



記事提供:サッカーダイジェストWEB

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