【モンゴル戦|戦評】実力差を考えれば素直に喜べない大勝も…永井、伊東の活かし方に見えた収穫

【モンゴル戦|戦評】実力差を考えれば素直に喜べない大勝も…永井、伊東の活かし方に見えた収穫

2019.10.11 ・ 日本代表

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[カタール・ワールドカップ・アジア2次予選]日本 6-0 モンゴル/10月10日/埼玉スタジアム2002


 FIFAランキング31位の日本に対して、モンゴルは183位。この順位がすべてではないが、やはり両国の間には大きな差があった。シュート数は日本の32本に対して、モンゴルは0本。日本の完勝と言って良い内容で、「決め切る所を決めていれば8点は取れたかな」という吉田麻也の言葉にも頷ける。


 だからこそ、この相手に対しであれば、もっと人材を試しても良かったのではないか、というのが率直な感想だ。結果論にはなるが、王道メンバーで組んだ最終ラインでは、足首を痛めた酒井宏樹が後半途中で交代となり、試合終了間際に左太ももを痛めた冨安健洋は最後までピッチに立たずに、病院へ検査に向かった。中4日で迎えるアウェーのタジキスタン戦へ少なからず不安要素を抱えることになったのは事実である。


 なによりも結果が求められるワールドカップ予選だけに、「石橋を叩いて渡る」慎重さも大事だろう。それでも次戦のタジキスタン戦とセットで考えれば、最終ラインにポルティモネンセで好プレーを見せる安西幸輝や、6月のパラグアイ戦で問題なくプレーした植田直通を先発起用しても良かったのではないかとの想いは残る。


  ただ、一方で、前線ではレギュラー奪取を狙うふたりが存在感を見せた。太ももの負傷でエースの大迫勇也を欠くなか、森保一監督は永井謙佑をCFに、従来は堂安律が務める右サイドハーフに伊東純也を抜擢。スピード自慢のふたりは特長を活かしつつ、永井は1ゴール、伊東は3アシストと結果を残してみせたのだ。


 前線で南野拓実、中島翔哉とふたりを組み合わせた形は、新たな可能性を提示したように映るが、司令塔の柴崎岳も肯定する。


「2人ともチームに溶け込むというか、マッチした試合ができたと思います。彼らのスプリントだったり、スピード感のあるプレーを活かせたと感じます。永井選手は大迫選手より幅広く動けて、流れて起点を作れる。また、(伊東)純也の1対1の質的な優位性を活かすには、彼にどんどん預けて仕掛けてもらったほうが良い。そういう意味では、ひとつ計算できる戦い方はできたと思います」


 さらに「タイミングがあったら(裏へのボールを)出そうと思っていましたし、僕だけでなく、みんなが選手の特長(永井と伊東のスピード)をしっかり活かそうという意識がありました」と、共通認識を持てていたと説明する。 また柴崎とボランチでコンビを組んだ遠藤航は、両サイドで狙い通りの崩し方ができたと語る。


「右は(伊東)純也は中で受けるより、外で仕掛けてクロスを上げたほうが特長が活きるので、自分も間の高い位置を取って純也や(右SBの酒井)宏樹くんにクロスを上げてもらうポジショニングを取り、上手くできたと思います。左は(柴崎)岳が落ち気味で、(左サイドハーフの中島)翔也が中に入って、(左SBの長友)佑都くんが上がる形はできていたので、バランスは良かったと感じます」


 永井、伊東を組み込んだなかで、サイド攻撃が機能した点も、モンゴル戦の収穫と言えるだろう。


  ただし、だ。冒頭で記した通り、格下のモンゴルが相手だったという注釈は付けなくてはいけない。対戦国のレベルが上がった場合、もしくは慣れないアウェーの環境で再び同じようなパフォーマンスを示せるのか。


「(会場の)人工芝に適応しなくてはいけいので、難しい試合になるはずです」と柴崎が警戒した次のアウェーのタジキスタン戦は、まずひとつの試金石になるだろう。


取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)



記事提供:サッカーダイジェストWEB

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