【浦和】退任発表後の会見で大槻監督が語った胸中…「3年計画」初年度で目指したもの

【浦和】退任発表後の会見で大槻監督が語った胸中…「3年計画」初年度で目指したもの

2020.11.28 ・ Jリーグ

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 11月25日、浦和レッズから大槻毅監督の今季限りでの契約満了が発表された。


「思いのほか僕は大丈夫でした。しっかりとやってきたつもりだし、その仕事に関して誇りを持って、責任を持ってやってきたつもりです。結果として数字的なものは自分自身でも不甲斐ないとは思っていますけど、仕事に100%をかけてきたという揺るぎのない自信を持っています」


 退任発表から2日後の27日、オンラインで複数メディアの取材に応じた大槻監督は、心境の変化が思ったよりもなかったと、晴れやかな顔で語った。


 残りの在任期間は約1か月。残されたリーグ戦は4試合だ。


「大事なことはこの4試合で、しっかりと我々が試合に向かって勝利をするという意欲に満ち溢れ、そういった集団であることをすべての方々に見てもらうような形を取らなければいけないと思っています」


 クラブは2022年シーズンのリーグ優勝を見据え、今季開幕前に「3年計画」を打ち出した。その初年度となった今季、大槻監督は“リセット”の必要性を感じてやってきたという。

 「チームを作るというのは、家で言うと増改築みたいなものだと思っているんですよ。歴史もあるし、人の流れもあると思っていて、それが続いているなかで、ACLがあった時にはACLに合わせた編成をしなければいけなかったりする。それでここ数年、監督はミシャさんから変わる回数が多かった。そのたびにクラブがオーダーを訊いて選手を補強したりという部分があったなかで、やはり編成も含めて、少しバランスが悪いところが出てきた。


 その都度やるサッカーも変わっていますから、獲ってくる選手の質も変わってきます。そこを3年計画の1年目でベースに戻すというか、針をゼロに近づけるというか、そういう作業が必要だったと思っています。


 ベースとなる強度だったり、ランの部分だけでなく、しっかり判断を共有する作業が必要だったと思う。特に初期の部分で。そういったところで一度、選手の目線を揃えてサッカーをする。特に一定のスタイルで長くやってきた選手たちは、それに近いものを表現することが多かった。それを揃えるようなところが必要だったと思います」


 大槻監督に求められたのは、まず下地を作る作業だった。固まり切った個々のスタイルを一度壊して、それぞれが同じビジョンを描けるようにする。そのための方策のひとつが、3-4-2-1から4-4-2へのシステム変更であり、「主体的なサッカー」へのトライだったに違いない。

  ただし思うような成績は残せなかった。30試合消化時点で、13勝6分11敗の9位。「国内屈指」とも言われるクラブ規模を考えれば、やはり物足りない数字だ。


「サッカーのスタイルと、数字的な定量化された目標が設定されていますから、その両方を求めるところが非常に難しいところがあると思っていましたけど、そこはクラブと話して進めてきました。1年目というところで、今季のACL出場は可能性ゼロにはなっていませんけど、そこに注力してやってきました。3年計画で言うと、その1年目を任されたところで、ベースのところを作れればと思っていました。けど、ただそれだけではダメで、しっかり勝つことをやらないといけないクラブなので、そういった1年目だったと思っています」


 結果が求められるクラブだからこそ、そんなチームを率いる難しさを大槻監督は語った。


 それでも、退任が決まった今も、クラブの将来を考える姿勢は変わらない。

 「長くここにいるし、常にこのクラブの未来のことは考えているつもりです。将来は一つひとつの積み上げでしかつながらない。大きな試合がまた週末にあるということだと思っています。そこに対しての僕の責任は100パーセントの準備をして、そこへ向かうこと。それだけです。例えば僕が退任するからと言って変わるわけではないし、僕自身の姿勢も変わるわけではありません。選手もそうだと思う。(次の試合も)浦和レッズとして鹿島と戦うんです。僕が戦うわけじゃない。だから当然のことだと思います」


 未来へつなげるために、残りの4試合も変わらずに選手には、戦う姿勢やクラブを背負う責任を求めていくつもりだ。


「シーズン最後に向けて順位的なことで、周りからの期待に沿うようなものではないことは十二分に理解しています。そのなかでも浦和レッズとして戦うというところに対して、選手がすべてを出し切るだとか、どんな状況でも環境でも、そういった姿勢を見せ続けることがここにいる責任なんだと要求していきたい。それを表現することが大事なことだと思っています」


 そうした大槻監督の姿勢は果たして未来につながっているのか。その答が見られるのは来季以降なのかもしれない。


構成●サッカーダイジェスト編集部

記事提供:サッカーダイジェストWEB

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