神村学園の超新星・名和田我空。U-16日本代表のナンバーテンを背負う俊英MFの特大のポテンシャル

神村学園の超新星・名和田我空。U-16日本代表のナンバーテンを背負う俊英MFの特大のポテンシャル

2022.6.25 ・ 日本代表

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 神村学園と言えば、『高校サッカー界ナンバーワンデュオ』と呼ばれるFW福田師王とMF大迫塁がいる。すでにセレッソ大阪入りが内定している大迫に対し、福田は複数のJ1クラブから熱烈なラブコールを受けているようで、海外クラブからのアプローチも噂されるなど、争奪戦は加熱を極めている。


 そんな神村学園に新たな新星が現われた。神村学園中から進学してきた1年生MF名和田我空だ。両足でのボールコントロールを苦なく行ない、常に2手、3手先まで思考に入れながら、素早いボディシェイプと緩急をつけたドリブルで相手の間隙を縫い、ラストプレーではパスとシュートを瞬時に判断してゴールに直結するプレーを見せる。


 神村学園中では、昨年の全国中学サッカー大会で準々決勝以外は全て複数得点をマーク(二回戦と準決勝でハットトリック)し、5試合で10得点と大暴れ。チームを見事に優勝に導いた。そして今年3月のサニックス杯では中3ながら神村学園高の10番を背負ってプレー。FWとして堂々たるプレーを見せつけて大きな話題となった。


 順調に高校生活をスタートさせると、インターハイ出場を決めた直後の6月8日から12日にかけて仙台で行なわれたインターナショナルドリームカップでは、U-16日本代表の10番を託された。


「この番号を託されたからには結果を求められているし、ゴールだけではなく、他のプレーでもチームの勝利のために、個人の成長のためにやっていきたい」


 こう意気込んで臨んだ初戦の日韓戦、名和田はベンチスタートだった。フィジカルで明らかに日本を上回る韓国に対して、日本は競り合いでも球際でも一歩も引くことなく真っ向からぶつかり合い、前半だけで2点のリードを奪った。

  3点目を奪った後の70分に名和田は投入されると、ドリブルで突破を試みるが相手の素早い寄せにボールをロストしたり、シュートが相手に引っかかるなど、チームの勢いに乗ることができなかった。


「途中出場だったのですが、ピッチのコンディションが分かっていなくてトラップミス、パスミスが多かった。それにやっぱり当たり負けすることがあった。この強度を当たり前のようにやっていかないと、いつまで経っても変わらないと思った」


 試合後、こう反省の弁を述べていた名和田。実はこの大会の1か月前の5月に、U-16日本代表にとって初の海外遠征となるルーマニア遠征(ノルウェー、カタール、サウジアラビア、ルーマニアと対戦)で、彼は初めて海外のナショナルチームと対戦した。


「海外と日本の違いは強度だとは思っていましたが、実際に戦ってみてやはり自分のフィジカルの弱さを痛感しました」


 技術面では通用する手応えはあったが、フィジカル負けしてチャンスやタイミングを逸するシーンも体感した。海外志向が強いこともあり、「このままでは置いていかれる」という危機感を強烈に抱くようになった。


 インターナショナルドリームカップも名和田にとってはかなり重要な大会と位置付けて臨んでいただけに、韓国戦での出来は到底納得のいくものではなかった。

 「この大会は良い経験をするというよりも、自分の力を試すということと、たくさんのシュートとドリブルにチャレンジしようとしている大会。韓国戦は何もしていないので、次のウルグアイ戦ではどんどんトライしていきたいです」


 2日後のウルグアイ戦で名和田は見事に有言実行してみせた。トップ下で先発すると、7分、左サイドでボールを受けると鮮やかな右アウトサイドのカットインでDFを剥がし、ペナルティエリアの外から迷わず右足を一閃。強烈なグラウンダーの弾丸ミドルをゴール左隅に突き刺した。


 才能の片鱗を見せつけると、34分には右サイドのタッチラインギリギリを突破すると、中央のFW道脇豊に正確なクロスを供給。道脇の高い打点のヘッドが決まり、チームに追加点をもたらした。


 名和田の勢いはこれだけにとどまらない。39分、右からのクサビのパスに正確なファーストタッチで前に持ち出して加速すると、再びペナルティエリアの外から右足を一閃。GKの前で強烈にバウンドしたボールはGKのファンブルを誘ってゴールに吸い込まれた。


 87分に交代するまで2ゴール・1アシストの大活躍で4−0の完勝に貢献した。


 最終戦のメキシコ戦では後半から出場。54分の先制点に絡むなど、2−0の勝利に貢献し、3戦を通じて「エースここにあり」を結果とプレーで見せつけた。

 「これが国際試合だと思うので、緊迫したなかで途中出場しても結果が残せる選手にならないといけないなと思っています」


 チームに戻れば、冒頭で触れた福田と大迫という世代を代表するタレントたちとの切磋琢磨の時間が待っている。二人とも年代別日本代表の常連で、代表活動から帰ってくるたびにたくましくなっている姿を目の当たりにしている。


「師王さんだったら得点能力やゴール前の嗅覚が凄いですし、常にゴールを狙っているので、そういうところを学んでいきたいです。塁さんだったらパスとか足もとの技術、人間性の面でも凄いので、学んで自分のものにしたいなと思います」


 二人から学ぶ謙虚な姿勢を持ちながらも、心の内は野心に満ち溢れている。


「尊敬する先輩であることは間違いないですが、僕はあの二人には絶対に負けたくない。二人の良いところを自分が持っていけば、自分のほうが上に行けると思うので、しっかりと日々のトレーニングから吸収して磨いていきたい」


 神村学園の“スーパーノヴァ”名和田我空。野心と覚悟を持ってどこまで成長していくのか。これからが非常に楽しみな選手だ。


取材・文●安藤隆人(サッカージャーナリスト)



 

記事提供:サッカーダイジェストWEB

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