【セルジオ越後】最後の最後に吉田を上げるという選択…日本は10年前の岡田ジャパンから同じ問題を引きずっているよ/東京五輪

【セルジオ越後】最後の最後に吉田を上げるという選択…日本は10年前の岡田ジャパンから同じ問題を引きずっているよ/東京五輪

2021.8.4 ・ 日本代表

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 日本の金メダルの夢はベスト4で潰えてしまったね。準決勝のスペイン戦は、115分に均衡を破られ、これが決勝点となってしまった。


 120分を戦って0対1という結果だけを見れば、多くのメディアが言うように“惜敗”に見えるけど、その内容を見ればやはり完敗と言わざるを得ない。ポゼッション率はスペイン61%に対し日本が39%で、シュート数はスペイン18本に対し日本は半分の9本。うち枠内シュートはスペイン6本に対して日本は1本しかなかった。どちらのほうがゴールの可能性のある攻撃を仕掛けられたかは明らか。内容から言えば、勝つべきチームが勝ったと言えるよ。

  日本はハッキリ言ってこのレベルになると、まだまだ対等にはサッカーが出来ない。立ち上がりから、日本は相手をリスペクトしてディフェンスラインをペナルティエリアの辺りに引いてなんとか身体を張って凌いでいた。これはある意味、日本のストロングポイント。組織的に引いて守るのは、今回の森保ジャパンのチーム構成上、当然考えられる戦術だよ。オーバーエイジの経験値のある選手たちが守備的なポジションで堅く守って、タテ一本のカウンターで相手の背後を狙う。そんな展開で90分が進んでいった。


 攻撃面では1対1で勝負できていたのは、終盤にスペースが空きだしてからの相馬だけで、久保くんも90分でチャンスを1、2回つくれていたかどうか。旗手や堂安もすっかり守りに追われてしまっていた。けれど、一番の問題点はなんといってもFWが点を取れていなかったこと。前田がフランス戦の4点目を取った以外は、この日最前線の位置に入った林も上田もいまだ無得点だ。林はガッツもあるし、身体を張ってよくやっているけど、結果が出ていない。


 そして最後の最後には、吉田がトップの位置まで上がった。点を取るために本当に打つ手が吉田を上げることしかなかったのか、それも疑わしいけど、結局最後は高さや強さのある選手を活かして前に早くボールを送り込むような形を狙っている。結果論にすぎないけど、やっぱり大迫をオーバーエイジに選んでおけば良かった、なんて議論が出てきてもおかしくはないね。なんで最後に吉田を上げるという選択に至ったのか。日本サッカーが考えるべき課題じゃないのかな。


 日本は前線でボールが収まらなかったのに対し、スペインはトップにラファ・ミルというプレミアリーグで活躍する大型選手を配置していた。そのミルが基準点となるべく、しっかりとボールを収めていたのに対し、日本の最前線は相手のCBとボランチに挟み込まれ、簡単にボールを奪い返されてはスペインの波状攻撃に繋げられていた。

  やはり世界の舞台に立った時、日本はまだまだ点取り屋やポストプレーヤーの物足りなさを痛感させられる。11年前に岡田ジャパンがワールドカップでベスト16まで勝ち上がった時にも、FWが決め手を欠いて本来はMFの本田がトップを務めて勝ち上がった。それを思い起こせば、結局10年経っても、日本の“FW不足”という根本的な問題は解決できていないということになる。これは日本サッカーがずっと引きずっている大きな課題だよ。


 ただ、3位決定戦はなんとしてでも勝ってほしいところだ。自国開催で、他の国よりもずっと長い時間をかけて準備し、オーバーエイジも希望通りに招集できた。今回を逃せば、メダルなんか53年ぶりどころか、60年経っても取れないよ。最後は是非、世界の壁を乗り越えていってほしいね。


構成●サッカーダイジェストWeb編集部



記事提供:サッカーダイジェストWEB

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