レジェンドスタジアムはFC東京で活躍する日本代表DF森重真人にインタビューを敢行、独占取材に成功した。その映像を3回に分けてお送りする。中編はミスが失点に直結するポジション、センターバックとしての「責任」について。
「誰もがそう思っているとは思うんですけど、簡単ではないというものわかっています。」
1998年フランス大会以降、日本は5大会連続出場を継続中、少し前まで日本国民にとってワールドカップ出場は『当たり前』だったのだろう。2002年は開催国として予選免除で本大会に出場、それ以降の3大会は、日本と韓国、オーストラリアの実力はアジアにおいて頭一つ抜きん出ていた。出場国が32ヶ国に増えて以降、大げさに言えば『無風状態』が続いていたのだ。ピンチやトラブルが無かったわけではないが、ファンから見れば『油断するなよ』と活を入れる良いタイミング程度の事でしかなく、チームを作っていくために必要な過程、それがアジア最終予選だった。しかし、
「これからはもっともっと難しくなっていく」
と森重もコメントしている通り、アジアのレベルはここに来て上昇傾向にある。初戦UAE戦で敗北を喫した時、『日本代表が出場しないワールドカップを再び経験する可能性も、大いにある』ことを改めて認識したファンも少なくないはずだ。その後、ハリルホジッチ率いる日本代表は持ち直し、7節を終えた時点で単独首位に立った。だが、残り3試合のうち2位サウジアラビア、3位オーストラリアとの直接対決を残している。まだ予断を許さない状況ではあるのだ。
「センターバックは責任感が強くないとできないポジション」
井原正巳、秋田豊、松田直樹、宮本恒靖、中澤佑二、そして田中マルクス闘莉王。歴代のCBレジェンド達を思い起こしてみると、キャプテンか同等レベルで統率力と責任感を持つ選手が並ぶ。特徴やタイプはバラバラだが、強靭なメンタルを備えた者しかプレーできないポジションであることは間違いないのだ。そして、その責任感はファンに対して、だけではない。
「そこに立ちたいと思っている選手もいっぱいいるわけで、その中から選ばれた11人、そういう責任感をもってプレーするのも大事」
日本代表選手に選ばれた以上、プレッシャーは付き物だが、ミスを『チャレンジ』と言い換えてもらえることもある攻撃的な選手に比べ、どんなに相手が強かったとしても失点してしまえば責任の一端を持たざるをえないDF,特にセンターバックは厳しい役回りだ。ただ、それを理解し、受け止めた上で期待に応じたいと宣言する森重は実に頼もしい。『当たり前』のように6大会連続の出場を決め、ブラジル大会の雪辱を果たす、という重いノルマを背負って立てる人材はそれほど多くないのだ。
インタビューではハリルホジッチのキャラクター等、他にも興味深い話題に触れている。ぜひ動画をチェックしていただきたい。