U-20から何人がA代表に羽ばたく? 過去の実績から推し量る「昇格率」

U-20から何人がA代表に羽ばたく? 過去の実績から推し量る「昇格率」

2017.6.1 ・ 日本代表

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 ラウンド・オブ16でベネズエラを相手に惜しくも敗れ去り、U-20日本代表のワールドカップは幕を閉じた。彼らはこれからJリーグの舞台、あるいは活躍の場を海外に移しながら研鑽を積み、3年後の東京五輪、そして5年後のカタール・ワールドカップでの飛躍を誓う。


 

 選手の大半は、U-15から始まる年代別の代表チームに随時選ばれてきた、日本サッカー界のスーパーエリートたちだ。だが、そんな逸材たちがみな、A代表の栄誉を授かるわけではない。そこはやはり敷居が格段に高くなる、狭き門なのだ。

 

 はたして遠くない未来、今回のチームから何人の若武者がA代表に引き上げられるだろうか。久保建英や堂安律、小川航基らを筆頭に大きな期待がかかる。誰が招集されるのかは当然、憶測の域を出ないが、過去の実例から「昇格率」を割り出すことはできる。

 

 日本がU-20ワールドカップ本大会に出場したのは、今大会が9回目だ。初めて参加した1979年の日本大会はまだ日本サッカーがプロ化されていなかったため、今回の集計対象から外した。ちなみにその日本大会では、風間八宏や水沼貴史、柱谷幸一など、登録メンバー18名中、じつに15名がのちにA代表入り。これは突出した数字で、日本サッカーの黎明期において、現在に至る礎を築いた名手たちが居並ぶ。

 

 それでは、Jリーグ発足以降での初参戦となった1995年大会から、前回出場の2007年大会までを駆け足で見ていこう。登録メンバーの中で、どの選手がA代表へと羽ばたいていったのか。「★」で示したのは、日本代表で10キャップ以上を刻むことになる定着組だ。


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【1995年・カタール大会】

最終成績:ベスト8(1勝1分け2敗/6得点・6失点)

A代表経験者(18人中6人):中田英寿★、森岡隆三★、松田直樹★、奥大介★、山田暢久★、下田崇

 16年ぶりの本大会出場で、アジア予選を初めて突破した開拓者たちだ。中田と奥を擁した攻撃陣が魅力で、いきなり8強に食い込んでみせた。中田と松田は飛び級で、翌年のアトランタ五輪でも活躍。

 

【1997年・マレーシア大会】

最終成績:ベスト8(2勝1分け2敗/12得点・9失点)

A代表経験者(18人中10人):中村俊輔★、宮本恒靖★、戸田和幸★、明神智和★、柳沢敦★、廣山望、山下芳輝、山口智、永井雄一郎、南雄太

 山本昌邦監督に率いられ、2大会連続で堂々のベスト8進出。1試合平均2.4得点は歴代最多だ。宮本、明神、柳沢らは、のちにフィリップ・トルシエ監督の下でシドニー五輪、日韓ワールドカップを戦う主要メンバーに。

 

 【1999年・ナイジェリア大会】

最終成績:準優勝(4勝1分け2敗/11得点・9失点)

A代表経験者(18人中10人):小野伸二★、稲本潤一★、遠藤保仁★、小笠原満男★、高原直泰★、中田浩二★、加地亮★、本山雅志★、酒井友之、播戸竜二(永井と南は前回大会出場のためカウントせず)

 言わずと知れた黄金世代で、世界2位の快挙を達成。この巨大な成功体験をキャリアのベースとしながら、その後10年間に渡って日本サッカーを牽引し続けた。小野や稲本、遠藤と「★」の付くA代表の常連組は8人にのぼる。

 

【2001年・アルゼンチン大会】

最終成績:グループリーグ敗退(1勝0分け2敗/4得点・4失点)

A代表経験者(18人中6人):佐藤寿人★、駒野友一★、山瀬功治★、前田遼一★、青木剛、石川直宏

 黄金世代の後を受けて「谷間の世代」と呼ばれ、本大会はGL敗退の憂き目に。とはいえ佐藤や前田、駒野らは現在でもイブシ銀の輝きを放っており、若き日に培われた反骨精神が尋常ではない。結果的に6選手をA代表に送り込んだ。

 

【2003年・UAE大会】

最終成績:ベスト8(3勝0分け2敗/6得点・10失点)

A代表経験者(18人中11人):川島永嗣★、今野泰幸★、栗原勇蔵★、山岸智★、徳永悠平、菊地直哉、永田充、小林大悟、坂田大輔、近藤直也、平山相太

 ラウンド・オブ16で実現した日韓戦をモノにするなど劇的な展開の連続で、記憶に残るチームとなった。川島や今野、栗原など職人肌のタレントが多く、のちにイビチャ・オシム監督が重宝したユーティリティーが少なくない。

 

【2005年・オランダ大会】

最終成績:ベスト16(0勝2分け2敗/3得点・5失点)

A代表経験者(21人中8人):本田圭佑★、西川周作★、伊野波雅彦★、森本貴幸★、家長昭博、水本裕貴、水野晃樹、山本海人(平山は前回大会出場のためカウントせず)

 決勝トーナメント進出はかろうじて果たしたものの、結果的に1勝も挙げられずノーインパクトに終わった(本田は初戦のオランダ戦で61分出場したのみ)。平山や家長など将来を嘱望された有望株が揃っていたが……。

 【2007年・カナダ大会】

最終成績:ベスト16(2勝2分け0敗/6得点・3失点)

A代表昇格者(21人中11人):香川真司★、内田篤人★、森重真人★、槙野智章★、柏木陽介★、ハーフナー・マイク★、安田理大、林彰洋、梅崎司、森島康仁、太田宏介

 ゴール後の凝ったパフォーマンスなど陽気に世界を駆け抜けた、いわゆる「調子乗り世代」。メンタル面の強さが特徴的で、日本代表に招集された選手だけでなく多くの選手が所属クラブで主軸を担い、Jリーグを代表する存在へと成長を遂げた。


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 それでは、簡単に集計してみよう。

 

 U-20ワールドカップ本大会に出場した過去7大会で、エントリーした登録メンバーの総数は132名となった。ここからのちにA代表に招集されたのは62名で、昇格率は46.9%だ。およそ半数であると考えれば、ことのほか高い数値と言えるだろう。しかしながらこれを「★」のついた選手に限定すると、わずか36人。言うなれば“定着率”で、割合は27.2%とかなり低くなる。

 

 大エースとして本大会に臨んだものの、その後はめっきり日の丸と縁遠くなった選手がいる一方で、黄金世代の播戸のようにコツコツと努力を続け、ワールドユースから7年後にAマッチデビューを果たした者もいる。

 

 2017年5月、韓国の地で世界を体感し、貴重な経験を積んだ逸材たちはすでに帰国し、それぞれのフィールドへ散らばった。3年後の東京五輪を見据えながら、これからどんなキャリアを重ねていくのか。一人ひとりのドラマに注目したい。

記事提供:サッカーダイジェストWEB

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