阿部、興梠、そして…。失意の駒井がオフを活用して、浦和のゴールパターンを徹底研究

阿部、興梠、そして…。失意の駒井がオフを活用して、浦和のゴールパターンを徹底研究

2016.6.2 ・ 日本代表

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 浦和レッズは久々となる2日間のオフを挟み、6月2日にさいたま市の大原サッカー場で全体練習を再開した。西川周作、遠藤航、槙野智章、柏木陽介と4人の日本代表がキリンカップに参戦するため不在。この日はフィジカルとランニングをこなす軽めのメニューをこなして、オフ明けの身体に刺激を与えた。

 

「ちょうど嫁が誕生日だったんです。バックをプレゼントしました」

 

 駒井善成はオフの間、妻の誕生日を祝うなど家族サービスに努めた。また、「楽しみながら、いろいろ見ていた」というのが浦和の過去のゴールシーンの動画だ。どのような流れからゴールが生まれてきたのか、次々に気の赴くままにチェックをしていった。

 

「阿部さん、興梠さん、それに原口さん……。とても参考になりましたね。『こういったプレーをしているんだ』と発見にもなって。楽しかったし、俺も頑張らないとなと思えて、とても有意義でした」

 

 ACLのアウェーのFCソウル戦では、途中出場から李の起死回生となるゴールをアシストした。しかし延長戦を経て突入したPK戦、チーム8人目のキッカーを務めて失敗。チームはトータルスコア3-3、PK戦6-7とあと1本及ばず、ベスト16で涙を飲んだ。

 

 帰国後の5月29日のJ1・14節の鳥栖戦でも、駒井は58分から途中出場。しかしゴールには絡めず、試合はスコアレスドローに終わった。

 

「点を取りたい気持ちは持っています。前へ『行きたい』と思う。もちろんその姿勢は大事だけれど、あまり自分はそういった想いを前面に出しすぎないほうがいいのかもしれない。まずチームに徹しながら、そのなかでどのように自分のプレーを落とし込んでいくか、それを考えながら取り組むほうが性に合っているのかもしれないと感じました」

 

 FCソウル戦でのPK失敗による“失意”がクローズアップされてきた。やはり本人はその責任を今なお痛感しているという。一方で、この2日間のオフ、少し客観的に自分自身の状況を捉えられる機会にもなったそうだ。

 

 駒井は言う。

 「少しずつ出場時間が伸びていて、ソウル戦のホームとアウェーの2試合ではそれなりに長くチャンスを与えてもらえました。そのなかで、延長戦後半の大事な場面でひとつアシストを記録できた。まだまだ物足りないところがあるけど、ドリブルもできて、オフ・ザ・ボールの動きも出せるようになってきている。そういった点をこの2日間のオフでは、整理できました」

 

 数字では表われないオフ・ザ・ボールの動きの質や貢献度……、おそらく誰よりも気付いているのが、ペトロヴィッチ監督だ。はっきりとは評価されにくい、目には見えにくいところでのプレー精度が上がっている。だからこそ、駒井の出場時間は伸びているのだ。

 

 それでも先発の選手がいてこそ、駒井のような途中出場の選手が生きているという現状も認識している。

 

「交代するまでの選手が頑張っているから、自分が生きている。でも、鳥栖戦では(展開を)変えられなかったし、もっと変えていかなければいけない。そういった点に、まだ自分の甘さがあります」

 

 アウェーのFCソウル戦は120分間では2-3の敗戦、鳥栖戦では0-0のドロー。この2試合、チームとして結果を残せていないところに歯痒さを感じている。

 

「なにかチームのために残さないといけない。(ファーストステージ優勝の)タイトルをまず獲りたいし、順位的にも良い位置につけている。ちょうど月も替わり、大事な6月5連戦が控えている。そこに向けて、もう一度改めて引き締めていきたいです」

 

 そう駒井が6月の反攻を誓った――。彼は「切り替えた」という多義を伴うある意味便利な言葉を、一度も使わなかった。

 

 

取材・文:塚越 始(サッカーダイジェスト編集部)

 

記事提供:サッカーダイジェストWEB

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