初トレーニングでサラーと互角。リヴァプールで輝きだした17歳の至宝フーフェル

初トレーニングでサラーと互角。リヴァプールで輝きだした17歳の至宝フーフェル

2019.3.18 ・ 海外サッカー

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キ=ヤナ・フーフェルがユルゲン・クロップ監督に衝撃を与えるのに、そう長くはかからなかった。


事実、オランダ出身のフーフェルが早咲きの才能を開花させるのには、たった1回のトレーニング・セッションで十分だったのである。


クリスマス直前、リヴァプールのトップチームは守備陣にケガ人が続出した。ジョー・ゴメス、ジョエル・マティプ、トレント・アレクサンダー=アーノルドが揃って試合に出られず、最終ラインは人材不足に陥ったのだ。


そこで抜擢されたのがフーフェルだった。カークビーにあるレッズのアカデミーから上がってきた複数の報告で絶賛されていた若者は、5マイル(約8キロ)離れたメルウッドへやってきたのである。初めてのテストはどんなものだったか。9対9の実戦形式のメニューで、モハメド・サラーのマークを担当したのである。


その場にいた人たちの、フーフェルのパフォーマンスに関する証言がある。17歳にもなっていなかったフーフェルが、リヴァプールのスターに対して引けをとらなかったというのだ。インテリジェンスがありながら攻撃的で、自信に満ちて落ち着いていた。練習の最後には、年上の選手たちと普通に話もしていたという。


「あの子は誰だ!?」


3週間後、フーフェルは大勢の観客の前でプレーを披露することとなる。FAカップの試合がテレビ中継され、国民の前でプロデビューを飾ったのだ。16歳と354日でのデビューは、レッズ史上3番目の若さだった。話題性は十分である。



フーフェルは昨年9月にU18でデビューしたばかりだったが、それ以来、予想できない速さで頭角を現した。リヴァプールのスタッフは、またしても将来性のある至宝を手にしたと信じて疑わない。実際、『Goal』 恒例の、世界中のサッカー選手の中から最高の若手選手50人を選ぶ『NxGn』にフーフェルが選ばれたと聞いても、メルウッドの誰もまったく驚かないだろう。


リヴァプールがフーフェルを獲得するための競争は、健全なものであった。昨年6月、アヤックスとの契約が満了を迎えると、チェルシーやマンチェスター・シティ、マンチェスター・ユナイテッドも契約に乗り出してきたが、レッズのチーフ・スカウトのバリー・ハンターとアカデミーの校長アレックス・イングルソープは、多くの時間を費やして、マージーサイドこそがフーフェルのいるべき場所であると、本人と家族を説得した。


ハンターは、アムステルダムでのユースのトーナメントでこの才能を見いだしてから、1年間フーフェルの成長を見てきた。フーフェルは、ポゼッションでの冷静さと試合の流れを読む力が優れている。フルバックとセンターバックの両方をこなせることも現代には欠かせない能力だ。


そこに金銭面での駆け引きはなかった。フーフェルはアヤックスとプロ契約するには若すぎ、どこでも好きなところへ行けたのである。リヴァプールは、FIFAの規則に従って、ヨーロッパ最高の輝きを放つ才能のひとつに、10万ユーロという控えめな金額しか支払わずにすんだ。フーフェルがイングランドのクラブでプレーしていたら、レッズはその10倍の額を払わなければならなかっただろう。



リヴァプールの攻撃的な魅力が功を奏した。フーフェルは昨年の7月にマージーサイドに到着したが、バリー・ルータス監督率いるU18のチームでのデビューは、インターナショナルクリアランスが下りるのを待って、延期された。それでも、フーフェルがトレーニングで見せるパフォーマンスにスタッフは興奮した。「見るべき選手」との声はカークビーからすぐにあがることとなる。


つづいてU23でもデビューを果たし、リヴァプールがプレミアリーグ・インターナショナルカップでビジャレアルに0-7で大敗したことさえ、良い経験だった。右サイドのフーフェルは、ニール・クリッチリー監督が率いるチームの無残な夜に、唯一輝いた星であった。


U23のチームとともに帰ってきてから4日後、今度はグディソン・パークでのエヴァ―トンとのミニダービーで、右のウイングバックとしてプレーした。エヴァ―トンではジョンジョ・ケニー、タイアス・ブローニング、キーラン・ダウエルが出場していたが、ひときわ目立ったのはフーフェルだった。


経験豊富なユースの監督で、常に慎重で大げさなことを言わないクリッチリーでさえ、興奮を隠しきれなかった。


「信じられない。たった16歳で……ワォ!」


数週間後、メルウッドからお呼びがかかる。リヴァプールのアシスタントマネージャー、ペップ・リンデルスに呼ばれたフーフェルは、初めてのセッションに臨んだ。リンデルスはオランダ出身で、トップチームの練習相手に組みこむ若手選手を選ぶという、重要な役割を担っている。そんな彼もみなと同じく、フーフェルに魅せられた1人だ。


派手なところはなく、謙虚で、物静か。礼儀正しく、英語も堪能で輝かしい才能がある。1月に17歳になったフーフェルは、まもなく初めてのプロ契約を結ぶだろう。


当然のことながら、チームスタッフというものは、一人の選手に誇大広告がつきすぎないことを望むものである。トップへの道には落とし穴がつきものであり、どんなに才能に恵まれた若手のスターであっても、何の保証もない。


だが、早く契約するに越したことはない。数カ月後、数年後には、キ=ヤナ・フーフェルについて、さらに多くのニュースが聞かれることだろう。



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記事提供:Goal

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