日本代表落選に、岡崎慎司は何を思うか?【現地レポート】

日本代表落選に、岡崎慎司は何を思うか?【現地レポート】

2017.11.17 ・ 日本代表

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11月に行われた日本代表の強化試合が終わった。試合内容・結果もさることながら、注目を集めたのは本田圭佑と香川真司、岡崎慎司の代表落選だった。なかでも、イングランドで現地取材を行っている筆者には、岡崎落選の一報は驚きだった。


岡崎はプレミアリーグ11節終了時点で4ゴールを挙げ、すでに昨シーズンの得点数「3」を上回る結果を残している。しかも、レスターで「監督交代」という不測の事態に見舞われながら、11試合中7試合に先発。試合勘に支障はなく、身体のキレ、コンディションとも良好だったからだ。


■代表落選の一報に、岡崎の反応は?


しかし、岡崎本人は落選を冷静に受け止めていた。11月4日に行われたストーク戦後、つまり代表戦の試合前に次のように心境を語っていた。


「(代表に)呼ばれたら、日本のために頑張りたい。でも、呼ばれなければ、レスターでの戦いがある。今ここでぶつかっている課題にしっかり取り組んでいく。そして、プレミアリーグで結果を残す。だから、『(代表に)呼ばれた、呼ばれなかった』では、あまり考えていません」


招集されたなら、日本のためにベストを尽くす。だが、呼ばれないのなら、プレミアで切磋琢磨していく。このような趣旨のフレーズが、7分間にわたる質疑応答の中で5回も繰り返されたのを見ても、代表招集に一喜一憂することなく、目の前の試合に集中していくというのが彼の最も言いたいことだった。


岡崎は、日本代表における自身の立ち位置についても説明する。


「(選ばれなかった)僕らが油断していたということではなく、今まで通り自分たちはやってきた。単純に、(2-0で勝利したW杯最終予選の)オーストラリア戦の良かった基準で、監督はチームを編成していると思う。自分や(香川)真司、(本田)圭佑もそうですけど、僕らは今まで呼ばれてきたから、当然、違和感はあるかもしれないです。でも、すでに1〜2年をかけて監督は代表を変えようとしてきたと思う。僕に関して言えば、W杯予選で使われなかったのを見ても、そういう立ち位置だと思っていた。ただ、W杯予選中に変えるというのは、監督もできなかったと思う。そういう意味では、(今回の落選は)妥当じゃないかと。もちろん、みんなにチャンスがあるべきだと思いますし」


ヴァイッド・ハリルホジッチ監督が採用する4-3-3、もしくは中盤にアンカーを置く4-1-4-1のセンターフォワードに求められる役割は、最前線で身体を張ってポストプレーをこなすこと。しかし、DFラインの背後に抜けたり、クロスボールにピンポイントで合わせるプレーを得意とする岡崎には、「スタイルが合わない」との意見は少なくない。実際、レスターでの岡崎はジェイミー・バーディーの背後、つまり1.5列目からゴールを目指すセカンドストライカーのポジションを主戦場としてきた。日本代表のように1トップとして最前線でタメをつくる動きは、レスターでのタスクにはない。


岡崎の言葉は、ハリルホジッチ監督が目指すサッカースタイルにも及んだ。


「4-3-3でいくとか、監督は明確に『(ボールを)獲って速いサッカー』と決めているじゃないですか。選手を見ても、守備的な選手がたくさんいて、タイプの似ている選手もいる。監督のやりたいサッカーが、ハッキリとわかりますよね。『こういうスタイルだから、こういう選手が必要』という風に考えていると思う。そして、(自分が)レスターで今やっているようなポジションは、(今の代表には)正直ない」


岡崎は続ける。


「『呼ばれなかったから厳しいな』とは感じてはいません。だから、(落選の)理由も、(監督から)説明は何も必要ないと思っています。単純に、『自分は現状そう思われているだけ』という話です」


■「8点、10点と増えていったら…」


もっとも、思うところがないわけではない。「でも」と言ってから、次のように言葉をつないでいる。


「(プレミアリーグでの得点数が)4点だからそう思われているなら、8点、10点と増えていったら、自分のポジションを作ってくれるかもしれない。『(プレミアで)強い気持ちでこの1年をやろう』と決めているので。ハリルホジッチ監督が自分のスタイルを必要としてくれたら、(代表に)やっぱり行きたい。そういう風に言ってくれるのがいい」


「W杯には2回出ましたけど、やっぱり特別なんですよ。(W杯で)やれるかどうかは、『今まで代表に呼ばれていたからやれる』ということではない。直前で呼ばれても、そのとき調子が良ければ、W杯で絶対に自信を持ってプレーできると思う」


果たして日本代表に岡崎は必要なのか? ブラジル戦、ベルギー戦を終えた今、改めて考えてみたい。


岡崎の言うように、4-4-2を採用してきたレスターにおけるセカンドストライカーのようなポジションは、今の代表に存在しない。


しかし、代表の本質的な狙いは、レスターの戦い方と通じるところがある。陣形をコンパクトに保って守備ブロックを敷き、可能な限り高い位置でプレッシングを行う。そして、ボールを奪って素早くカウンターを仕掛ける。その中で、最前線と中盤をつなぐリンクプレーをこなし、攻守両面で仕事ができる岡崎は、十分に存在価値を示せるはずだ。


また、先発ではなくても、あくまでもサッカーは90分での戦いである。途中出場でもインパクトを残せる力が彼にはある。どこにゴールの匂いがするのか、あるいは勝負を分けるポイントはどこにあるか。プレミアリーグでの戦いを通じて、岡崎はその答えを掴みつつある。


もちろん、ローラン・コシールニー(フランス代表/アーセナル)やヤン・フェルトンゲン(ベルギー代表/トッテナム)、ヴァンサン・コンパニ(ベルギー代表/マンチェスター・シティ)といった強豪国の主力センターバックと、日々格闘している経験も大きな武器になる。


次の代表戦は来年の3月。それまで岡崎はプレミアリーグでの戦いに集中していくことになるが、ハリルホジッチ監督はいかなる決断を下すのだろうか。


 取材・文=田嶋コウスケ



記事提供:Goal

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