【日本代表】サウジ&豪州と戦う10月シリーズのノルマは? 達成できなければ監督解任も? 識者3人の見解

【日本代表】サウジ&豪州と戦う10月シリーズのノルマは? 達成できなければ監督解任も? 識者3人の見解

2021.9.28 ・ 日本代表

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 オマーンとの初戦は0-1の敗戦。続く中国戦は大迫勇也のゴールで1-0の勝利。1勝1敗、勝点3のグループ4位。カタール・ワールドカップのアジア最終予選で、2試合を終えた時点での日本代表の戦績だ。


 10月シリーズでは、7日に敵地でサウジアラビア、12日にホームでオーストラリアと対戦する。両国とも予選で2連勝を飾り、ともに勝点6。得失点差で豪州がグループ首位に立ち、サウジがこれに続く。


 日本にとって予選突破の命運を大きく左右する重要な2連戦。一気に形勢を逆転できるかもしれないし、ライバル国との差がさらに開くことになるかもしれない。この重大局面で、森保ジャパンに課せられたノルマは? 仮にそれが達成できなかった場合は――。識者3人の見解をうかがった。


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 ■内田知宏氏(スポーツ報知)の見解


 鹿島アントラーズで長らく強化責任者を務める鈴木満氏は、監督続投、解任の判断をする時、選手の様子を注意深く見るという。「監督の声に選手が反応しているか、していないか。たとえ結果が出ていなかったとしても、選手が反応していれば、チームは前進できるし、無反応なら交代する。チームは生き物だから、よく観察する必要がある」。


 この基準で森保ジャパンを考察したい。最終予選初戦で敗れ、チームは中国戦が行なわれるドーハ入り。直後の取材で、原口元気は自身のメンタルの課題を口にした。大迫勇也は「一人ひとりが勝利のために考える必要がある」と言った。森保一監督の「相手のモチベーションを上回る必要がある」という声に、素直に反省、改善しようとする声に聞こえた。


 では、森保監督の声は勝利に近づけているか。ロッカーで選手に話すことと、メディアに話す内容がこれほどまでに同じ監督は珍しい。選手が最も知りたい「試合に出るための基準」が中でも外でもブレないから、選手は前向きなエネルギーを持ちやすい。また、戦術は最先端ではないかもしれないが、選手の特性からかけ離れたようには感じない。


 もちろん課題はある。ピッチにいる選手の「適応力」を信じ、問題の改善が遅れた試合があったのも事実だ。黒星を喫したオマーン戦も、その一つに挙げられる。勝利を手繰り寄せるベンチワークを、Jリーグで日常的に見られるかと言ったらそうではないが、アジアを勝ち抜くために、ワールドカップで勝つために、ベンチの力業も必要な時が必ずやってくる。


 10月の2連戦では、勝点4を確保したいところ。最低限のノルマで言えば、勝点3になるだろうか。鈴木氏の言葉を借りれば「チームは生き物」。そのチームは結果の影響を受けやすく、長所が短所に化ける。加えて、コロナ禍で最終予選は例年より短期決戦で行なわれている。ノルマを達成できなかった場合、解任による「ショック療法」を講じる必要も出てくるだろう。日本サッカー界にとって一番避けたいのは、ワールドカップ連続出場が途絶えることである。

 ■飯間健氏(スポーツニッポン)の見解


 1勝1分。これが10月シリーズで森保一監督に課せられる“最低限”の数字だろう。


 本来ならば来年11月のカタール・ワールドカップ本大会を想定しながらアジア最終予選を戦っていくのが理想だったが、いきなり初戦オマーン戦で出遅れ。1度出てしまった結果を覆すことはできないし、現実路線で勝点を積み重ねていくしかない。


 今思えば、ロシア・ワールドカップのアジア最終予選の初戦UAE戦で負けたことは大きな財産になる。4試合終了時点で勝点7。これは前回アジア最終予選の数字である。もちろん2連勝を手にしてくれるのが一番とはいえ、サウジアラビアとオーストラリアのライバル2か国に1勝1分で乗り切れば、前回の勝点数に並ぶことができる。チームとして内容は二の次。結果最優先だ。


 だが指揮官には結果とともに“成長”も求めたい。9月シリーズはコンディションが整わない選手を多数起用。綿密な対策をしてきたオマーンを上回る、もしくは引っ繰り返す戦術変更もなかった。重圧の掛かる2連戦になるのは間違いなく、実績や経験が必要な戦いになるのは理解しているが、まずはコンディション最優先の選考をしてほしい。


 またFWオナイウ阿道やFW前田大然ら、経験値は少なくても勢いのある選手を抜擢する勇気にも期待したい。


 新型コロナ禍で外国人指導者招聘が難しい状況下、めぼしい日本人の後任候補が浮上してこないのは日本サッカー界の課題だ。だが目標数字に届かなければ『解任』という劇薬投下も致し方ない。恐らく反町康治技術委員長の名前が挙がるだろうが、それならば私個人としてはこれまでの森保ジャパンの活動を熟知しつつ、各方面で指導力を高く評価されている横内昭展コーチの昇格が望ましいかと思う。

 ■唐沢裕亮氏(東京新聞)の見解


 10月は進境著しい守備的MF田中碧の選出が濃厚な一方、好調の久保建英は負傷で参戦が絶望的。アウェーのサウジアラビア戦は伊東純也も累積警告で出場できず攻撃陣に不安は残るが、難敵相手に何とか引き分けで乗り切り、ホームでのオーストラリア戦で必勝を期す。


 つまり2試合でのノルマは「勝点4」としたい。その上で11月以降の残り6試合のうちホームで全勝し、アウェーで全て引き分けると、勝点は計19に上る。前回のアジア最終予選を物差しにすれば、2位での通過の可能性は十分にある。


 では、10月シリーズでノルマに達しなかった場合はどうか。それでも「まだ」解任すべきではないと考える。急場で火中の栗を拾うとしたら、反町康治技術委員長か森保一監督が「一心同体」と評する横内昭展コーチになりそうで、大きな変化は想像しにくい。


 最終予選の前半が終わらないうちに安易に「解任ブースト」を期待するのは危うい。また、現行のホーム&アウェー方式となったワールドカップ・フランス大会のアジア最終予選以降、3敗までなら前回の韓国、サウジアラビアのように突破したケースがあるが、4敗しての突破は過去に例はない。それだけに、10月シリーズで仮に連敗して3敗となったタイミングが解任への分水嶺とみる。


「1チーム2カテゴリー」として森保監督が率いた東京五輪チームも含めて、最終予選の中国戦まで直近5試合連続で複数得点がない攻撃も気がかりだ。指揮官には攻撃陣のてこ入れも求めたい。そして漂う悲観論を打破する意味でも、10月シリーズは1試合2点以上を期待したい。吉田麻也、冨安健洋を中心とする後衛は安定しているだけに、そうすればノルマを超える「勝点6」も見えてくる。



 

記事提供:サッカーダイジェストWEB

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