生き残りへの覚悟を滲ませていた原口元気の一発回答!2年連続のキルギス戦FK弾は苦境脱出への契機となるか

生き残りへの覚悟を滲ませていた原口元気の一発回答!2年連続のキルギス戦FK弾は苦境脱出への契機となるか

2019.11.15 ・ 日本代表

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「チャンスを掴むか掴まないかは自分次第。必要とされる時は来るんで、その時に(実力を)証明するだけだと思ってます」


 14日の2022年カタールワールドカップ2次予選・キルギス戦(ビシュケク)に向け、日本代表に合流した際、原口元気(ハノーファー)は少ない言葉の中に生き残りへの覚悟をにじませていた。



 2018年ロシア・ワールドカップ16強戦士のひとりでありながら、今回の予選突入後は出番が減少。序列低下が顕著になっていた。所属のハノーファーも今季ドイツ・ブンデスリーガ2部で低迷。彼自身もボランチや右サイドバック、右MFで起用され、本職の左MFで使ってもらえない日々が続いていた。


 まさに八方塞がりと言ってもいい苦境を打開するには、数少ないチャンスを生かすしかない。堂安律(PSV)と久保建英(マジョルカ)というU-22世代のアタッカーの招集が見送られたうえ、中島翔哉(ポルト)に代わってスタメン抜擢された今回は、自身の存在感を再認識させる非常に重要な機会。「昨日久しぶりに出ると分かって、緊張じゃないけどちょっとメラメラする部分があった」と彼は高ぶりを抑えられなかったという。


 キルギスが日本の左サイドを狙い撃ちにしてきたこともあり、序盤は持ち前のタテへの推進力を発揮できず苦しんだ。それでも20分過ぎには永井謙佑(FC東京)に鋭いスルーパスを出し、34分には酒井宏樹(マルセイユ)の右クロスに飛び込んでゴールを狙うなど、持ち前の積極性が徐々に出てきた。

 南野拓実(ザルツブルク)のPK奪取によって1点リードで折り返した後半。立ち上がりの53分、FKの場面でキッカーに名乗りを挙げた原口はペナルティエリア手前中央から華麗なゴールを叩き込むことに成功する。ちょうど1年前のキルギス戦(豊田)でも直接FK弾を決めている男が同じ相手から再びFKゴールを奪ってみせたのだ。


「たまたま(2度とも)キルギスなだけで、練習はずっとしてたんで、あそこのコースに対して自信があった。去年は(GKのミスもあって)納得いくゴールじゃなかったけど、今回はある程度いいボールを蹴れたかなと思う」と前向きに言う一撃が勝利を引き寄せるダメ押し弾となった。

  試合内容的には劣悪なピッチ環境も災いしてキルギスに押し込まれ、かなりの苦戦を強いられたが、原口に今予選初得点が生まれ、2-0で勝ち切れたのは朗報だ。万が一、この試合で結果が出なければ、代表落ちの可能性もあり得ただけに、本人も心から安堵したに違いない。「ここからもう1回ポジション争いに臨んでいけるなっていう気持ちになれたし、僕にとっては大事な1点だったと思います」とポジティブな姿勢も取り戻した。この活躍を代表・クラブ両方での苦境脱出のいい契機にしたいところだ。


 原口は欧州組ながら1試合で帰らず、帰国して19日のベネズエラ戦(大阪)を戦う。そこでよりアグレッシブなパフォーマンスを披露し、ハノーファーに戻れれば、ドイツでも再び輝きを放てるかもしれない。今月3日にスロムカ監督の更迭に踏み切った同クラブは、コチャク監督の就任を発表したばかり。ザントハウゼンをブンデス2部で躍進させた実績のある新指揮官が原口をどのように位置付けるかは全くの未知数だが、今回の代表でいいパフォーマンスを見せられれば、好印象につながることは間違いないだろう。


 1年での1部復帰を果たすためにも、ハノーファーは巻き返しが急務。原口がそのけん引役になるためにも、左サイドで脅威を与えられる存在であることを強烈にアピールする必要がある。キルギス戦では何とかその布石を打てたが、継続しなければ意味がない。南米の強豪国との次戦でも目に見える結果を残すことに今は集中すべきだ。


 キルギス戦で南野が史上初のワールドカップ予選開幕4戦連続ゴールを決め、注目度を高めているが、原口は前回最終予選で4連続ゴールを達成した選手。それだけの決定力は持ち合わせているはずだ。3年前のいい感触を取り戻し、日本の重要な得点源へと返り咲くべく、ここから一気にスパートをかけてほしいものである。


取材・文●元川悦子(フリーライター)


 

記事提供:サッカーダイジェストWEB

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