「少し手のかかる子で…」バルサの超新星MFガビの知られざるキャリア。“強烈すぎる”パーソナリティゆえの数々の逸話【現地発】

「少し手のかかる子で…」バルサの超新星MFガビの知られざるキャリア。“強烈すぎる”パーソナリティゆえの数々の逸話【現地発】

2021.10.21 ・ 海外サッカー

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「トッププレーヤーになれる。必ずだ」


 バルセロナの重鎮選手の1人がその将来性に太鼓判を押すのはガビだ。目下、ラ・リーガで4試合連続スタメン出場中で、先日、スペイン代表の最年少出場記録を打ち立てた。

【動画】イタリア戦でスペイン代表最年少のデビューを飾ったガビの様子


 とにかく負けず嫌いで、初招集の喜びを聞かれた時も「今は代表のことは話したくない。むしゃくしゃしている」とアトレティコ・マドリーに敗れた(0‐2)ショックでそれどころではなかった。


 ガビのこの性格は入団時から変わっていない。2016年、入団1年目の出来事だ。当時ガビが所属していたアレビン(U-12)は宿敵のエスパニョールと対戦した。その試合の最中、ゴール前でクリアしようとした相手DFの足と、ボールめがけてダイビングヘッドを試みたガビの顔面が直撃。鼻骨を骨折した。手術を要するほどの重症だったが、しかしその1週間後には練習に復帰した。

  鼻を守るためにフェイスガードを着けて、呼吸がしづらい状況だったにもかかわらず、だ。そして1か月後の復帰1戦目で、相手GKが飛び出してパンチングしようとするところを再び果敢にヘディングシュートでゴールを狙ったのだった。


 カンテラでガビを指導したコーチは「まったく恐れない。物怖じすることがない」と評すれば、トップチームの関係者もこう同調する。「パーソナリティが強い。努力家で、有り余るほどの才能を持っている」


 今夏にも同様の出来事があった。プレシーズンマッチで顎を骨折したが、練習を1度も休むことがなかった。レオン・ゴレツカ(バイエルン)やマルコス・ジョレンテ(アトレティコ・マドリー)といった歴戦の猛者を向こうに回しても、恐れずに立ち向かい、球際で競り勝てるのはこのパーソナリティの賜物でもある。


 ガビは、地元のクラブのリアラ・バロンピエでサッカーを始め、その後ベティスのカンテラに加入した。当時から負けず嫌いで、入団直後のガビを指導したフェルナンド・カセレスも、「負けることを受け入れることができなかった」と述懐する。


 ガビに引っ張られたチームは無敵の強さを誇り、参戦したポルトガルの国際大会も制した。ちなみに決勝の相手がバルサで、ガビはハットトリックを達成。その勢いは国内リーグでも止まらず、シーズンを通して100得点以上を叩き出している。


 その才能に着目したのが当のバルサで、2015年に入団に合意。加入直後から前評判通りのプレーを見せたが、その一方で、感情のコントロールの仕方を学ばなければならなかった。クラブのスタッフが証言する。「敗北を消化できなかった。落ち着かせなければならなかった」。さらにこうも付け加える。「ピッチを離れても少し手のかかる子でね…」


 実際、その類のエピソードは事欠かない。DNI(スペインの身分証明書)を5度紛失し、服をそこら中に脱ぎ散らかすものだから、チームメイトの服を着ているのは日常茶飯事。靴ひもを締めていなくてもまるで無頓着で、スパイクをチームバスに置きっぱなしにする常習犯でもある。


 その一方で、現在もラ・マシアで暮らすガビは、時間の許す限り、元チームメイトや年下の選手が出場しているチームの試合の応援に駆けつけている。

  要はサッカーのことしか頭にないのだ。友人によるとある日、大型のアパレルショップに立ち寄ると、スポーツ用品のコーナーに直行。いつものようにボールを蹴り始めたという。


 サッカーが大好きで、練習に明け暮れているうちに上達した。まだまだ子供っぽいところもあるが、ことサッカーと勝負事になると誰よりも前のめりになる。ガビはこれからもがむしゃらに階段を駆け上がっていく。


文●ジョルディ・キシャーノ(エル・パイス紙レバルセロナ番)

翻訳●下村正幸


※『サッカーダイジェストWEB』では日本独占契約に基づいて『エル・パイス』紙のコラム・記事・インタビューを翻訳配信しています。



記事提供:サッカーダイジェストWEB

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