2次予選初のベンチスタートに何を思う? 中島翔哉はベネズエラ戦で10番の存在価値を再び証明できるか?

2次予選初のベンチスタートに何を思う? 中島翔哉はベネズエラ戦で10番の存在価値を再び証明できるか?

2019.11.18 ・ 日本代表

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 2022年カタール・ワールドカップ2次予選4戦連発の南野拓実(ザルツブルク)ら欧州組主力がクラブに戻り、新戦力が加わった状態で挑む19日のベネズエラ戦(大阪)。その攻撃陣のキーマンになりそうなのが、日本代表に残ったエースナンバー10・中島翔哉(ポルト)だ。公開練習となった16日の大阪合宿初日も、大挙して集まった少年たちに大きな歓声を浴びていて、期待の高さが窺えた。



 森保一監督も昨年9月の新チーム発足から彼を重要視し、つねに攻撃の軸に据えてきた。ケガで離脱を強いられた1月の2019年アジアカップ(UAE)は誤算だったものの、6月のコパ・アメリカ(ブラジル)で満を持して招集。強引なドリブル突破で相手のカウンターの餌食になろうとも、中島の打開力を必要不可欠と捉え、絶対にスタメンから外さなかった。


 絶大な信頼に応えるように、本人も最終戦・エクアドル戦(ベロオリゾンテ)で一矢報いるゴールをゲット。2次予選突入後も、一番難しいと見られた9月の初戦・ミャンマー戦(ヤンゴン)で卓越した個人技から華麗なループ弾で先制点を奪っている。傑出した創造性とひらめき、相手をねじ伏せる一発は現代表でも中島しか持ち合わせていない部分。だからこそ、指揮官は起用にこだわり続けてきたのだろう。ある意味、「10番依存」と言っても過言でないくらい、攻撃陣におけるこの男の存在価値は高かったのだ。


 しかしながら、森保監督は前回のキルギス戦(ビシュケク)で2次予選初の先発落ちを言い渡した。「相手の2番(キチン)を起点に大きな展開をしてくるのがキルギスのストロングポイント。それは試合前の分析の中から分かっていたので、止めようとした」と指揮官が説明するように、左サイドの守備強化を図るために、よりハードワークのできる原口元気(ハノーファー)を選択したのだ。

 こういった扱いは所属のポルトと同じように映る。セルジオ・コンセイソン監督は中島の守備力に不安を抱いていて、スタメンから外すことが多いという。前田大然との直接対決となった10月30日のマリティモ戦を見ても、63分からピッチに立った彼のポジショニングは中途半端で、指揮官から繰り返し指示を送られていた。逆に攻めに転じた時もドリブルにこだわりすぎて、相手の鋭く激しいチェイシングに遭い、前田に奪われてカウンターを繰り出されるきっかけを作ってしまった。


 本人は「(監督の指示で)ポルトのことは話せないんで」とコメントを控えたが、現状では欧州トップレベルでフルに戦えるほどの守備の強度と球際の強さを備えているとは言い切れないところがある。森保監督がキルギス戦でスタメンから外すというのもよほどの決断に違いない。中島も自身の課題を直視するいい機会になったのではないだろうか。

  次戦のベネズエラはその問題点を改善し、持ち前の攻撃センスを出すという意味で格好の相手ではないか。コパ・アメリカでもグループリーグでブラジルに引き分け、8強入りしている相手は難敵に他ならない。そのよさを消すところからスタートすることが日本勝利の早道だ。中島自身も敵の出足をきちんと封じたうえで、攻撃センスを発揮する必要がある。同じ南米勢のエクアドル戦でゴールを奪った経験もプラスに作用するはず。脳裏に焼き付いているいい感覚を今こそ発揮すべきだろう。


 キルギス戦前には「まずは最初の試合で100%出せるように集中しています」とコメントしていたが、その試合で15分足らずのプレー時間にとどまったことで目下、余力は十分にある。そのエネルギーを前面に押し出し、代表経験の乏しい面々をリードしていくことも、今回の中島に強く求められる点だ。

 果たしてエースナンバー10に相応しい存在であることを改めて強く示せるのか。2019年代表ラストマッチは中島翔哉の一挙手一投足から目が離せない。


取材・文●元川悦子(フリーライター)

記事提供:サッカーダイジェストWEB

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