安部裕葵が加入するバルサBはどんなチーム?――メッシ、イニエスタら名手を輩出も近年は…

安部裕葵が加入するバルサBはどんなチーム?――メッシ、イニエスタら名手を輩出も近年は…

2019.7.12 ・ 海外サッカー

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 7月12日、鹿島アントラーズに所属する日本代表MFの安部裕葵が、バルセロナに完全移籍することが確実となった。クラブ間で合意に達したと鹿島が発表した。


 安部がプレーするのは、スペインの2部Bリーグ(実質3部)に属しているバルセロナBだ。これまでも数々の名手を輩出してきたバルサのカンテラ(下部組織)の最上位にあるのが、このBチームだ。


 2010年、バルサはこの世の春を謳歌していた。現役時代にカンテラ出身の生え抜き選手として活躍し、監督としてもバルサBから内部昇格したジョゼップ・グアルディオラ監督の下で、クラブ史上最強ともいえる黄金時代を形成。その年のバロンドールは、リオネル・メッシ、アンドレス・イニエスタ、シャビの3選手がトップ3を独占した。いずれも、カンテラーノ(下部組織出身者)だ。


 ほかにも当時のチームにはカルレス・プジョール、ビクトール・バルデス、セルヒオ・ブスケッツ、ペドロ・ロドリゲスらがいて、バルサB出身の選手が大半を占めていた。

  しかしその頃を頂点に、バルサ・カンテラの栄光は陰りを見せる。甚大なダメージをもたらしたのが、14年の18歳未満の選手の獲得・登録に関する不正に対するFIFAによる処分だ。その対象は、トップチームはもちろん、カンテラの各チームにも及び、該当する選手は公式戦への出場が禁止された。その中のひとり、久保建英は退団を余儀なくされたのだった。


 当然ながらバルサBは、戦力の弱体化を招いた。やむなく、フロントが行なったのが即戦力の補強だ。2部への昇格・定着を目標に掲げて、レンタル移籍も多用して国外問わず20歳以上の選手をかき集めた。しかしその代償として、チームの平均年齢が上昇するとともに、マシア(バルサのカンテラの総称)で育った純粋培養のカンテラーノの居場所がなくなるという事態を招いた。


 しかも、それが結果に繋がっているといえば決してそうではなく、16-17シーズンに2部昇格を果たすも、わずか1年で2部B降格の憂き目に遭っている。

  そうしたなかで、トップチームに人材を供給するという本来の役割も疎かになった。即戦力を重視するルイス・エンリケやエルネスト・バルベルデといった近年のトップチームの指揮官の起用方針も重なり、昨シーズンにカルレス・アレニャが台頭するまで、グアルディオラ時代の10年に昇格したセルジ・ロベルトが最後に定着したカンテラーノだった。


 前述の降格を機に年齢の高い選手は一掃された。長くカンテラの強化に尽力してきたガルシア・ピミエンタ監督の下で臨んだ昨シーズンは、チュミ、リキ・プッチ、アレックス・コジャード、カルレス・ペレス、オリオル・ブスケッツ、モンチュ、ムヒカといったフベニール(16~18歳)上がりの選手が主軸を担うカンテラーノ色の強い陣容で臨んだが、2部B特有のタフなサッカーに苦戦し、昇格プレーオフ進出すらできなかった。

 

 バルサのカンテラの育成力は、今なお欧州でもトップレベルにある。ただ、問題はクラブの方針の軸がブレてしまっている点にある。先日の副会長ジョルディ・メストレの辞任も、カンテラ部門も統括していたペップ・セグーラへの処遇を巡ったフロント内の意見の対立が発端とされる。


 また最近もフレンキー・デヨングの代理人を務めるアリ・ドゥルスンの息子マイク・ファン・バイネンのバルサBへの入団が発表され、“コネ補強“と物議を醸している。決して一筋縄ではない状況がカンテラ、そしてバルサBを取り巻いている。


文●下村正幸

協力●ファン・ヒメネス(AS紙バルサ番記者)

 

記事提供:サッカーダイジェストWEB

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