日本、中国相手に主導権を握りながら勝ちきれず。今大会を未勝利で終える

日本、中国相手に主導権を握りながら勝ちきれず。今大会を未勝利で終える

2015.8.10 ・ 日本代表

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9日、東アジアカップ最終戦・中国戦が行われ、1対1のドローに終わった。これにより、韓国が1位(勝点5)、2位が中国(同4)、3位が北朝鮮(同4)となり、日本は2分1敗で最下位に沈んだ。


北朝鮮に1対2で敗れ、韓国には1対1の引き分け。大会初勝利を目指して臨んだ一戦だったが、開始10分に失点を喫してしまう。右サイドのスローインからペナルティエリア内、中央で起点を作られ、ウー・シーが落としたボールをウー・レイがペナルティエリアの外からダイレクトシュート。シュートをブロックしようとした丹羽大輝の手に当たり、ゴールイン。中国が先制する。


早々にビハインドを背負った日本だが、宇佐美貴史、米倉恒貴の『ガンバホットライン』で、攻撃のリズムを作り出す。宇佐美が左サイドから中央へドリブルでカットインし、右足でシュートを打つという得意な形を立て続けに作り、中国ゴールに迫る。


そして41分、日本が左サイドでチャンスを作り、同点ゴールをゲットする。最終ラインの槙野智章が、左前を走る米倉へスルーパスを送る。スピードに乗ってボールを受けた米倉は、ダイレクトでグラウンダーのクロスをゴール前に送り込む。そこに走りこんできたのが武藤雄樹。右足で合わせて、強烈なシュートをゴールに突き刺した。


この場面、米倉がダイレクトでクロスを入れたのが、ひとつのポイントだった。足元でコントロールをすると時間がかかり、中国の選手に戻る時間を与えてしまう。ダイレクトでパスを出したからこそ、相手は追いつくことができず、武藤の走りこむタイミングにピタリと合った。米倉の隠れたファインプレーと言えるだろう。


後半は一方的な日本ペース


後半に入ると、日本が持ち味のパスワークを活かし、試合の主導権を握る。途中出場の興梠慎三のポストプレー、山口螢の驚異的な運動量、最終ラインの森重真人と槙野智章、丹羽大輝と米倉恒貴の献身的な守備で、攻守に中国を圧倒。中国のカウンターも、徐々に鋭さが衰え始める。


日本は勝ち越しゴールをあげるため、74分には武藤に替えて柴崎岳、84分には永井謙佑に替えて浅野拓磨を入れるが、ラストパスとシュートの精度を欠き、追加点はならず。日本は3戦を通じて、もっとも良い内容を見せたが、大会初勝利をあげることはできなかった。



試合後、ハリルホジッチ監督は「かなり良い試合だった。勝てるチャンスはあった。徐々に向上し、フィジカル的にもフレッシュな状態だった」と試合内容に及第点を与えた。選手個々に目を向けると、山口の終盤まで落ちない運動量、中盤での潰しはチームのストロングポイントになっていたし、北朝鮮戦に続くゴールを決めた武藤も、次にチャンスを与えてしかるべきパフォーマンスだった。


日本代表の攻撃的MFには香川真司が君臨するが、ゴールへの嗅覚、シュート精度の高さという意味では、香川に勝るとも劣らない。攻撃の新たなオプションという意味でも、武藤のクオリティを確認することができたのは、東アジアカップ最大の収穫と言えるだろう。


米倉、丹羽、興梠も存在感を見せつける


ほかにも、左右のサイドバックで出場した、丹羽大輝と米倉恒貴も及第点のプレーだった。とくに米倉は貴重な先制点を導く攻撃参加だけでなく、守備でも豊富な運動量をベースに、安定したプレーを見せていた。ワントップの興梠もボールが収まり、パスで味方の攻め上がりをうながすプレーで前線の起点になった。独特のリズムは日本人離れしており、オプションとして貴重な存在であることを、改めて示したと言っていいだろう。


東アジアカップは3戦を終えて、2分1敗とチームとしての結果は出すことができなかった。しかし、選手個々に目を向けると、国際舞台で自分のプレーを出せる選手、出せない選手をテストする場として、非常に有益なものだった。


日本代表に歩みを止める時間はない。8月12日には、明治安田生命J1リーグ2ndステージが再開する。今大会に参加した選手たちは、すぐに戦いの舞台に戻らなければならない。この悔しさを糧とし、さらなる成長を続ける選手だけが、SAMURAI BLUEのユニフォームを着続けることができるのだ。


写真提供:getty images

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