ゴールキーパー目線で見た「プレイしやすいアタッカー」

COLUMN元日本代表GKコーチ リカルド・ロペスの Bird's-eye view③

ゴールキーパー目線で見た「プレイしやすいアタッカー」

By LEGENDS STADIUM編集部 ・ 2017.5.2

シェアする

FIFAロシアW杯アジア最終予選の山場だった、2017年3月に行われたUAE戦(2-0)、タイ戦(4-0)を連勝し、グループBの首位に立った日本代表。この2試合のポイントはどこだったのか? レジェンドスタジアムは日本代表を語る上で、最適な人物に分析を依頼した。アギーレ前監督とともに日本代表スタッフの一員としてGKコーチを務め、ハリルホジッチ体制下でも手腕を奮ったリカルド・ロペス氏だ。現在はアーセナルSS市川のテクニカルダイレクターとして、日本の育成年代の指導にあたっているリカルド氏のインタビュー3回目は、大迫勇也選手、久保裕也選手など、新しい力の台頭について語ってもらった。


GK出身のリカルド氏が賞賛する大迫勇也のプレー


UAE戦では大迫勇也選手が前線で起点になり、日本の攻撃をリードしていました。彼はとてもスピードのある選手で、ヨーロッパでの経験もあります。この「スピード」と「ヨーロッパでの経験」という2つの要素は、日本代表に選ばれる上で非常に大切なことです。ハリルホジッチ監督は、彼に得点を取ることを求めています。所属クラブのケルンで活躍し、ヨーロッパのDFを相手にゴールを決めていることは、大きなアドバンテージになります。


GKの視点から見ると、大迫選手のように前線でボールを収めることができる選手がいると、ゴールキックのときなどにプレーしやすくなります。とくにアウェイゲームのときは、相手チームが攻撃的に、前線からプレッシャーをかけてきます。そのときに、プレッシャーを回避して前線にボールを蹴り出した際、大迫選手のように前線ボールを収めてくれる選手がいると一息つくことができますし、そこから攻撃を組み立てることもできます。彼はクレバーな選手であり、試合の流れを読み、どこに動けばボールを受けることができるかを考えてプレーしているので、チームメイトからすると心強い存在でしょう。


久保裕也はすごく重要な選手


そして、日本代表の攻撃のキーマンになりつつある、久保裕也選手についても話をさせてください。私はあるとき、リオ五輪の代表監督だった手倉森誠監督に「すごく重要な選手がいる」と提言したことがあります。その重要な選手とは、久保選手のことです。彼もスピードとテクニックを備えていて、試合を読む力があります。サッカー選手として、トータルの能力に優れている選手です。今後さらに伸びていき、近い将来、日本代表の中心選手になっていくと思います。リオ五輪は所属クラブの事情で召集することができませんでしたが、彼がいたら結果も変わっていたのではないかと思います。


現在の日本代表チームで、久保選手は右サイドで起用されています。そう、本田圭佑選手と同じポジションです。これまでは本田選手がスタメンで起用されていましたが、UAE戦、タイ戦と久保選手がスタメンで出場し、2得点をあげる活躍を見せました。


私は周囲の人から「久保選手が本田選手からレギュラーポジションを奪ったのでしょうか?」と聞かれることがありますが、本田選手もチームにとって重要な存在であり、日本サッカーにおけるレジェンドの一人です。そう判断するには早いと思います。また、本田選手はピッチの中央部でプレーするときに高いクオリティを発揮するので、久保選手が右、本田選手が中央でプレーすることも可能だと思います。



自分たちを信じれば勝てる


いずれにせよ、日本代表のロシアW杯アジア最終予選はあと3試合です。大切なのは「チームの安定性」だと言えるでしょう。GKの川島永嗣選手は、UAE戦、タイ戦同様、チームに安定をもたらすプレーが必要です。中盤と最終ラインのビルドアップ時のコミュニケーションも重要です。最終ラインからビルドアップしてボールを保持することができれば、日本のリズムになり、多くの攻撃をすることができます。


最後に日本の選手、サポーターたちにお伝えしたいのは「自分たちは絶対に勝てるんだ」と、チームを、自分を信じることです。日本の選手達は十分なクオリティを備えていますし、チームとしての完成度も試合を戦う上で高まってきています。私は日本代表がロシアに行くことができると確信していますし、ハリルホジッチ監督とチームに幸運が訪れるように願っています。


写真提供:getty images,legends stadium

シェアする
LEGENDS STADIUM編集部

LEGENDS STADIUM編集部

LEGENDS STADIUM編集部が独自の視点でピックアップしたサッカーの最先端の情報や、独自取材によるコンテンツをお届けいたします。

このコラムの他の記事