AFC U-23選手権に臨む、森保ジャパンのメンバーが発表。“3つのグループ+1”に隠された狙いとは?

COLUMN川端暁彦のプレスバック第 52回

AFC U-23選手権に臨む、森保ジャパンのメンバーが発表。“3つのグループ+1”に隠された狙いとは?

By 川端 暁彦 ・ 2017.12.27

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12月26日、森保一監督率いる東京五輪代表(U-21日本代表)にとって、初めての公式大会となるAFC U-23選手権(中国)に臨む23名のメンバーが発表された。その内訳は大きく三つのグループと、一人の選手に大別することが可能だ。


一つ目のグループは言うまでもない。今年5月のU-20W杯に出場した選手たちである。


先日の東アジアE-1選手権でA代表入りもした初瀬亮(G大阪)を筆頭に、GK小島亨介(早稲田大)、波多野豪(FC東京)、DF原輝綺(新潟)、MF板倉滉、三好康児(共に川崎F)、遠藤渓太(横浜FM)、髙木彰人(G大阪)、藤谷壮(神戸)、岩崎悠人(京都)、FW田川亨介(鳥栖)という11名の選手たちである。


二つ目のグループは、森保ジャパンの初めての活動となった先日のタイ遠征メンバーから生き残った選手たち。すなわち、DF庄司朋乃也(金沢)、立田悠悟(清水)、MF浦田樹(北九州)、神谷優太(湘南)、井上潮音(東京V)、FW小松蓮(産業能率大)の6名だ。


当初の見通しよりも少々多めに生き残ることとなったが、森保監督としても、自分のやり方を把握している選手が一定数いるほうが、やりやすいのは間違いない。


森保監督の教え子も抜擢


そして三つ目のグループは、U-20W杯へと向かう過程で年代別代表として招集された経験がありながら、最終メンバーには残れなかった選手たちで、全部で5人いる。


GK阿部航斗(筑波大)はU-17W杯に一学年下ながら出場を果たすなど、元々この世代で最も高く評価されていたGKである。DF柳貴博(FC東京)、古賀太陽(柏)、森島司(広島)、伊藤洋輝(磐田U-18)はU-20W杯の最終候補にも名前の出ていた選手たちである。


森島はU-20W杯メンバーに選出されながらも、負傷で涙を飲んだ経緯があった。森保監督にとっては広島で抜擢した教え子でもある。柳、古賀、伊藤は今年7月に行われたAFC U-23選手権の予選にも参加しており、いずれも驚くような選出ではない。


注目の超快速ストライカー前田


そして最後に例外の一枚、ワイルドカード的に選出されたのがFW前田大然だ。今季はレンタル先の水戸で大暴れを見せた超快足ストライカーは、各年代を通じて初めての代表選出となる。


今季半ばに「結果を出していけばきっと選ばれる」と語っていたが、まさに有言実行での選出となった。タイ遠征をすっ飛ばしての選出は、疲労を考慮した面もあるだろうけれど、何より期待の裏返し。指揮官がこの素材をどう料理するのかにも注目したい。


以上、3グループ+1名の23名が中国での大会に臨むこととなる。


中山、富安、久保など、選出を見合わせた選手も


森保監督は今回の大会で、シーズンを通じてフル稼働し、国際大会にも出場してきた選手たち、たとえばDF中山雄太(柏)、冨安健洋(福岡)、杉岡大暉(湘南)といった選手たちは、その疲労も考慮して招集を見合わせた。


二つの世界大会に出場しているFW久保建英(FC東京U-18)についても同様だ。いくら若いとはいえ、限界はあるもの。まだ焦る時期でもなく、何かを懸けた予選大会でもない以上、これは妥当な判断だろう。


加えて、負傷で長期離脱中のFW小川航基(磐田)はもちろん呼べず、海外組のMF堂安律(フローニンゲン)、坂井大将(AFCテュビズ)、GK山口瑠伊(エストレマドゥーラ)も招集不能。そうした中でタイ遠征で発掘した新戦力や、U-20W杯に惜しくも残れなかった選手たちを呼んで五輪代表としての枠を広げ、ラージグループの形成を図る狙いがある。


ベストメンバーが揃うのは南米遠征か


森保監督の考えるベストメンバーが顔をそろえるのは、2018年3月に予定されている南米遠征、あるいはもっと先になりそうだ(最後まで揃わなかったというオチは厳に避けたいが……)。


日本は2018年1月に開催する、AFC U-23選手権(中国)のグループステージで、10日にパレスチナ、13日にタイ、16日に北朝鮮と対戦する。相手は年上の編成で、特に北朝鮮はかなり手強い相手だが、決してタフなグループではあるまい。まずはその突破、すなわち手倉森ジャパンのスタート時と同じベスト8が、目指すべき最低ラインだろうか。


指揮官は歴史ある東洋の大国が舞台となるこの大会で、選手の特徴把握を図りつつ、本格的なチーム作りの第一歩を始めることとなる。(文・川端暁彦)


写真提供:getty images

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川端 暁彦

川端 暁彦

1979年8月7日生まれ。大分県中津市出身。フリーライターとして取材活動を始め、2004年10月に創刊したサッカー専門新聞『エル・ゴラッソ』の創刊事業に参画。創刊後は同紙の記者、編集者として活動し、2010年からは3年にわたって編集長を務めた。2013年8月からフリーランスとしての活動を再開。古巣の『エル・ゴラッソ』を始め、『スポーツナビ』『サッカーキング』『サッカー批評』『サッカーマガジンZONE』『月刊ローソンチケット』など各種媒体にライターとして寄稿するほか、フリーの編集者としての活動も行っている。2014年3月に『Jの新人』(東邦出版)を刊行

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