ユース年代から10年来の森保監督との深い絆。香川真司に託された新生代表でのタスク

ユース年代から10年来の森保監督との深い絆。香川真司に託された新生代表でのタスク

2019.3.19 ・ 日本代表

シェアする

「(昨年の)9月、10月と代表に呼ばれない中で9月は久しぶりにゆっくりしたけど、10、11月になってくるとちょっともどかしい気持ちを自分の中で感じた。当時ドルトムントで出られてなかったし、余計にそういう場で競争したいという強い気持ちが芽生えた」

 

 衝撃的な逆転負けを食らった2018年ロシア・ワールドカップラウンド16・ベルギー戦(ロストフ)から8か月半。香川真司(ベシクタシュ)が日本代表に戻ってきた。ロシア大会終了直後には今後の代表続行を躊躇する素振りも見せていたが、冒頭の発言通り、完全に迷いを断ち切り、2022年カタール・ワールドカップを目指す強い覚悟を持って、彼は新生ジャパンに合流したのだ。

 

 香川が再び日の丸を背負いたいと思えたのは、森保一監督が指揮を執っている点も大きいだろう。「僕はアンダー世代から一緒にやらせてもらっているし、ロシアでもポーランド戦(ボルゴグラード)が終わった時に『次に目を向けてやるぞ』と非常に厳しい顔つきで言っていた。その姿を見て、高い目標意識を感じたんで、楽しみな代表になっていく思います」と昨夏にも前向きに語っていた。

 

 森保監督との師弟関係の始まりは、香川がU-19日本代表の一員だった2006年に遡る。槙野智章(浦和)や内田篤人(鹿島)らを擁した「調子乗り世代」の中で、1世代下から抜擢された彼はスーパーサブ的な位置付けだった。となれば、ベンチに座る時間も長いし、サブ組の練習時間も長い。そこでコーチだった森保監督と意思疎通を図り、絆を深めていったことは容易に想像がつく。同い年の乾貴士(アラベス)も当落線上だったから同じような時間を過ごしたはず。だからこそ、乾は1月のアジアカップ(UAE)で「なぜ交代枠を残したのか」と指揮官に真っ向から疑問をぶつけることができた。10年来の信頼関係は香川らの大きな糧になっているだろう。

 

「香川には背中でチームを引っ張っていってもらい、若い選手にいろんなことを伝えてもらいたい」と森保監督は期待を口にしたが、それを香川自身も実践すべく、18日の代表合宿初日から積極的なアプローチを見せた。ランニングで東口順昭(G大阪)らロシア組と笑顔で先頭を走り、ボール回しの練習でも接点のなかった室屋成(FC東京)ら国内組の若手に指示を送り、場を盛り上げていた。そこまでの献身的姿勢を前面に押し出す香川というのは、足掛け12年間の代表活動の中で初めてかもしれない。今回のメンバー23人中、上から4番目という立場をしっかりとわきまえながら、彼はピッチ内外で森保ジャパンをリードしていくに違いない。

  そのうえで、攻撃面で創造性やアイデアを加えてくれれば、チームにとって非常に心強い材料だ。2019年に入ってまだ90分フル出場していないだけに体力面の懸念はあるが、アジアカップで要所要所で手詰まり感を漂わせた攻めにポジティブな変化をもたらせるとしたら、この男しかいない。森保監督の絶対的な信頼に応えるべく、香川真司には久しぶりの代表のピッチで大いに躍動してほしい。

 

取材・文●元川悦子(フリーライター)



記事提供:サッカーダイジェストWEB

シェアする

最新記事