【宮本恒靖インタビュー】イニエスタやF・トーレスなど日本でビッグネームがプレーするのは、Jリーグ全体にも知見を与える

【宮本恒靖インタビュー】イニエスタやF・トーレスなど日本でビッグネームがプレーするのは、Jリーグ全体にも知見を与える

2019.1.11 ・ 海外サッカー

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 宮本恒靖にとって、この一年は変化の年となった。昨夏、J2への降格圏に沈んでいたガンバ大阪の監督にシーズン途中で就任。就任後の数試合は終盤で失点することが多く、なかなか波に乗ることができなかったが、日本代表の活動期間にまとまったトレーニングができたことで9月から11月はクラブタイの9連勝を果たすなどチームの立て直しに成功した。見事J1残留を果たし、短期間で監督として優れた手腕を発揮した。


 WOWOWで中継するリーガ・エスパニョーラの解説者として久々に出演し、自身の一年、そして日本のサッカーシーンを振り返った。


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——久々の試合解説となりました。トップチームの監督に就任し、以前と立場が変わりましたが、試合の見え方に変化はありましたか?

 

 ガンバのユースやU23で監督をしていた経験もあったので、そこまで変化を感じることはありませんでした。それでも、やはりトップチームの監督を務めることで、チーム内のマネジメントなどをはじめ、色々と見えてくることはありましたね。

 

——リーガの解説をしていたことによって、監督業に活かせたことや、自分自身にとって成長になった部分はありますか?


 現役引退後すぐに解説に関わらせていただき、たくさんの試合を観て、様々な監督のやり方を学ぶことができました。スペインに行った際には、アトレティコのトレーニングや試合、バレンシアのヌーノ・エスピリート・サント監督のトレーニングも近くで見ることができました。リーガを見てきて、たくさんのものを自分の中に吸収できたと思っています。

 

——現在、気になる監督はいますか?

 

 リーガはもちろん、プレミアリーグにもいますね。ナポリ、チェルシーを率いたマウリシオ・サッリ監督やアントニオ・コンテ監督も気になります。コンテ監督に関しては、クラブ関係者の方に話を聞くと、“あの監督は本当に要求が多い”などといった言葉も耳にします。ピッチで見せているものと、普段見せているものはやはり違いますからね。試合ももちろん大事ですが、もう少し監督としての普段の様子も知りたいなという気持ちがあります。

 

——現役引退後、コーチ経験などが短いうちに、比較的早く監督に就任して結果を残す監督が増えてきました。そういった流れについてはどのようにお考えですか?


 自分自身、選手としてプレーしていたことも、アシスタントコーチという経験があったことも、現在の監督という立場になって改めて、その経験が活かされていると実感しています。人生には様々な道があると思いますし、個人として監督になった今でもたくさんのことを学ぶ必要があります。色々なところにヒントがあるので、とにかく言えるのは“他者から学ぶ”ことは間違いなく大事だということだと思いますね。——J1残留を達成し、宮本さんにとって大きなターニングポイントとなった今シーズンですが、改めて振り返ってみてどうですか?

 

 思っていたよりも忙しいシーズンになりました。しかし、今の立場になったことで、見えてくるものや身に付いたことがあると思います。それらを次に活かしつつ、もちろん振り返ることも大事ですが、来シーズンに頭を切り替えてやっていきたいですね。

 

——監督になった時の心境、またトップリーグの監督として苦労した点などあればお聞かせ下さい。

 

 とにかくチームに良い結果をもたらすため、良い流れに持っていくために何ができるのか考えていました。心境というよりも突きつけられている課題を、いかにクリアしていくのかだけでしたね。


 苦労したわけではないですが、より色々なものを見て判断をしなければいけないと感じました。選手のモチベーションを落とさないようなアプローチや、監督ができることとコーチができることは違うため、上手くスタッフと連携をとりながら仕事を進めるようにしています。

 

——この1年で強く印象に残ったシーンがあったら教えて下さい。

 

 FC東京戦(8月10日:J1リーグ第21節)でアデミウソンのゴールが決まったときは強いインパクトがありました。爆発的な喜びでした。私が監督に就任してからの初めての勝利だったので、忘れられない一瞬です。

 

——イニエスタ、ビジャのヴィッセル神戸への移籍など、Jリーグも大きな変化がありました。彼らの存在により、今後の日本サッカーはどう変わっていくと思いますか?

 

 サガン鳥栖にフェルナンド・トーレス選手が移籍したことも含めて、日本でビッグネームの選手がプレーしているのは、クラブにもJリーグ全体にも知見を与えてくれると思います。


 例えば、中国サッカー界が予算を減らし若手を育てるという方向に展開している中で、日本のJリーグは来年からさらに外国人選手が増えると思いますし、よりいい方向に変わっていくチャンスがあると思います。

 

——2018年、ワールドカップでは日本代表が世界の強豪国に善戦しました。その戦いについて、そして世代交代が進んでいる日本代表についてどう思っていらっしゃいますか?

 

 日本代表のグループリーグでの戦い方にたくさんの議論がありましたが、結果につなげるためには現実的である必要があるので、本望ではなかったとはいえ、当然のことをしたまでだと思います。

 

 ベルギー戦に関しても、これから次第でまた違った戦い方ができると感じました。例えば、2-0でリードしている試合にも関わらず、“危ない”という認識を持つ日本サッカー界の文化のようなもの自体を変えていかなければならないと思います。本来ならば、2-0は“危ない”状況ではなく、“確実に勝てる試合”だと考えられるように、意識をもっていけるようなチームになって欲しいと思います。

 

 その後の日本代表に関しては、若い選手が出てきて、世代交代が加速していると思います。選手同士の競争もある中で、経験を伝えられるベテランもいて、次のワールドカップに向けていい流れではないかと思います。

 

——来シーズンに向けて、目標としていることや考えていることを教えてください。

 

 今シーズンの戦い方よりも良い方向へ繋げていきたいと思いますし、観に来て下さった方がまた観たいと思わせるようなサッカーを目指しています。そのためには、全てにおいてレベルアップしないといけないと感じていますし、『前へ進むときは進む』『しっかりゴールを目指す』ということをピッチ上で見せていきたいと思います。


インタビュー提供:WOWOW

記事提供:サッカーダイジェストWEB

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