【セルジオ越後】大久保の191点を超えるには何が必要?阿部の経験値はすぐ生かされない? 元代表選手の引退で見えてくるもの

【セルジオ越後】大久保の191点を超えるには何が必要?阿部の経験値はすぐ生かされない? 元代表選手の引退で見えてくるもの

2021.11.26 ・ 日本代表

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 Jリーグも終盤戦に入って、選手の去就の話題がにわかに取り沙汰されるようになったね。とりわけこの1、2週間はJリーグで一時代を築いた選手たちの引退が続いた。11月11日に玉田圭司が引退を発表し、14日に阿部勇樹、そして19日には大久保嘉人がスパイクを脱ぐ決断をした。

  いずれもワールドカップに出場するなど、日本サッカー界で輝かしいキャリアを歩んだ選手たち。40歳前後まで息も長く続いた。それぞれ独特のプレースタイルを持っていて、チームの中では言わば替えの効かない選手たちだったよね。


 ラストシーズンとなった今季も、3人ともゴールを挙げるなど、存在感を示す活躍は見せていたけど、求められる数字ではなくてなってきたのも確か。寂しいけど、これも時代の移り変わり。本人たちが望めば、まだまだ現役を続ける道もあっただろうけど、「現役引退」という選択をした彼らには、素直にお疲れさまと言いたいよ。


 もちろん、今後は彼らを超えていくような選手が登場することを望みたい。「玉田みたいなテクニシャン、最近見ないな」とか、「レッズのセットプレー、しばらく入ってないんじゃない?」なんて感じたら、Jリーグのレベルも停滞していることになる。そういう意味で、大久保は分かりやすい“基準”を置き土産として残してくれたね。191点というJ1最多得点記録を打ち立てた。2位に30点差をつける大記録だよ。


 ただし本当に凄い記録だけど、やはりこれがいつまでも残っているようでは日本サッカーのレベルが向上していないということ。最近はちょっと活躍すると、すぐに海外移籍してしまうから難しいけど、この記録を破るような“半端ない”得点能力を備えたストライカーが出てこないとね。


 それにはもちろん、ストライカーを育てる指導者の質も問われるし、大久保がフロンターレで一番ゴールを量産していたように、周りに優れたアシスト能力の高い選手もいなければダメ。ひとりでゴールは奪えないからね。つまり、日本サッカー全体のレベルアップがないと、大

久保の191点という記録は超えられない。新記録に到達できる選手の登場は、まだまだ先になりそうだけど、後に続く選手たちは“基準”としてこの記録を見てほしいね。

  引退した選手のセカンドキャリアとして、指導者への転身はよくあるけど、阿部も将来的に監督を目指すそうだね。だけど、彼がレッズの監督になるまでにどれだけの年月がかかるのかな。S級ライセンスを取得して、さらに監督になるための順番待ちもある。そこにかかる時間は本当にもったいない。

  阿部はレッズや日本代表で実績をあげ、オシムの愛弟子として、その教えも受けた。彼ほどのキャリアがあるなら、チームの指揮を執るのにその経験を生かさない手はないよ。


 現在の指導者ライセンスは、日本代表がまだ弱くて実績がなかった頃の人たちが作り上げたものだと思うけど、それから何年も経って、これからはワールドカップやチャンピオンズ・リーグに出るなど、世界で実績を積み上げた人たちが指導者になっていく。そういう人たちを既存の枠に収めてしまっては、せっかく世界の舞台で経験できたことが日本の財産となってすぐには生かされない。


 大久保も「ライセンスゼロなんで」とは言っていたけど、彼ほど点を獲ることを教えるのに相応しい人はどこにいる? でも大久保ほどの実績があっても、その経験を伝えるのにライセンスが必要になるんだ。彼が指導者になるかどうかはともかく、監督になるのに誰もが皆、同じライセンスが必要っていう制度は見直した方がいいと思うよ。


構成●サッカーダイジェストWeb編集部

記事提供:サッカーダイジェストWEB

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