決勝で涙も中井卓大が見せた凄まじい成長度! モドリッチ2世との評も頷けるプレーとは?

決勝で涙も中井卓大が見せた凄まじい成長度! モドリッチ2世との評も頷けるプレーとは?

2019.4.22 ・ 海外サッカー

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 4月19日から21日にかけて、「U-16キリンレモンカップ2019」が開催され、昨年に引き続いて出場したレアル・マドリーのカンテラが大きな注目を集めた。


 今大会は対象年齢がひとつ上がったことを受け、15~16歳を対象としたカデーテのAチームが来日。その中には背番号8を纏った中井卓大の姿もあった。


 2年連続参戦となった中井は、初日に東京ヴェルディと桐光学園と戦って、ともに先発出場。グループ突破を決めて消化試合となった2日目の湘南ベルマーレ戦はベンチスタートながら後半7分より途中出場でプレーした。


 迎えた最終日。マドリーがジェフユナイテッド千葉と対戦した準決勝で4-3-3のインテリオールの一角に入った中井は、開始直後から相手の4-1-4-1の布陣を見るやいなや、アンカーの脇にスペースを見つけると、10番のダニ・ロレンソと連携してそこへ入り込む工夫を見せる。さらにアンカーに入ったアンヘル・チャモンとの連携も冴えわたり、ジワジワと千葉を追い詰めていったマドリーは3-0の圧勝。危なげなく決勝へと駒を進めた。


 FC東京と対戦となった決勝戦でも、中井は引き続き4-3-3のインテリオールに入った。


 試合は思わぬ展開で始まった。3-4-3のシステムで臨んだFC東京が開始早々の1分に野澤零温のゴールで先制。戦前の下馬評を覆し、いきなりのリードを奪って観衆を沸かせたのだ。

  FC東京は前線からのプレスと素早いスライドでマドリーにプレッシャーをかけ、自由なプレーを許さない。こうした一連の機能的に動きにより、開始10分頃までは攻撃を抑え込むことができていた。


 だが、その状況を見て動いたのが「ピピ」こと中井だ。自陣でのビルドアップ時にタイミングよく顔を出してパス回しの出口を作ったのである。そう、トップチームの司令塔、ルカ・モドリッチのようにだ。


 これによってマドリーは安定してボールを持てるようになり、逆にFC東京はボールの奪いどころをなくし、ラインを下げるしかなくなった。


 徐々に本来の力を見せ始めたマドリーが同点に追いついたのは後半5分。左サイドからミゲル・フェルナンデスが切り込むと、ペナルティーエリア手前に構えていた味方へ。これをチャモンがダイレクトシュートで狙うと、ループ気味に浮いたボールはゴールへと決まった。

    

 その後は膠着状態が続き、延長戦でも決着はつかず、PK戦に突入。そして、2本のシュートストップを披露したGK彼島優の活躍もあり、4-2でFC東京に軍配が上がった。お互いに死力を尽くし、幾度も観客を沸かせた好ゲームであった。 最終的に敗れて、悔し涙を流した中井だが、大会を通じて安定したプレーを披露したと言える。とりわけ目についたのは、フィジカル面の成長だ。


 昨年の大会では、か細く華奢な印象を持ったが、今年は「身長は180センチあります」という本人の言葉通り、縦にも横にも一回り大きくなり、相手のチャージを腕で抑える場面も見られた。また、不用意にボールを失う場面もほとんどなく、明らかにプレーの安定度が増し、「困った時に出しておけばいい」という選手になっていたように見える。

  昨年に『サッカーダイジェストWeb』に寄稿したコラムで筆者は、「重要なピースではあるが、代えの利かない存在ではない」と記した。だが、今年はプレースタイルはそのままにスケール感を増幅させ、代えの利かない存在になりつつあるという印象を抱いた。トリスタン・ダビド・セラドル・ロドリゲス監督が「モドリッチに近い選手になれる」と太鼓判を押したのも頷ける成長ぶりだ。


 大会連覇を果たせず、悔しい結果でスペインへ戻ることになった中井。しかし、日本サッカー界期待の大器の成長度は、現時点で順調そのものと言えるのではないだろうか。


取材・文●中村僚



記事提供:サッカーダイジェストWEB

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