大会概要

14回目のFIFAクラブワールドカップがアラブ首長国連邦で開催される。インターコンチネンタルカップから発展し、各大陸のチャンピオンクラブが集まってクラブ世界一を決める、という形になってからしばらくは大会運営も試行錯誤が見られたが、2005年に現行の各大陸王者が集う形になって今年で12回目、世界中のサッカーファンの間でもかなり定着して来たと言って良いだろう。

当初は特にアジアやオセアニア、アフリカと欧州や南米、北中米のレベル差に大きく開きがあり、世界一のクラブを決める大会として懐疑的な目で見られることもあったが、実力が下と思われていた地域のクラブが欧州王者や南米チャンピオンと堂々と渡り合う姿を示すことで、徐々に大会の存在感は高まって来ている。

オーストラリアがアジアサッカー連盟に転籍後、特にレベルの低さを指摘されていたオセアニアだが、最多出場を誇るオークランド・シティ(ニュージーランド)が徐々に結果を出し、2014年大会で準決勝に進出、3位決定戦でクルス・アスル(メキシコ)にPK戦で競り勝ち、オセアニア勢として初めて3位に入った。選手個人ではヨーロッパの強豪クラブにタレントを排出し続けているアフリカもクラブレベルでは全く結果を出せていなかったが、2010年大会にマベンゼ(コンゴ民主共和国)、2013年大会ではラジャ・カサブランカ(モロッコ)が決勝に進出、共に準優勝に輝いた。

アジア勢は長きに渡って準決勝の壁を敗れないでいたが、昨年2016年の日本大会で開催国代表として出場した鹿島アントラーズがアトレチコ・ナシオナル(コロンビア)を破り、ついに決勝に進出。銀河系軍団と言われて久しい超強豪のレアル・マドリー(スペイン)と対戦した。結果的に敗れはしたものの、一時は逆転しリードするという拮抗した展開で延長に持ち込むなど、世界的なクラブに冷や汗をかかせるに値する戦いを見せた。この試合は欧州各国でも注目を集め、スペインでもオール日本人が先発し、粘り強い守備と鋭いカウンターアタックでマドリーを苦しめたアントラーズに賞賛が集まった。この試合で2得点した柴崎岳(現ヘタフェCF)が、大会後にスペインのテネリフェからのオファーを受けて移籍を成立させたことからも、欧州サッカーに対して小さくないインパクトを与えたことがわかる。

昨年、鹿島が引き上げてくれた日本人ファンの関心は、今年の大会でさらに高まるかもしれない。10年ぶりにアジア・チャンピオンズリーグを制した浦和レッズがアジア代表として出場するだけでなく、今夏にACミラン(イタリア)から本田圭佑が加わったCFパチューカ(メキシコ)が北中米カリブ海代表として出場、オークランド・シティにも6年連続出場となる岩田卓也が在籍しており、日本人選手が世界トップクラスの相手と戦う姿を目の当たりにすることが出来るだけでなく、日本人同士の激しい鍔迫り合いも目撃することになるだろう。国際大会と言えば代表戦が注目されがちだが、クラブでも徐々にアジア勢、日本勢の活躍に期待できる時代となったようだ。