【WSD編集長コラム】ポグバ×B・フェルナンデス=? プレミア再開後のマンUに寄せる大きな期待

【WSD編集長コラム】ポグバ×B・フェルナンデス=? プレミア再開後のマンUに寄せる大きな期待

2020.3.26 ・ 海外サッカー

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 新型コロナウイルスの影響によって中断を余儀なくされている欧州主要リーグの再開は、はたしていつになるか。もはや見当もつかない。


 とにかくいまは、新型コロナウイルス感染者の健康回復と事態の早期終息を祈るばかりだが、キックオフのない週末の時間を持て余している海外サッカーファンも、少なくないだろう。欧州サッカーの再開を待ち侘びながら、終盤戦に向けて想像を膨らませるのも悪くはない。


 気になっているのが、プレミアリーグで5位につけるマンチェスター・ユナイテッドだ。2月以降のチーム状態は、明らかに上向いている。大きな貢献を果たしているのが、冬の移籍マーケットにおいて「5500万ユーロ(約68億7500万円)+2500万ユーロ(約31億2500万円)のインセンティブ」で獲得したMFのブルーノ・フェルナンデスだ。


 事実、このポルトガル代表の攻撃的MFが加入して以降のマンUは、カップ戦を含め7勝3分けの負けなしだ。しかもプレミアリーグでは、チェルシー(26節/2-0)とマンチェスター・シティ(29節/2-0)を下してもいる。 クオリティーとインスピレーションが不足し、リーダーを必要としていたマンUは、トップ下から攻撃を牽引するB・フェルナンデスの加入で明らかに変わった。際立っているのは、10試合で3得点・4アシストと決定的な場面に絡んでいる仕事ぶりもさることながら、効果的なフリーランや、ハードワークを厭わない献身性、時間とスペースが限られた状況下でも瞬時に最適解を見出せるインテリジェンスだ。そのプレーからは、パッションと覚悟も感じ取れる。


 19年3月からマンUを率いるオレ・グンナー・スールシャール監督が取り戻そうとしているのは、スピードとイマジネーションに富んだ攻撃的な伝統のスタイルだ。いわば原点回帰を掲げる指揮官のそのフットボールにフィットすることを、そして新たなリーダーになりうる人材であることを、B・フェルナンデスは加入直後に示してみせたのである。


 見てみたいのは、そして想像してしまうのは、ポール・ポグバとの共演だ。ピッチ上でどんな化学反応が起こるのか。足首の怪我で長期離脱しているポグバの復帰時期は、4月上旬頃と伝えられる。リーグ再開のタイミングには、おそらくピッチに戻ってこられるはずだ。 93年生まれのポグバと、94年生まれのB・フェルナンデス。タイプの異なる2人を、スールシャールはどう起用するだろう。4-2-3-1なら推進力に長けたポグバをセントラルMFの一角に、ラストパスのセンスと得点力に秀でたB・フェルナンデスをトップ下に置くのが得策か。いや、その逆も試す価値はありそうだ。


 4-3-3の両インサイドハーフで同時に起用しても面白い。強烈なミドルを装備する2人のシューターが、2列目からゴールをうかがう。守備側にとっては脅威だろう。


 小さくない気掛かりは、故障明けのうえ、マンUでのプレーにすっかり情熱を失ってしまったようにも映るポグバの心身両面のコンディションだ。一部ではシーズン終了後の退団が既成事実のように取り沙汰されている。マンUとの現行契約は21年6月までであり、延長の見込みがないならば、クラブ側としては移籍金が発生する今夏が最大の売り時だ。 ただ一方で、ポグバが残留に前向きな姿勢を見せているという一部報道もある。B・フェルナンデスのパフォーマンスに感銘を受けたというのが、その理由だ。同世代のMFの加入がポジティブな刺激となり、新たなモチベーションを得たポグバが忠誠心と輝きを取り戻せば――。オールド・トラフォードのピッチ上とクラブの未来には、無限の可能性が広がっている。


 マンUが覇権争いに絡まないプレミアリーグや、マンUが不在のチャンピオンズ・リーグは、どこか味気ない。名門の復活は大歓迎だ。ワールドサッカー専門誌を作り続けていく編集者としての立場からも。


文●加藤紀幸(ワールドサッカーダイジェスト編集長) 

記事提供:サッカーダイジェストWEB

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