なでしこジャパン、アウェイで二度リード許すも王者アメリカに引き分ける。中島、籾木がゴール。

なでしこジャパン、アウェイで二度リード許すも王者アメリカに引き分ける。中島、籾木がゴール。

2019.2.28 ・ なでしこ

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フランスW杯まであと100日と調整も大詰めに入りつつあるなでしこジャパンが、日本時間の28日朝、アメリカ・タレンエナジースタジアムで行われる2019シービリーブスカップ初戦・アメリカ女子代表戦に挑んだ。先制される展開であったがMF中島依美、終了間際にMF籾木結花のゴールで追い付き2-2の引き分けに持ち込んだ。


2011年女子W杯で優勝、2015年大会では準優勝という結果を残している日本女子代表だが、アメリカとの対戦成績はこの試合の前まで1勝7分27敗とかなり差をつけられており、FIFAランキング8位と1位の差をどう埋めていくのかに注目が集まった。なでしこのスターティングメンバーはフォーメーションが4-4-2で GKに山根恵里奈、DFは右から清水梨紗、熊谷紗希、鮫島彩、有吉佐織、ボランチに代表デビューの松原有沙、2戦目となる杉田妃和、攻撃的MFは中島依美と長谷川唯、FWには代表デビューとなる小林里歌子、そして横山久美というラインナップ。


序盤はアメリカがセンターのモーガン、左にラピノー、右のヒースというスリートップを中心に、ピッチをワイドに使ってサイド攻撃を仕掛けてくる。特に日本の左サイドは守備に追われる時間帯となった。対する日本は人数をかけて守り、ボールを奪えば細かいパスをつないでボールを運ぼうと試みる。前半4分、日本の左サイドを崩されてMFピューにシュートを撃たれるが山根がなんとかキャッチ。7分にはパスミスからFWラピノーにボールを奪われGKと1対1を作られるも、清水がギリギリで追いついて難を逃れる。


日本もカウンターで反撃する。9分、SB清水がパス交換から抜け出してクロス、このボールはアメリカDFに跳ね返されるがCKをゲットする。このセットプレイのこぼれ球を長谷川が拾ってパスをつなぎ杉田へ。杉田はエリア内に侵入した横山に絶妙なラストパスを送る。決定的と思われたが横山のシュートは惜しくもクロスバーに弾かれてしまった。この時間帯になると日本もゲームに慣れてきたのか、パス回しが安定、特に杉田が攻守に光るプレーを見せた。


日本は高い位でプレッシャーをかけてアメリカの攻撃を封じ続けたいところだったが、24分右サイドでFWヒースにボールが渡るとスピーディーなドリブルでペナルティエリアに侵入される。ゴールライン際からマイナスのラストパス、待ち構えてきた左FWラピノーがゴールに押し込み、アメリカが先制した。この失点を機に再びアメリカがペースを握り、日本は中々ボールを運べず苦しい時間となった。同点に追いつきたい日本は31分、中島とポジションチェンジして右サイドにいた長谷川がゴール前のFW横山にクロスを入れるが、背後からのボールをシュートする難しい形となり、ミート出来ない。チャンスらしいチャンスを作れない時間帯が続く。


逆にアメリカは2点目を取るべく攻勢を強めた。日本も我慢強く跳ね返すが、セカンドボールを拾われ、防戦一方の状態となる。37分には日本のパス交換の乱れをついてボールを奪ったFWモーガンを熊谷が止めるもファウルを取られてイエローカード。ここで得たFKをラピノーが、ニアサイドに絶妙なカーブをかけたシュートを放つもボールはポストを直撃、日本は救われる形となった。前半は押し込むアメリカを日本がなんとか食い止める、という図式のまま終了した。


後半、追いかける日本のメンバー交代はなし。中盤での運動量を増やし、3トップにボールが出る前のところでアメリカの攻撃を分断しにかかる。8分にはボールを奪取した後に細かいパス交換から横山、中島とつなぎ、ペナルティエリア内まで持ち込んだ。シュートは打てなかったが、日本の持ち味が出たシーンだった。やや日本ペースになっていた後半13分、高倉監督は一気に2人を交代する。小林に替えてFW池尻茉由、有吉に替えてDF大賀理紗子をピッチに送り込む。


アメリカも日本にペースを握られないよう、左FWラピノーが下がってパスを受けてるようになり、再びペースを取り戻す。セカンドボールが取れない日本のDFラインにプレッシャーをかけ、ボールを奪ってはチャンスを作り出す。後半17分にはCKをFWモーガンに頭で合わせられてしまうが、ボールはゴールマウスを外れ失点は免れた。


耐える時間が長く、苦しむなでしこジャパンだったが、アメリカのミスから待望の同点弾が生まれる。後半21分、アメリカがボール回しをミスして日本は右サイドでスローインを獲得、つないだパスは左サイドの長谷川唯へ。長谷川はペナルティエリアに走り込んだ中島に柔らかいクロスボールを入れる。中島はこれをダイレクトでゴール前にいたFW横山に出そうとするが、このボールはアメリカのCBデビッドソンに阻まれて届かない。だが、ボールを受けようとしたSBダンから中島がボールを奪い、こぼれ球をそのまま蹴り込んで、なでしこは追いつくことに成功した。


日本が中盤でボールを回し始めたため、ラピノーが中盤に下がってアメリカは4-4-2気味になるが、これが日本にはプラスに働く。アメリカが中盤を密にしたことでなでしこは選手同士の距離感が改善され、前にボールが運べるようになる。27分には清水、中島とつないで際どいクロスがゴール前に入った。FW池尻には届かなかったものの、ゴールを予感させるプレイだった。29分には杉田からのパスを横山が絶妙なボールタッチで落とし、走り込んだ池尻がシュート。コントロール出来ず、ゴール右側にそれてしまったが日本の良い形が続く。


運動量が落ちて来ていたアメリカは右FWにプレスを投入、そのプレスが日本の左サイドに襲いかかる。なんとか跳ね返していた日本だったが、ラピノーからのパスを受けたプレスがサイドから切り込みクロスを入れると、ゴール前のモーガンがダイレクトで胸をつかってゴールに流し込み、アメリカが再び勝ち越した。日本は逆転を狙って前がかりになっていた時間だっただけに威勢を削がれる失点となった。


34分、高倉監督はFW横山にかわりMF籾木結花を投入、さらに36分には中島に替えて若いアタッカーである遠藤純を送り込んだ。アメリカも39分、エースのモーガンに替わり、ベテランのロイドを投入、試合を締めにかかる。このままスコアは動かずかと思われた終了間際44分、若きなでしこ達がアメリカの勝利を期待していたスタジアムを消沈させる。CB熊谷が左サイドに構えた杉田にパス、杉田から池尻、遠藤が絡んでFWにポジションを挙げていた長谷川にパスが通る。絶妙なタッチでDFダンをかわした長谷川はシュートを打たず、右サイドからゴール前に走り込んでいた籾木結花にドンピシャのラストパス、籾木が流し込む形で同点弾を決めた。


このまま試合は終了、日本は格上のアメリカにアウェイで引き分けることに成功した。だが高倉監督は「押し込まれる時間が長かった。競り合いの所で負けてしまったり、失点はもったいなかったと思いますし、攻撃のところでもちょっとテンポが上がらず消化不良で終わってしまった」と反省点を上げた。パススピードや連係面、強度の部分では課題が残ったことは否めない。この大会中にある程度、改善していきたいところだ。


新戦力候補として投入された若手はまずまずの働きを見せた。懸案であるボランチに起用された杉田と松原はそれぞれ持ち味を出し、攻撃面でも池尻の積極性や短時間の出場ではあるが遠藤純も得点に絡むなど、強豪アメリカ相手に臆せず戦ったことを高倉監督も評価した。まだ出場していない選手、今回は招集されていない選手も含め、競争は激化するだろう。次のブラジル戦、どんなメンバーで挑むのかも注目したい。


2019 SheBelieves Cup 第2節

なでしこジャパン(日本女子代表) vs アメリカ女子代表

3月3日(日)あさ4:00キックオフ予定

BSフジにて生中継



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