シュート30本で2得点…世界8強の壁を超えるには中島ら若きアタッカー陣の奮起が不可欠だ!

シュート30本で2得点…世界8強の壁を超えるには中島ら若きアタッカー陣の奮起が不可欠だ!

2019.9.11 ・ 日本代表

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 中島翔哉(ポルト)の開始16分の右足ループ先制弾と10分後に南野拓実(ザルツブルク)が決めたヘディングシュート。森保一監督が期待する若手アタッカーの2得点によって、日本代表は10日のミャンマー戦(ヤンゴン)に勝利し、鬼門のワールドカップ予選初戦を白星発進することができた。


「2列目トリオ」の一角を占める堂安律(PSV)も1点目につながるインターセプトと2点目のアシストを記録したうえ、後半から出場した伊東純也(ヘンク)と久保建英(マジョルカ)もそれぞれ持ち味を発揮するなど、予選未経験組の奮闘が目についた。そこはカタールへのチーム強化を考えても前向きに捉えていいだろう。


 しかしながら、シュート30本を放ちながら再三のチャンスを逃し続け、大量点を取れなかったのは、見逃せない課題と言わざるを得ない。


 キャプテン・吉田麻也(サウサンプトン)は「後半は攻撃が単調になった。もうちょっとアイデアを持ってやらないと。一人ひとりのボール離れももっと速くしないといけなかった」とズバリ問題点を指摘し、4度目の予選に挑む長友佑都(ガラタサライ)も「世界最高峰の選手だったら、今日みたいな試合では5点以上取っている。僕が何度も『ビッグクラブで厳しい環境でやってほしい』と言うのは、そういうところで差が出ることを分かっているから」と苦言を呈した。彼らがそんな発言をするのも、世界8強の壁の高さを痛感しているからに違いない。

 攻撃の停滞感を払拭し、ワールドカップで勝てる集団へ飛躍を遂げるためにも、アタッカー陣の個のレベルアップは必要不可欠だ。今季すでにドイツ・ブンデスリーガで3戦3得点を挙げている大迫勇也(ブレーメン)、公式戦6点をマークする南野のさらなる得点量産はもちろんのこと、新天地に赴いたばかりの中島、堂安、久保がクラブで定位置を獲得し、結果を残すことが極めて重要になる。


「フィニッシュのところはPSVを含めて研ぎ澄ませないといけない部分」と堂安も強調していたが、強豪クラブでの生存競争は想像を絶するほど熾烈だ。 ミャンマー戦で貴重な先制点をマークした中島も今季ポルトでは厳しいスタートを強いられている。この苦境を打破しなければ、代表レギュラー死守も危うくなりかねない。実際、代表2列目には今回出番のなかった2018年ロシア・ワールドカップ組の原口元気(ハノーファー)もいるし、招集見送りとなった30代の香川真司(サラゴサ)と乾貴士(エイバル)の両ベテランも控えている。それを忘れてはいけない。


「現時点ではロシアのチームの方が強いというのは断言できる」と大迫も話していたが、それだけ今の若きアタッカー陣は未成熟ということになる。3年後を視野に入れ、彼らの伸びしろに期待することは重要だし、森保監督もそのためにあえて起用を続けているのも分かる。けれども、この先の2次予選、最終予選で同じような決定力不足を露呈していたら、日本のカタール行きも黄信号が灯りかねない。本大会に辿り着けたとしても8強超えは困難だ。日本攻撃陣の活性化は、若手のさらなる成長度にかかっているといっても過言ではない。

「いろんなところで競争ができてうれしい」とマジョルカに戻る久保は不敵な笑みを浮かべた。18歳の最年少アタッカーが堂々たる物言いをするのは自信がある証拠。


 10月のモンゴル・タジキスタン2連戦までの1か月間で彼らはどの程度、個の経験値を高められるのか。「肝心な時にゴールを決め切れる存在」が続々と出てくるように、久保らにはフィニッシュの精度に日々こだわり続けてもらいたい。


取材・文●元川悦子(フリーライター)



記事提供:サッカーダイジェストWEB

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