OA枠は? 三笘の選出は? 五輪代表18人はこうなる! 現状のベストメンバーを考えると…

OA枠は? 三笘の選出は? 五輪代表18人はこうなる! 現状のベストメンバーを考えると…

2021.4.1 ・ 日本代表

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 東京五輪を戦うU-24代表は、3月26、29日に開催された強豪U-24アルゼンチン代表との2連戦を1勝1敗で終えた。初戦はシュート数では10対4と上回ったものの、21分にカウンターからあっさり失点を喫すると、試合巧者の南米王者のしたたかな試合運びにしてやられ、0-1で敗れた。


 3日後の再戦では、序盤から強度の高いプレーをし、前半終了間際に林大地(サガン鳥栖)のゴールで先制すると、後半にはともに久保建英(ヘタフェ)のCKから板倉滉(フローニンヘン)がヘッドで2点を奪い、3-0で見事にリベンジを果たしている。


 新たな収穫も課題もあった3月シリーズが終了したこのタイミングで、オーバーエイジも含めて五輪代表18人がどうなるかを考えてみたい。



  まず、もともと得点力が高くないこのチームは、2019年11月に行なわれたコロンビアとの親善試合(0-2で敗北)に続いて、今回の初戦でも明らかになったように、先制点を奪われると途端に厳しい状況に陥ってしまう。守備を固められた時に、それをこじ開ける攻撃の迫力やアイデアが不足しているのだ。


 そのため、攻撃力を高めるのにオーバーエイジ枠を使いたいところだが、アルゼンチン戦を通して感じたのは、まず失点しないことが最優先タスクだということ。短期決戦であれば、なおさらそれが需要になる。その点を踏まえて、18人を考えてみた。


 システムはこのアルゼンチン戦で採用した4-2-3-1がベースとなるだろう。有力なウイングバック候補が見当たらない現状では、このチームが長く使ってきた3-4-2-1はオプション、主に守備を固めたい時にシフトする形になりそうだ。


 GKは、このチームで長く正守護神を務めてきた大迫敬介(サンフレッチェ広島)は決まり。もう一枠を争う谷晃生(湘南ベルマーレ)、沖悠哉(鹿島アントラーズ)、波多野豪(FC東京)は横一線でそれぞれ特徴も異なるが、大迫のバックアッパーと考えれば、他の2人よりも五輪代表での経験が豊富で計算が立つ谷で問題ないだろう。

  右SBは、アルゼンチン戦で先発を分け合った菅原由勢(AZ)と原輝綺(清水エスパルス)を選んだ。オランダやヨーロッパリーグで揉まれ、逞しくなった前者はアルゼンチン相手にも臆することなく戦えていた印象。左SBでもプレーできるのも強みだ。2戦目で攻守にアグッレシブな姿勢を見せた後者も、両SBに加えてCBやボランチでもプレーでき、ベンチにひとり置いておきたい選手だ。ただ、橋岡大樹(シント=トロイデン)も新天地ベルギーでの活躍次第では、入り込む余地はある。


 A代表と同じく人材不足の左SBには、中山雄太(ズウォーレ)を選出。ボランチやCBもこなせるキャプテンは、このチームでは主にボランチを担ってきたが、アルゼンチン戦で板倉滉(フローニンヘン)の中盤起用が当たったこともあり、このポジションに回した。試合中に左CBとなり、3バックに変更することも可能だ。今回招集された古賀太陽(柏レイソル)、旗手怜央(川崎フロンターレ)、中野伸哉(サガン鳥栖U-18)はメンバーに割ってはいるほどのアピールはできなかった。

  CBにはオーバーエイジ枠で吉田麻也(サンプドリア)を招集したい。その吉田とA代表でコンビを組む冨安健洋(ボローニャ)がいるとはいえ、この五輪代表での活動はほとんどしておらず、どこまで守備を統率できるかは未知数な部分もあるからだ。


 クラブでの高い評価はむしろ右SBやポリバレントなプレーヤーとして受けているもので、CBとしてはポテンシャルの高さを称賛されながらも、対応の拙さをイタリア・メディアから指摘される試合も少なくない。森保ジャパンでの抜群の安定感は、やはり相棒の吉田がいるからこそで、32歳のCBはメンバー入りさせるべきだろう。


 前述したように、先制点が非常に重要になるこのチームでは、アルゼンチン戦のような安易な失点を絶対に避けなければならない。そういう意味でも、このA代表のレギュラーコンビが最終ラインに入れば、安定感はぐっと増す。


 バックアッパーは渡辺剛(FC東京)や町田浩樹(鹿島)も捨て難いが、瀬古歩夢(セレッソ大阪)を推したい。先発した北九州でのアルゼンチン戦では、デュエルで引けを取らなかったうえ、自慢のフィードで見事に林の先制ゴールをアシストしてみせた。例えばリードしている場面でクローザーとして投入されれば、前掛かりになった敵の裏のスペースを突くパスでカウンターのチャンスを作り出すことができるだろう。

  アルゼンチンとの2連戦で改めて顕著になったのは、ボランチの重要性だ。中山と渡辺皓太(横浜F・マリノス)が組んだ第1戦は、前線に効果的なパスを出せず、攻撃が分断されていた。だが、出場停止で初戦を欠場した田中碧(川崎)と板倉が組んだ2戦目は劇的に改善。球際でも負けず、奪ったボールをスムーズに攻撃陣に展開した。


 決勝トーナメント進出が目標であれば、この2人を軸に考えればいいかもしれない。ただ、金メダルを狙うのであれば、中2~3日での6試合を2人で乗り切るのは難しいし、出場停止や故障のリスクもある。やはり、ここはA代表で圧巻のパフォーマンスを見せている遠藤航をオーバーエイジで入れたいところだ。ブンデスリーガでトップクラスのデュエル勝利数を誇る守備力だけでなく、攻撃のスイッチを入れる縦パスも魅力。これほど絶大な存在感を発揮している“旬”の選手を入れない手はない。


 遠藤、田中碧のバックアッパーにCBと兼用の板倉がいて、中山や原も中盤でプレーできるため、田中駿汰(北海道コンサドーレ札幌)や怪我で長欠中の齊藤未月(ルビン・カザン)は選外とした。

  2列目は5人を選んだ。今回は故障で辞退した堂安律(ビーレフェルト)と久保は文句なしで選出。右サイドとトップ下で、このチームの軸となるべき2人であり、そのパフォーマンが浮沈のカギを握ると言っても過言ではない。


 しかし、とりわけ後者は決定力に課題があり、誰が点を取るんだと考えた時、A代表でゴールを量産している南野拓実は呼びたい存在だ。ただ、オーバーエイジの3つめの枠はCFで使いため(南野を最前線で起用する手もあるが)、迷いながらもメンバーには入れなかった。


 よって、左サイドは、相馬勇紀(名古屋グランパス)、三笘、前田大然(横浜)が、コンディションや対戦相手、チームの状況によって日替わりでローテーションするようなイメージになる。いずれも途中出場でも流れを変えられる打開力を備えている。


 そのなかで相馬をレギュラー候補としたのは、アルゼンチン戦のパフォーマンスが秀逸だったから。また、前述した「試合の中で3バックに移行」の際には、左ウイングバックとして振る舞える利点もある。一方、三笘は先発した初戦で持ち味を発揮できず、メンバー入りを疑問視する声もあるが、Jリーグであれほど飛び抜けたパフォーマンスを発揮しているだけに、現状では入れておくべきだと考える。


 今回のアルゼンチン戦では、故障で招集外となった前田は、やはりあの抜群のスピードは魅力。今季はクラブでも好調で、切り札として選出しておきたい。逆に、三好康児(アントワープ)は堂安や久保と同じレフティで役割が被り、“代役”としては適任だが、途中出場で投入する“カード”しては物足りなさが残るため、アピール不足だった食野亮太郎(リオ・アベ)らとともに選外とした。 最後のCF2枚はオーバーエイジの大迫勇也(ブレーメン)と上田綺世(鹿島)だ。このチームの強みである2列目を活かすには、前線でボールを収められるFWが必要不可欠であり、大迫はうってつけだ。クラブで出番が激減している点が気掛かりだったが、A代表の韓国戦とモンゴル戦では、さすがという姿を見せた。ゴールを量産するタイプではないが、周囲を活かすプレーとロシア・ワールドカップのコロンビア戦で決勝点を奪ったような勝負強さに期待したい。


 その大迫が所属した鹿島で成長中の上田は、この五輪代表のエース格としてプレーしてきた。故障明けということもあり、アルゼンチン戦には呼ばれなかったが、当然入るべきストライカーだ。魅力は動き出しの巧さと得点力。大迫がやや下がり目に入れば、勝負どころでの同時起用も可能だろう。


 南米王者を相手に奮闘はしたが、ゴールという結果を残せなかった田川亨介(FC東京)、得点はしたが未知数の部分が多い林はメンバー外に。ただ、アルゼンチン戦を自信に、クラブでゴールを量産するようなことがあれば、勢いを買って滑り込む可能性はあるだろう。


 あくまで今回選んだのは現時点での18人。逆に言えば、ここから2~3人が入れ替わるぐらいの“伸び”がなければ、メダル獲得は難しいかもしれない。


取材・文●江國森(サッカーダイジェストWeb編集部)

 

記事提供:サッカーダイジェストWEB

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