【三浦泰年の情熱地泰】世界で最もスカウトが集まる大会に監督として参加!ブラジルでは日本の若手への評価が急上昇中

【三浦泰年の情熱地泰】世界で最もスカウトが集まる大会に監督として参加!ブラジルでは日本の若手への評価が急上昇中

2019.11.9 ・ 日本代表

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 一瞬の日本一時帰国を終えてブラジル・サンパウロへ戻った。


 この年末を僕は日本ではなく、サンパウロで過ごすことになる。


 今回は世界で最もスカウトが集まる育成の大会。「コパ・サンパウロ」に参加するソコホースポーツクラブU20(SOCORRO SC U20)の監督を務めることになったからだ。


 ブラジルに暮らしてサッカーとともに生きるにあたり、監督を経験できるチャンスに恵まれるなど、なかなかないと思い、Jリーグの監督を休み、ブラジルでたくさんのことを感じ取りたいという思いの、ひとつの経験として思い切ってやることにした。


 11月からの3か月の異例な契約体制であり、大会終了までの短期間の僕たちにとってはプロジェクトのようなものである。


「タサ・サンパウロ 」として以前はよく知られた「コパ・サンパウロ」だが、いつしか大会名を変え、今大会が50回目という節目の年でもある。


 この大会に日伯を繋げる何かが出来ればと、年始からサンパウロサッカー協会と話をしていたが、まさか監督として関われるとは思わなかった。


 この大会は若い選手がプロで活躍するための登龍門とも言うべき大会でもあり、どのチームの選手もモチベーションは高い。


 過去にはカズも出場し、僕も84、85年とこの大会を目指したひとりである。僕は出場することなく日本へ帰国したが、カズは活躍してプロの世界へ。ブラジル人選手でもロナウドやロナウジーニョ、カカ、カフー、そしてドゥンガも出場していると聞く。


 僕が指揮を取るソコホーSCはセルジッピ州アラカジュにある田舎のクラブだ。名門コリンチャンス、フラメンゴやパルメイラスとは違う。小さな田舎のクラブではあるが選手のやる気は半端ではない。


 6日からスタートしたトレーニングで片言のポルトガル語で指導。昨日はBチームのトレーニングマッチに帯同。どのような影響を選手たちに、またはチームに与えていけるかは分からない部分がほとんどではあるが、日本での経験を糧に自己流のらしい指導でチームに関わっていければと考えている。


 未来の日本サッカーに繋がる仕事ができればと思う。 久しぶりのピッチでの指導の後に、サンパウロにいることの意味を忘れてはいけない。


 ブラジレイロ・セリエAのコリンチャンス対フォルトレイザの試合をコリンチャンス・アリーナ、通称“イタケレ”へ生観戦をして来た。


 一時帰国中も気になっていたのはブラジル国内リーグの行方だった。Jリーグを2試合ほど観戦させてもらったが、スタジアムに流れる熱の違いは正直に実感した。


 サンパウロで観戦するブラジレイロ・セリエAの雰囲気は格別だ。20年前、この環境から日本リーグに移籍したカズが若くして感じ取ったステイタスの違い。


 30年近く経ち、名古屋と仙台の試合を観戦しながら、ブラジレイロのゲームを懐かしく想い出す自分(まだ数日しか経っていない…)。何かが違う。サッカー文化、サッカーの持つステイタス感。心がワクワクするサッカーへの期待と怖さと緊張感……。


 これから何が起こるか分からない高揚感、すれ違う観戦者たちとの空気感は、ひとつのイベントではない。闘いの場だ。


 僕は、試合を3つの立場(選手、監督、観客)で味わうことにしている。観客の立場でも、見に来るという闘いがそこにある。


 試合を決めるパフォーマンスが増えれば、そこから「ショー」を見ている最高のイベントに変わる。そうした試合を観ると、ブラジルの凄さをまた実感するのだ。


 一方で、ここ最近は日本の若い選手たちへの評価もうなぎ上りだ。


 U-17ワールドカップもブラジル国民から、過大評価と思われるほどのポジティブな反応があることを実感する。また、トレーニングマッチではあったが東京五輪世代のU-22日本代表は、3-2でブラジルのU-22代表チームに勝利を収めた。


 若い選手が30時間以上の移動を強いられるブラジルに来て、強豪国やあるいはブラジルと互角以上の闘いをする。その姿は感動だ。ラグビー・ワールドカップで皆が感じた、泣けてくるほどの日本代表へのリスペクト。そうした最大級の賛辞に値するほどだ。


 若年層の大会ゆえに露出はそれほどないし、大会の大きさから、気付きにくいかもしれないが、本当だ。


 その反面、国内のJリーグ観戦で感じてしまったブラジル国内リーグとの差もまた真実だ。


 改めて、僕は年末年始に日本を離れ、新年をサンパウロで迎え、「日本とブラジルを繋ぐ」仕事のひとつとしてソコホーSC U20の監督をやる。


 ただ監督にもこの国は何が起こるか分からない。そんな責任が懸かる本気の時間を楽しめればと思う。


 そしていつの日か、日本でJリーグを観戦しても、ブラジル国内リーグにも引けを取らないほどの興奮に包まれたスタジアムを見てみたい。


 そんな日本サッカー文化の成功を感じる日を楽しみにしたい。必ずその日が来ると信じて!


2019年11月8日

三浦泰年

記事提供:サッカーダイジェストWEB

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